May,21,2010

ルイス・バラガンという名前を聞いたことがあるだろうか。
私は正直メキシコのガイドブックを開くまで知らなかった。
ちょうど私たちがメキシコ行きを意識しだした頃、日本でメキシコにあるルイス・バラガン邸をそっくりそのまま日本に作ってしまうという展覧会が開催されていた。
ルイス・バラガン邸は世界遺産になっている。
自分で設計した自宅が世界遺産になっているほど凄い建築家らしい。
私の中のルイス・バラガンに関するデータはそれくらいのものだった。

せっかくだからルイス・バラガン邸は見に行きたいとは思っていた。
訪れるには事前にメールで予約しなくてはならないこともあり、
予定に見通しのつく、だいぶ先の日付で予約をしておいた。
メキシコシティにはいくつかバラガン氏の建築物があるということはガイドブック等で知っていたし、
チャンスがあれば他のバラガンの作品を見に行ってもいいかなとは思ったけど、
バラガン邸さえ見れれば、それでいいかなとも思っていた。

そんなある日、なんとなくチャンスがやってきて、バラガン氏の作品のひとつサテリテタワーを見に行くことになった。地下鉄の終点からバスに乗って20分ちょっと。
幹線道路沿いにある巨大モニュメントは突如としてバスのフロントガラスの前に現れた。
「あ、あれだよ。」と急いでバスを降りた。
興奮して慌ててバスを早く降り過ぎたのか、タワーまでは少し距離があった。
原色でビビッドな柱がニョキニョキっと幹線道路の真ん中に突っ立ってる。
大量の車、大きな看板、雑居ビルやショッピングセンターと、よくある都会の風景の中に、
明らかに毛色の違う柱たち。遠くに見えるサテリテタワーのファーストインプレッションはぶっちゃけパッとしなかった。近くのコンビニで飲み物を買い、飲みながらサテリテタワーに近づいて行った。
どのくらい近くに来たときからだろうか、
さっきまであんなにパッとしなかったモニュメントが目に、脳に訴えかけてきた。
急かされているかのように速足になり、サテリテタワーにぐいぐいと引きつけられるような気すらした。
我に返ったころにはサテリテタワーの真下に来ていた。

仰ぎ見るサテリテタワーは迫力があった。
モニュメントの高さや色のビビッドさがもちろん迫力があるのだけど、物理的なものだけではなくてその存在感が言葉にしようがないくらい迫力があった。
見る角度や方向でサテリテタワーは表情を変える。モニュメントの真下を歩きまわったり、歩道橋から見たり、道路を挟んで眺めたり。自分の立ち位置を変えるだけでこのモニュメントは面白いくらいに違うように見える。きっと時間帯が違ったら光と影も変わってくるからまた違って見えるのかもしれないのだろう。建築のことはさっぱり分からないけど、ただの柱の集まりのようなモニュメントがこんなにも表情豊かで、見る者を感動させてくれるとは思わなかった。
写真ではどうしてもその凄さが伝わりにくい。
体感型モニュメント。素晴らしさはぜひメキシコシティーで体感してください。


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