サテリテタワーの魅力にすっかりハマってしまった私は、
予約していたバラガン邸を訪れる日が待ち遠しくて仕方がなかった。
建築家の家とはいえ、家が世界遺産になってるなんてね、
いったいどんな家なんだろうかと期待は膨らむ一方だった。
住所をちゃんと調べて行かなくては分からないくらい、見かけはフツーの家だった。
でもきっと扉を開けたらビックリ箱が出てくるような勢いで、
魅力がドドドーンと出てくるんじゃないかしら。
何せ期待が大きい。

本当は写真撮影禁止なのだけどスタッフが1枚だけは撮ってもいいと許可してくれて撮った写真
先日のサテリテタワーの興奮は冷めやらないし、バラガン邸は世界遺産になっている「家」だし、「家」を見るのに150ペソ(約1000円)も払っているしで期待が異常に膨らんだ。
だから玄関入ってのまず初めの感想は喜びでも失望でもなく、「わっ、家だ。」だった。
もちろん「家」に来たことは分かっているのだけど、バラガン邸は「家」であって「家」であってはならないような気がしていたのだ、勝手に。
びっくり箱のような勢いや、サテリテタワーのような迫力はなかったけど、
この「家」はじっくりと、じわじわとバラガンワールドの深さを披露してくれた。
目にした瞬間から虜になってしまうような空間というよりは、後からじわじわと「あの部屋良かったよね、もう一回見たい!」という気持ちにさせられ、また見に行くと「うわー、やっぱり素敵だ。」と体に沁み込むようにその空間が脳裏に刻み込まれていく。
光が優しく部屋を包み込む。
センスがよくてスタイリッシュな家なのだけど、よくあるデザイナーズ物件のような(そんなものと比べるの自体が間違っているのだと思うけど)尖った感じはこの建物にはない。
鮮鋭なのに柔らかい。

外観はあっけないほどにシンプル。
他にももっとバラガンの作品を見なくてはならない気がして、ヒラルディ邸とトラルパンの礼拝堂にも足を運んだ。私がうんちくを語ったって仕方がない。ヒラルディ邸もトラルパンの礼拝堂も、とにかく見に行ったほうがいい。
ヒラルディ邸の廊下に取り込まれた光の美しさ、長い廊下の先のドアが開いた時の感動と衝撃。そして光と水とバラガンカラ―の見事な調和。鳥肌が立つ美しさだった。
トラルパンの礼拝堂では涙が出た。
絵画を見て涙が出たことはあったけど、建築物で涙が出たのは初めてだった。
美しくて、優しくて、情緒豊かで、神聖で。
著作権の問題で、バラガン邸もヒラルディ邸もトラルパンの礼拝堂も写真を撮らせてもらえなかった。
写真に撮れなかったからか、それとも凄い衝撃だったからか、どの空間も驚くほど鮮明に脳裏に焼きついている。バラガン氏の作品を見れただけでもメキシコシティーに来てよかった、とすら思えるほどどれもこれも最高に素晴らしかった。建築はアートだ。

バラガンの建築物リスト


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