Jun,05,2012

9か月に及んだ南米編パートⅡも無事終了したところで、恒例の大陸別ランキング:南米編。
第1回目の今回は、「自転車で走っていて楽しかったルート編」です。
今回走ったエリアは大きく分けて9か所(詳細はGPSログ参照)。中でも何日分もの食料を積み込んで走ったアンデスの山々の印象は強烈に残っています。
厳しくも心に残るルートの数々を、ランキング形式でまとめて振り返りたいと思います。

なお今回のランキングは2010~11年の南米編パートⅠ:パタゴニア編で訪れた場所は除かれています。当時のランキングはこちらをご覧ください。
パタゴニア:自転車で楽しかったルート編

【第1位】 サンフランシスコ峠(アルゼンチン・チリの国境)

アンデスの美しい景色をすべて一か所にまとめたかのような、とにかく毎日、毎時間ごとに歓声を上げずにはいられない素晴らしい峠越え。
8日分の食料を積み込んで越えた思い出深いこの峠が、数あるアンデスの峠の中でも堂々の第1位となりました。

『切り立った奇岩群、七色に輝く渓谷、広大な高原、そして美しい雪山。
標高を上げれば上げるほど、次々に違う風景が目に飛び込んでくる。
そのどれもが本当に素晴らしい。これまで越えてきた数々の峠のハイライトを全部ピックアップして一挙に大公開してくれているかのような美しい道のりだ。』
-Jan,31,2012 「諦めなくてよかった(サンフランシスコ峠)」より-

 
【第2位】 アカイ峠&カルチャキ渓谷(アルゼンチン)

標高5000mに迫るアカイ峠の頂上、その先に広がるパステル調のカラフルなカルチャキ渓谷にはただ息を呑むばかり。そして峠を越えたご褒美は、幸せのキャンプ生活&ワインの産地カジャファテでのワイン浸りの日々。
アカイ峠そのものは特に面白いわけではないけれども、峠を越えた先のご褒美が素晴らしいルートでした。

『こんな辺鄙な場所にこんなにも鮮やかな色の世界があるなんて。
緑豊かな渓谷の風景とも違う、赤茶けて別の惑星みたいだったアタカマ高原の風景とも違う、
両方の一番素敵なところをこんなに素敵に、ドラマティックに見せてくれる。』
-Jan,19,2012 「峠はこうでなくっちゃ(アカイ峠)」より-

 
【第3位】 サハマ山~ラウカ国立公園(ボリビア&チリ)

ボリビア最高峰サハマ山をめがけて走るボリビア側、チュンガラ湖や雄大な火山が美しい4つの国立公園を貫くチリ側の道のり、そしてそのルート上にご褒美のように点在する世界一の温泉たち、無数のビクーニャやリャマやアルパカたち。
砂道を押して歩くのは大変だったけれども、その価値は十二分にある超お勧めルートです。

『パッキパキに澄んだ空気に碧い碧い空、遠く彼方まで色とりどりの山々が見える。
時折動くものと言えばふわふわの毛に身を包んだビクーニャだったり、活動中の火山がせっせと出している煙だったりで、自転車を停めるとキーンという無音に包まれる。』
-Dec,09,2011 「ヨーロッパなんて走ってる場合じゃない」より-

 
【第4位】 ペルー中央部、アルティプラノ

毎日のように2000mのアップダウンを繰り返すチャリダーには有名なジェットコースタールート。
観光客相手ではないペルー人の素敵な笑顔に心が洗われる素晴らしい日々でした。
宿も食堂も毎日あるし、坂の傾斜もそれほどきつくないので、マゾじゃなくても十分楽しめます。

『道はエクストリームだったわりには景色的に一生忘れられない絶景というようなものはなかった。
それでも、この道はペルー人の温かくて、のどかな日常生活を垣間見れる素敵なルートで、毎日走っていて幸せな気分になった。』
-Nov,12,2011 「幸せのジェットコースター」より-

 
【第5位】 ハマ峠(アルゼンチン・チリの国境)

この辺りでは珍しい全線舗装路の、快適な峠越え。アルゼンチン側の七色に輝くウマワカ渓谷に始まり、チリ側の別の惑星にワープしてしまったかのような絶景まで、舗装路の上から毎日素晴らしい景色を楽しめるお勧めの峠。

『これが地球上の風景とは到底信じられない。
知らない間に別の惑星にワープしてしまったのではないかと思うくらい、忘れがたい風景がどこまでも広がっていた。』
-Jan,07,2012 「やっぱり舗装路が好き(ハマ峠)」より-

 
【第6位】 シコ峠(アルゼンチン・チリの国境)

こちらは未舗装路をひた走る峠道。ハマ峠がずっと絶景続きだったのに対して、シコ峠はピンポイントで地球上の風景とは思えない「超」絶景が見られるのがお勧めポイントです。
ハマ峠とシコ峠は甲乙つけがたいけれども、シコ峠の方が未舗装路で風も強くてより大変だった分、より気軽に楽しみ続けることができたハマ峠に軍配を上げました。

『一日の終わりに、あの景色は夢だったんじゃないかと、思わずデジカメの写真を確認してしまうくらい夢のような時間を過ごした。
でもデジカメの写真には、あの神がかった素敵さの3分の1も映っていない。
やっぱりあの景色は夢だったのかと今でも疑ってしまう。』
-Jan,13,2012 「夢だったのかもしれない(シコ峠)」より-

 
【第7位】 コイパサ塩湖縦断&ウユニ塩湖横断(ボリビア)

世界の旅人が憧れるウユニ塩湖。距離感を失う真っ白な塩の平原を走るのはとても不思議な感覚。
でもひたすらフラットな上に延々と同じ風景が続くので、少し走れば僕らには十分だったかも。
ウユニ塩湖は固く締まって走りやすかったけれども、ビシャビシャだったコイパサ塩湖は本気で辛かった・・・

『確かにしっかりと締まったウユニ塩湖はコイパサ塩湖の100倍いや1000倍走りやすかった。
それでもテンションは上がらない。
それどころか走っても走っても進んでいる感覚が全くないウユニ塩湖は、走りやすくても修行だった。』
-Dec,21,2011 「ピンクの世界」より-

 
【第8位】 コロンビア&エクアドル走行

標高300mから3300mの間を行ったり来たり。アップダウンは厳しいけれども緑に溢れた美しい道。
断崖絶壁に沿って作られた峠道は高度感たっぷりだけど、似たような景色がずっと続くのが残念。

『旅そのものが非日常なのかもしれないけれど、ハイライト続きでエクストリームだった南のアンデスに比べてコロンビアの日々は自転車生活の日常で、小さな気づきの大切さを思い出すことができたり、穏やかに考え事をしたり、ゆっくりと日々を楽しむ走行だった。』
-May,06,2012 「コロンビアな日々」より-

 
【第9位】 チチカカ湖周辺~ラパスまで(ペルー、ボリビア)

真っ青なチチカカ湖がまぶしいルート。十分美しいのだけど、難易度も低く、他の強烈なルートに比べると一番印象が薄い。

『4000mといえば富士山より高いし、普通なら森林限界線なんてとっくに振り切っている標高だ。
そんなところに水が豊富に流れて草木が普通に生え、人が住み、リャマやアルパカや羊が草をほおばっている。ついでチチカカ湖のような巨大な湖まである。
つくづく自然っていうのは不思議なものだ。

-Nov,21,2011「ありがとう、ペルー!」より-

 
***
チチカカ湖周辺という素晴らしいルートが最下位だなんて、南米走行はなんて贅沢なんでしょう。
これで第1回:自転車で走っていて楽しかったルート編はおしまいです。
第2回目は、興奮の観光地編です。


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