Jun,12,2013

ガウディとその建築物といえば、建築について全く無知の僕ですら「ああ、あれね」と知ったかぶりをして答えてしまうほど有名だ。
そんな有名なガウディ建築を見るために世界中から人々がバルセロナに集まり、そして多くの人が「変な建物だね」という感想を持ちつつも、「でもガウディってやっぱり天才だわ」と感動して帰っていく。

もちろん僕もご多分にもれず、「変だけどすごい」という感想を持ったひとりだ。
そう、いつか見てみたいと思っていたガウディ建築は、やっぱり変で、やっぱりすごい建物だった。


カサ・バトリョ邸。街のど真ん中に位置しているのに驚く。

今ではガウディ建築が確固たる名声を築いているから、みんなが「変だけどすごいもの」という予備知識を持っていて、だからこそ、「・・・だけどすごい」という踏み込んだところまで感じることができるのだろうけど、そういう予備知識の全くない人がガウディ建築を見たとしたら「ああ、この建物は素晴らしい」と思う確率ってかなり少ないんじゃないだろうか。
建築から100年近くたっている現代からしてみても、それほどまでに奇抜、というか異様な世界だ。

当初は分譲住宅地として建造されたグエル公園は、奇抜すぎてガウディ本人とパトロンのグエル伯爵しか買い手がいなかったそうだ。同じく世界遺産の建築物カサ・ミラは借り手がなかなかつかなかったようだし、レオンの近くには司教が恥ずかしがって住まなかった司教館、というのもある。
その気持ちはとってもよく分かる。自分だったら絶対にここには住みたくないと思うもの。


鉄ってそんなに柔らかい線をつくれるんだと感心する。グエル邸

とはいえ、きちんと解説を見たり聞いたりしながらガウディ建築を見て回ると、やっぱりすごいなという感想がでてくるし、奇抜にしか見えない建築物もその意図や意思を感じられる気がする。
そして最終的には「天才と変態は紙一重なのだ」、というごく月並みな感想を持つに至り、はるばるガウディ建築を見るためにバルセロナまで来る価値はあるなあと思ったりして満足する。
ガウディに完敗、なのである。


座りにくそうなイスなのに、超すわり心地がいいんだから凄い! グエル公園はファンタスティック。


ガウディ作カサ・バトリョ。エレベーターのドアのガラスと壁のタイルが差し込む光によって天井に波模様を映し出す。

天才か変態か、でいえばバルセロナ郊外にあるサルバドール・ダリ美術館もなかなかの変態っぷりだった。
ヨーロッパには1人の画家のためだけの美術館がたまにあるけど、全館同じ画家の作品ていうのは、その画家の大ファンでもないかぎり、すぐお腹いっぱいになってしまう。
ましてや、あのダリだ。展示物だけじゃなくて建物そのものまでがオール・ダリなのだ。楽しいのだけどお腹一杯も度が過ぎて苦しくなってきた。
ダリはほどほどに。


ガウディと同時代に活躍したリュイス・ドメニク氏建築のサン・パウ病院。明るくて気持ちがいい病院。病人のことを考えて造られた素敵な場所だった。


ダリのように強烈な作品は一度にいっぱい見ると辛い。

それにしてもだ、ガウディ建築に限らずバルセロナの観光施設の入場料の設定はひどい。
メジャーな観光スポットをいくつか巡るだけで、尻軽な諭吉がひらひらと飛んでいく。
いくらなんでもちょっと強気すぎるんじゃないの、バルセロナさん。


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