Feb,27,2012

ブラジリアに来たのは、建築家オスカー・ニーマイヤーによる建築物を見てみたかったから。
中心部にある建物の多くは彼が設計したもので、50年前に近未来都市を思い描いて創られたような、なんともユニークな建築物の数々を見てみたかった。
それらがゼロから創られた都市にどのように配置されて、どのように存在しているのだろうかと。

昔は建築には興味がなかったし、今でも何がどう良いのかなどさっぱり分からないのだけれども、
メキシコでルイス・バラガンの建築に感動した日から、建築も絵画のように写真より生で観るべきで、素晴らしいといわれるものはぜひ生で見てみたいと思うようになった。

オスカー・ニーマイヤーの建築は素敵だった。
過去でもない未来でもない、時空を超えた不思議な空間を彼の建築物は作り上げていて、
写真でみたときは無機質な冷たい感じがしたのだけれども、その建物の多くに美しい曲線がつかわれていて、すっきりかっちりの建物に優しい雰囲気をもたらしていた。
ひとつひとつの建物の周りにはそれらを邪魔するような生活感のある物体が存在しない。
それだけに建物は50年経った今も「作品」が並んでいるといった感じがして、
ひろはしきりに「万博パビリオンだねぇ」とつぶやいていた(私は万博へは行ったことがないので分からない)。

計画的に造られた街は世界中にたくさんある。
そもそも街とは人が作ったものなのだし、造られたその空間に人々の思惟や利便性などろいろなものが付け加えられて行って、たとえ計画都市とはいえ計画からは程遠い形が自然にできていくものだと思う。それが自然だし、その街の味であり、面白さでもある。
ブラジリアにはそれがない。建築家たちが思い描いて模型に起こしたまんまの形で残っていて、
建築物を見るという視点では充分な余白に完璧な形で置かれていて素晴らしかったと思ったけれども、
街としては残念に感じた。残念というか寂しいというか。
住民からの愛が感じられない寂しさが漂っている気がした。


この国会議事堂のお椀のカーブにすっかり魅せられてしまった。美しい。

ニーマイヤーの建築で残念だったのはメトロポリタン教会。
ルイス・バラガンの教会と比べるのもなんなんだけど、神聖さが足りなかった。
信仰心の厚かったバラガンが創りだした空間は涙がでたほど神聖だっただけに(バラガン建築についてのブログ記事はこちら)、オスカー・ニーマイヤーの教会は奇をてらった感が強く、信仰の場という神々しさが感じられなかった。
教会だと思わなければ明るく素敵な空間ではあったのだけれども。
市民室内プールとか図書館あたりだとよかったのになぁ。

もう一つ教会つながりでドン・ボスコ教会。
こちらはオスカー・ニーマイヤーの建築ではないのだけれども、
360度ぐるっとステンドグラスに囲まれた教会は、まるで夜空のようで美しいと聞いたので足を運んでみた。
こちらも確かにステンドグラスが美しかったのだけれども、四角く単純な大きな箱といった空間が神聖さに欠けていてあまり好きになれず。こちらも教会と思わなければ素敵な空間だと思うのかもしれないけど。
ちなみに夕方シャンデリアがついているほうが美しいと聞いたのだけれども、個人的にはシャンデリアなしのほうが好きでした。
そんなわけで教会としては、メキシコシティーで訪れた教会の数々(メキシコシティの教会についてのブログ記事はこちら)のほうが好みだったかな。

***豆情報***
安宿がほとんどないブラジリア。
1軒ユースホステルがあるけれど、中心部から離れている上にドミトリーで一人52Rsもします。
ブラジリアの宿の多くは週末に割引があり、観光に便利な中心部のビジネスホテルでもダブルルーム利用の場合はだいぶお手頃価格になります。私たちはbooking.comで探して120Rsでした。
ブラジリア中心部の宿にしては、格安です。
さらに週末のブラジリアへのフライトも割安らしいです。ブラジリア訪問は週末がお得かも!


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