Jul,06,2013

キリスト教世界三大巡礼地のひとつ、サンティアゴ・デ・コンポステーラ。
サンティアゴをゴールに定めた以上、やはりベタベタにサンティアゴ巡礼路を走って到着したい。
サンティアゴ巡礼路はスペイン北部を横断するフランセス・ルートが一番有名だけど、実際はヨーロッパ中に巡礼路が網の目のように張り巡らされている。
僕らはめちゃくちゃ混んでいるというフランセス・ルートを避け、サラマンカからVia de la Plata(銀の道)と呼ばれるルートを通ることにした。


ツーリストインフォに行けば、こんな立派なガイドブックが無料でもらえる。スペインの巡礼路に対する力の入れようが分かるというものだ。

巡礼路はホタテ貝印と黄色い矢印でしっかりマーキングされていて、普通に歩いていれば迷うことがない。
でも自転車の速度でおしゃべりしながらボーっと進んでいると、たまにうっかり見落としてしまうことがあるのがやっかいだ。
サラマンカから巡礼路に合流し、ここからは巡礼路を完全走破するぜ!という意気込みで走り始めたものの、もののスタート5分で巡礼路マークを見落として、早速迷子になった。


いつも未舗装路という訳ではなく、たまには舗装路を走ることもある。歩く人は嫌だろうけど、自転車にとってはありがたい。

巡礼路は基本的に未舗装路の田舎道をつないで作れていて、想像した以上に気持ちいいルートだ。
野花満開の田舎道、森の中の小道、深い山の中、田舎のひっそりとした村。
幹線道路のすぐ傍を走っているのに、普通に幹線道路を通過するのとは全然違う風景が広がっている。

僕らは基本的に最短距離かつ舗装路で到達できるルートを好んで走る傾向にあるので、こうやってあえて遠回りの未舗装路を走り、途中の目印(ホタテ貝印)を見落とさないようにキョロキョロしながら走る巡礼路は、いってみれば変化球のような日々で、なんだか目新しくて楽しい。
まあ時には舗装路の真隣りに無理やり未舗装路を作っている場所とかもあって、そんな時は「このフェンスを越えてあっちの舗装路に行きたい!」と地団太を踏んだりもするのだけど。


こんな田舎道を走るのが気持ちいい。

そんな目新しく新鮮な感じのする巡礼路だけど、完全走破するにはかなりの心の強さが必要だ。
なにせ決められたルートを巡礼者全員が揃ってフォローし、途中の村では通過した証として巡礼スタンプを集めていかなければらなない。
信仰心から巡礼路を通っている訳ではない身としては、小中学校でやった徒歩オリエンテーリングとなんら変わらなく思えてきて、だんだん窮屈になってくる。

それに黄色矢印を探して常にきょろきょろするのは、楽しくもあり、若干面倒でもある。
しかもすぐ傍には最短かつ快適に移動できる舗装路が見え隠れしているのだ。時にはチラリズムを煽るのかように舗装路を数百メートルほど走る場所があったりするのだから、ついついホタテ貝印を見落としたふりをして舗装路を走りたくなる衝動に駆られるというものだ。


6月のスペインは野花が満開。

そんなこんなで、巡礼路をを全部制覇してやるぜ、という当初の意気込みはどこへやら、「まあなんとなくフォローしてたまにスタンプもらえばいいよね」とトーンダウン。
巡礼2日目にして既に寄り道をして全然違う道を通ってみたり、舗装路でしばらくワープしてみたり、スタンプもいちいち探すのが面倒でほとんど貰わずじまいだったりと、不真面目極まりない。
そのせいで終着地サンティアゴで巡礼証明書をもらう時、「次やるときはスタンプをちゃんともらってください。」と怒られてしまった。


交差点ごとにあるホタテ貝印と黄色い矢印。ちゃんと見つけられますか?

しかも2,30kmごとに点在する巡礼宿(アルベルゲ)は、テントや自炊道具を持っていない徒歩組や軽装チャリダーには非常にありがたい存在だけど、
全ての装備を持っていて、しかも気楽なテント生活に慣れた僕らとしては、大部屋(ドミトリー)は面倒くさいし、夜10時の門限や朝8時のチェックアウトといった時間制限を課せられるのも不自由だし、毎日が合宿的な雰囲気もいまいち好きになりきれない。
初日こそ巡礼宿に泊まったものの、「なんか出来ることならテント泊がいいよね」と、できるだけ巡礼宿を避け、野宿をしたりキャンプ場を選んでいた。


郊外にあった巡礼宿(アルベルゲ)。ガリシア州の公共アルベルゲは定額制で、この当時は一人6ユーロ。


アルベルゲの中。とても立派だけどあくまでもドミトリーなので耳栓は必須。

まさか巡礼路に沿って走ることもできず、巡礼宿にすら不自由を感じてしまうとは。
この程度のルールにもがき苦しんむなんて、僕らは完全に社会適応性を失くしているんじゃない?


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