Feb,06,2012
私たちの赤裸々な日常をつづったチャリダー日記、アルゼンチン&チリ北部編Vol.1。
今回は、サルタ到着から、ハマ峠を越えて、チリのサンペドロ・デ・アタカマに到着するまでの行の日記です。
なお、GoogleMap、標高プロファイル、距離一覧表、簡単なホテル情報をNotesにまとめてありますので、そちらも参照して下さい。→Click Here!
2011.11.18 – 11.23 | Salta | 0km | Hotel & Campsite |
![]() 国境の町Villazonでバス会社の口車に乗せられ、高くて遅いバスチケットをつかまされた。自転車旅の間はいい人たちばかりと会っていたのですっかり油断していたみたい。それにしてもアルゼンチンのバスターミナルで働く人たちはガラが悪い。 サルタの街は久しぶりの大都会。立派な自転車屋(Bicicleteria Manresa)もあっさり見つかってMavicのリムも手に入った。ヨーロッパ並みとはいかないけれどボリビアではあり得ない品揃え、はるばるバスでやってきた甲斐があるというものだ。タイヤ(残念ながら中国製のCSTと台湾製のMaxxisしかなかった)、チェーン、ペダルなどを交換して自転車はすっかりリフレッシュ。 ついでに家庭的な雰囲気の宿でのんびり休憩し、牛・ワイン・牛・ワインのアルゼンチンゴールデンコンビを堪能して自分たちもリフレッシュ。気分も新たにそろそろ再出発だ!と思っていたら、ずっと連絡を取り合っていたスイス人のチャリダーカップルから“昨日サルタに到着したよ”とナイスタイミングのメールをもらったので、彼らと過ごすためにキャンプ場に移動してさらに延泊。ナディン&ゲイツのカップルは僕らより1か月ほど先を走っていたので会うのは難しいかなと思っていのだけど、僕らがバスを使ったことで追いつくことができたのだ。共通の友人ラファエルの紹介で知り合った僕ら、初めて会うのに4人で機関銃のように話しまくってとても楽しい時間を過ごした。やっぱり会うべき人にはちゃんと会えるようになっているのだなあと実感。 あっという間の6日間だった。心身も自転車もリフレッシュして、さあアンデス三昧編のスタートだ。(ひろ) |
2011.11.24 | S.S. de Jujuy | 96km | Hotel |
![]() 舗装の自転車専用道路を通ってサルタの街を脱出。主要国道まで砂まみれだったボリビアとは大違いだ。それにしても6日間もだらだら食べ続けたせいで恐ろしく体が重い。 今日は大型バスの通らない山道越えのマイナールートを走る。登りは日本の田舎のような、下りはアフリカの田舎のような、そんなのどかな風景が続いていて楽しかったのだけど、とにかく暑かった。暑くて暑くて昼飯も満足にのどを通らないので、たまらずビール休憩をはさむ。フフイの街の入り口にあったガススタンドでさらに休憩をしていたら、隣で休憩していたおばちゃんがチョコレートを差し入れてくれた。その後、ツーリストインフォで宿の情報を聞いていると、車で追いかけてきたというTV局の人たちが話しかけてきてそのままインタビューに突入。かなりいい加減なスペイン語で受け答えしたけれど、あれはちゃんとテレビで放映されたんだろうか。(ひろ) |
2011.11.25 | Purmamarca | 64km | Hotel |
![]() 今日の道は意外と大変だった。峠ではなくて地味に徐々に登っていく道なので、見た目にはあまり登っていないのにペダルが重くて思うように進まず精神的に疲れる。登り道は見た目にも登っていると分かる方が疲れないと思う。標高が低くなったからさぞかし体が楽になるかと思ったのに、残念なことに全く楽ではない。それどころか暑すぎて高地を走っているより疲れるくらい。それでもこのルートは村が点在していて、冷たい飲みもので体を冷やせるのが幸せ! あと10kmで今日の目的地プルママルカというところで私の後輪リムが割れてしまった。前回のウユニでは前輪、今回は後輪。塩湖の後遺症が徐々に出てきたのかしら。残り10kmをなんとかプルママルカまで走り切り、そこから新しいリムを買いにひろがバスで一人でサルタへ戻ることになった。明日は土曜日で午前中しか店が開いていないので今日中に移動しないと間に合わないのだ。 今日は一人でドミトリー泊。一人だと面倒で晩御飯を食べるのもやめて寝ちゃおうかと思っていたら同じドミの人たちに誘われて夜飲みに行く。久々に一人旅気分になる。でも、いろんな面で一人旅ってもう無理だと痛感する。ひろが一緒にいてくれることにもっと感謝しなくちゃね。(ようこ) |
2011.11.26 | Purmamarca / Salta | 0km | Hotel |
![]() 昨晩遅く、ようこと僕の後輪2つを持ってサルタに到着。僕の後輪はまだ割れていなかったけれど、こいつも時間の問題だろうとついでに交換することにしたのだ。後輪2つを持って街を歩くのは我ながら変な姿。見る人が見たらこいつは窃盗犯?と思うのだろうか。一人になると途端に食事も面倒臭くなって、フライドポテトとビールで適当に済ませてさっさとベッドにもぐりこむ。 翌朝一番で自転車屋に舞い戻ってリムを購入。すっかり顔見知りになっていたチャリ屋の従業員にまたかよって感じで笑われた。その足でチャリ屋に教えてもらったメカニックに行ってリム交換をお願いし、その待ち時間を利用してようこに頼まれた食材を買い込む。午後1時までには全部の用事が無事済んだので、さっさとバスに乗り込んでフフイ経由でプルママルカに戻る。自転車で丸二日の距離だから普通なら二時間もあれば到着するはずなんだけど、各駅停車のちんたらバスでやたらと時間がかかり、日暮前にようやくプルママルカに到着した。一日で全部の用事が済んでよかったけれど、なんだか妙に疲れた一日だった。(ひろ) |
2011.11.27 | On the way | 51km | BushCamp |
![]() 今日は2000mの峠越えが待っていたので早く出発したかったのだけど、せっかくだからと朝からプルママルカのミラドールと裏山をくるっと散歩して出発。予備知識なしに来たプルママルカだけど、実は七色の渓谷で有名な観光地なのだ。遠くの山々がパステルカラーで美しい。 今日の登りは気が遠くなるほど延々と九十九折りの道が続く。暑くて大変だったけれども、景色は素晴らしくて登り甲斐のある峠だった。それにしても一気に標高2000mアップはやっぱりきつい。1500m登ったくらいから足に力が入らなくなる。7時間ほど登り続けてやっと頂上に着いた。7時間ひたすら登るってとてつもなく地味な作業だなって思う。でもこういう地味な時間、きらいじゃない。 なかなか野宿スポットが見つからなくて、夕暮れぎりぎりになってやっと丁度いい廃屋を見つけてホッ。壁があるだけで寒さも違うし、隠れられるし、何よりも風を受けなくていいのが嬉しい。それにしても何にもないこんな辺鄙な場所にどうしてこんな家を建てたのだろう、どんな人たちが住んでいたのだろう、なぜここから去ってしまったのだろうと、思いを巡らせながら眠りに着いた。(ようこ) |
2011.11.28 | Susques | 82km | Hotel |
![]() 前半はSalinas Grandes塩湖を横切る。この塩湖は見た目も茶色っぽいし、塩工場が見苦しいし、全然綺麗じゃなかったので、ひたすらペダルをこぎ続けて高速移動。ツアーとかで初めて見る塩湖がここだったらがっかりするんじゃないだろうか。塩湖を過ぎた後は400mほどのアップ。景色はドーンとしていて良かったけれど、そのあとも微妙なアップダウンが続いたのでぐったり。今日はなんとなく印象に残らない一日だった。 Susquesは思ったよりも大きな町で、立派な商店もいくつかあった。一番立派そうな宿にチェックインして冷たいビールをぐびり。従業員の感じは良くなかったけれど部屋が立派だったのでゆっくり休憩できた。(ひろ) |
2011.11.29 | Paso de Jama | 115km | Camp at Village |
![]() 今日前半の登りはパステル調の色が続いてかわいらしかった。ピンクの砂、黄緑の草、澄んだ水色の空、真っ白な塩湖。でも塩湖を過ぎた分岐くらいから色のない無機質な景色に変わってしまう。天気も悪くなってきて、走行距離90kmを超えてきたころから走行を終了したいと思ったもののテントを張れるような場所が見つからない。仕方なくさらに25km先の国境まで頑張って走ることにする。25kmといっても標高4000mを超えた土地でのこと。ずっと息を切らしながら、1kmごとに現れる道標を追いながら無心で自転車を走らせ、なんとか真っ暗になる前に国境の町に着いた。 国境の町には立派な24時間オープンのガススタンドがあった。コンビニは併設されているし、綺麗なトイレは使わせてもらえるし、さらにガススタの裏にある廃屋の中にテントを張らせてもらえることもできて、寒さや風を心配せずにゆっくりと休むことができた。頑張って走ってきてよかった。(ようこ) |
2011.11.30 | (Chile) On the way | 51km | BushCamp |
![]() 昨日無理したせいで朝起きたら体がガタガタ。アルゼンチンのイミグレを通過してハマ峠を登り始めることわずか5キロ、峠の途中に国境線があった。なぜここに?どうせなら国境線は峠のてっぺんに作ってくれたほうがすっきりして気持ちいいのに。 峠を越えると強い向かい風。でもチリ側に入った途端に景色が素晴らしくなった。ピンクの砂漠、白い塩湖、カラフルな地肌の山々、青い湖。10年前にアタカマ高原で見たよう美しい景色がここにあって、二人とも大興奮。こんな素晴らしい風景を舗装路の上から眺められるなんてお得なルートだ。 昨日の疲れが残っていたので、今日は昼休憩のスポットでそのまま終了することにした。腰の高さくらいの石壁で囲まれたレストエリアなのだけど、石壁の高さが中途半端すぎて風よけになりきらず、夕方からはものすごい強風にさらされてしまった。テントが壊れるんじゃないかと心配するくらいの暴風だったのだけれど、日没から2時間もたつとピタッと風が収まった。ふう、助かった。でも明日は早起きして風が吹き出す前に距離を稼がないと。(ひろ) |
2011.12.01 | S.P. de Atacama | 112km | Hotel |
![]() 久々に日が昇る前に起きて出発の用意をする。寒くて手足が凍りつきそう。真夏の今でもこんなに寒いのだから冬はどれだけ寒いのだろう。日の光が自分たちに当たる前に出発したら、ものの5分くらいで手足が寒さのために痛くて痛くて進めなくなってしまった。特に女の子もびっくりするくらい末端冷え性のひろは相当辛かったらしく、今までに見たことのないような泣き出しそうな苦しそうな顔をして凍りついた手足をダウンジャケットで暖めていた。手足に感覚が戻ってくるまでに15分くらいかかった。 太陽の光がちゃんと体に当たるのを待って再出発。峠はなかなかの急坂だったけれど、今日も濃い青空にカラフルな岩や山肌が美しい。素晴らしい景色な上に1時間ごとくらいに雰囲気が変わっていくので全然飽きない。昼食休憩の後も思いのほか小さなアップダウンが続き、さらに向かい風が酷くなってきて辛くなってきたけれど、素晴らしい景色は変わらず続いた。そしてとうとう最後のアップも終わり標高2200m分のダウンヒル。待ってましたー!!と喜んだけど、向かい風がひどくてスピードが出ないし、下るにつれて向かい風が熱風になってくるしで、いまいち楽しめない。 くったくたになって到着したサンペドロでは、フランス人のおじいさんが至近距離からビデオカメラ撮影を断りもなく始めてきた。さすがにムカついて「ちょっと失礼じゃないの?」と文句を言うも「英語はわかりましぇーん」って軽く流されて、いらいらと疲れで爆発しそうだったけど、いい宿も見つかったし、冷たいビールを飲んでふぅーっと息をついたらそんなこともうどうでもよくなった。(ようこ) |
2011.12.02 – 12.03 | S.P. de Atacama | 0km | Hotel |
![]() 二日間何もせず、まったりと休憩。サンペドロはツーリスティな場所だけど、雰囲気の良さそうなレストランも多いし人当たりも良いので嫌な感じはしない。僕らはアルゼンチン人よりもチリ人の方が誠実でフレンドリーな感じがするので好きだ。 あまりのんびりし過ぎるとアンデスモードのスイッチが切れてしまうので、2日の休憩でそそくさと出発することにした。次はシコ峠、しばらく未舗装路が続く。(ひろ) |
yokoandhiro | Argentina & Chile, Diary