Jun,15,2013

バルセロナを皮切りに、セビーリャ、グラナダ、コルドバ、トレド、マドリッド、ポルト、リスボンと、観光地を周りに回った約3週間のスペイン&ポルトガル観光旅行。
お父さんとお母さんが疲れない様にとできる限りゆったりとした日程での旅行だったけど、それでも毎日あれを見てこれを見てと、何だか忙しい日々だった。


セビーリャの大聖堂から街を望む。

長いこと旅をして数え切れないほど遺跡や建築物を見て来ただけに、知らずのうちに建物に対する感動のハードルが上がってしまった気がするけれども、それでも本当に素晴らしいものには「これってすごい!」と頭ではなく体全体で感動するものだ。
とはいえ、どれだけすごいものであっても、見たものを自分の中できちんと消化する時間もなく次から次へと見続けたのでは、何が何だったか分からなくなってしまう。
今回はようこ発案のゆったりプランに沿って回ったので、何とか消化しながら見て回ることができたけど、これ以上早いペースで観光して回るなんて絶対不可能だ。

と思っていたら、「地球の歩き方」のモデルプランを見ていたら同じようなルートを半分の日程で回るプランが推奨されていた。
いやはや、日本人の旅行って忙しいのね。


素敵な装飾&タイルなんだけど、これが部屋一面・建物一面に施されているとお腹いっぱいになる。

そんな観光三昧だったスペイン&ポルトガルの旅。
しょっぱなのバルセロナのサグラダ・ファミリアの内部にはすさまじく感動したのだけど、
それ以降、建築物として感動するものにはめぐり合えなかった。
セビーリャやトレドの大聖堂のようなキリスト教系の建築はもともと好みじゃないので期待はしていなかったけれども、無類のイスラム建築好きな僕ら二人にとっても、アンダルシア地方のイスラム教系の建築はそれほど好みではなく、グラナダのアルハンブラ宮殿も、コルドバのメスキータも、セビーリャのアルカサルも、「へー、なんかゴテゴテして落ち着かないなー」という程度の印象しか持てなかった。
モロッコの建築群もあまり好きになれなかったし、きっとこの地方のイスラム建築は趣味に合わないのだろう。


こんなところにもタイルが!こういう発見が新鮮で嬉しい。

それよりもグラナダのアルバイシン地区とか、セビーリャのサンタ・クルス街とか、トレドのひなびた旧市街といった街並みをみんなで歩いている方が俄然楽しい。
特に建築スペシャリストのお父さん、無類のタイル・陶器好きのお母さんと一緒に歩いていると、いつもとは全然違う視点で街や建築物を見ることができる。僕らが全く意に介しないようなところを注目していたり、ひょんな所からお土産物を発掘してきたり、でもそこにようこの興味との共通項があったりと、いろんなところ意外な発見がみられた4人での街歩き。
世界遺産の建築物群を巡ったことより、こういうふとした時間の事を、後々4人で楽しく思い出すことになるんだろう、そんな気がする。


アルハンブラ宮殿からシエラ・ネバダ山脈を望む。


かの有名なアルハンブラ宮殿。美しいのだけど、自分ではこういうごてごてした宮殿には住めないと思う。

この旅行中、ようこはこれでもかというくらい全ての事に気を回してくるくると動き回っていた。
そんなんじゃ続かないよ、とペースダウンを促してもフル回転は止まらない。
そしてそんなようこの思いを知ってか、余計な心配をかけないようと、ようこのアドバイスを律義に聞いて守ってくれたお父さん、お母さん。
まるで旅行中に限って親と子供の関係が逆転してしまったかのような図式からは、お互いがお互いを心からいたわり、気を使い合っている空気が満ち溢れていて、やっぱり両親との旅行っていいもんだなと感じる日々。


大好きだったセビーリャの街並み。

長い間、気の遠くなるような心配をかけ続けてきた僕らに文句の一つも言わず、しきりに「ありがとう」「ありがとう」と繰り返しながら無事日本に帰って行ったお父さん、お母さん。
こちらこそ、ずっとずっと応援し続けてくれて、本当にありがとうございます。
そしてあともう少しだけ、ほんのもう少しだけ、ご心配をおかけします。


リスボンはタイル天国。


© yokoandhiro All rights Reserved. | 管理者ページ