May,28,2013

私たちの赤裸々な日常をつづったチャリダー日記、ポルトガル編Vol.1。
今回は、スペインからベージャ、エボラ、リスボンを経てロカ岬に到着するまでの日記です。
なお、GoogleMap、標高プロファイル、距離一覧表、簡単なホテル情報をNotesにまとめてありますので、そちらも参照して下さい。→Click Here!

2013.04.20 Serpa – Beja 29km Campsite

昨日のうちに到着する予定だったベージャまではあと30km足らず。今日こそさっさと走り終えて半日休憩にするのだ。ベージャまでは平坦であっという間に到着したのだけど、キャンプ場は街の南端にあったので、街の東端に到着した僕らはいったん街の中に入って街を抜けないといけない。ベージャはこの辺りの街のお約束通り丘の上にあるのでアップダウンが激しいし、中心地は石畳になっているので走りづらい。石畳って風情はあるけど滑りやすいしガタガタで走りにくいし、チャリダーにとっては良いことがない。ベージャにも公共キャンプ場があり、しかも二人で3.7ユーロという驚異の安さ。さすがに駐車場のように殺風景なサイトで長期滞在者が漂わす生活臭も感じられたけど、たっぷりホットシャワー付きでこの安さは信じられない。
最近はようこの両親とのスペイン旅行計画を進めるために、休憩即インターネットという状態が続いている。ベージャは街全体に無料WiFiが飛んでいるのだけどキャンプ場では電源が確保できなかったので、ランチを食べた後は図書館の一角を陣取って調べ物や予約に明け暮れる。あっという間に夕方になり、キャンプ場に帰って夕飯を食べ終わる頃にはすっかり日が暮れて一日が終わってしまった。はやく予約関係を済ませて一息入れないと。(ひろ)
2013.04.21 Beja – Evora 81km Campsite

朝キャンプ場を出る時、管理人のおじさんに脇道を通ってエボラまで走ったほうがいいよとアドバイスされたので、メインルートを避けて脇道に入ることにした。確かに車通りが少なくて走りやすい道だったのだけど、景色に変化のない、なかなかつまらない道だった。小さい村を通るものの、今日は日曜日で街中がシーンと静まり返っている。いつも疑問なのだけど日曜日ってみんなごっそりとどこかへお出かけしてしまうのだろうか、まるでゴーストタウンのような町が多い。それでもポルトガル人はスペイン人に比べて静かで少し暗い雰囲気があるものの、自転車ですれ違うと優しい笑顔であいさつを返してくれる。
日曜日だけど開いているスーパーを発見してビール休憩。スペイン以降、昼のビールがすっかりと定番になってきた。ビールを1杯2杯飲むと少々面倒になるものの、慣れてしまえばそんなに気にならない。でもポルトガルのビール、残念ながらあんまり美味しくない。
淡々と進んでエボラ到着。さすが大きな街だけあってキャンプ場は街の端っこにあった。私営なのでこれまでのようには安くないけどプールまで付いているゴージャスさで、区画も大きくてのんびりできそう。今日は近くのスーパーで買い物して終了。ポルトガルのスーパーは意外とスペインより高いものが多い。特に野菜とヨーグルトとビール。ポルトガルのほうが物価が安いのだろうと勝手に想像していたのもあって意外だった。今のところポルトガルワイン(赤)に当たりが多い。同じような3ユーロ前後の値段帯で比べるとスペインワインより好み。3ユーロ前後でリゼルバのDOCが買えちゃうんだからすごい。(ようこ)
2013.04.22 Evora 0km Campsite

今日は世界遺産エボラの街を観光する日だ。ところがこのエボラの町並みが衝撃的なつまらなさだった。まあ僕らとは趣味が合わないだけなのだけど、果たして何が見どころなのかさっぱり分からない。ロカ岬に向かう途中でついでに立ち寄っただけだから良かったけど、わざわざこの街に電車やバスで来ていたらガッカリ度も倍増していたところだ。
それでも有名な観光地のようで結構な観光客がいた。その中で妙に小さい人たちの集団がいるなあと思ったら日本人ツアー客だった。せっかく楽しい旅行に来ているのに日本人ツアー客ってどうしてあんなにつまらなそうな顔をして一列で歩いているんだろう。まあいつも額にしわを寄せて小難しそうな顔をしている僕が言うのもなんだけど。
がっかりエボラの街からキャンプ場に帰る道を間違えて1時間近く迷子になり彷徨い歩く。なんだかエボラにはついていない。でも幸いキャンプ場がとても居心地がいいのが救いだ。スーパーも近いし、そよそよ木陰が気持ちいし、余り長期滞在者がいないお陰でよどんだ空気感もない。ワインを飲みながらご飯を作り、のんびりした時間を楽しむ絵にかいたような幸せなキャンプ生活、これだけで十分楽しいなあ。(ひろ)
2013.04.23 Evora 0km Campsite

エボラの街はいまいちだったのだけど、キャンプ場は居心地がよかったのでもう一泊。車だろうと自転車だろうと、キャンプサイトの一区画が決まっているので、大きな区画に小さなテントで庭を広々と楽しめる。電気コンセント付き(キャンプ場ではこれ大事!)のリビングルームにwifiが無料で飛んでいるのもありがたい。
でも、設備はなかなかしっかりしているのにトイレットペーパーがトイレについていないのが残念。公共キャンプ場にも付いていたのにな。どうもトイレに自分のトイレットペーパーを持参しなくちゃならないのが面倒で嫌い。1ユーロ余計に払ってもいいからトイレットペーパーは付けておいてほしいと思ってしまう。
今日は食料を買いに行く以外一日中PC仕事でブログ、旅行の予約、写真の整理などで過ごす。意外と意外に、私たちの外にもパソコンにへばりついている宿泊客が多かった。キャンプ場で快晴の日中に建物の中でパソコン仕事をしている人がいっぱいいる光景っていうのはなかなか滑稽だ。(ようこ)
2013.04.24 Evora – Lisboa(Outskirt) 114km Campsite

今日も時速20km超で快調にかっ飛ばす。リスボンの手前で終わろうと予定していたのだけど、今日の道も平坦で単調でパッとしないので余りのんびり走る意味がないと、一気に走りきってしまうことにする。12時ころサンドイッチ屋を見つけてお昼休憩。どうやらポルトガルのお昼タイムは12時ころから始まるようで、小さなお店はめちゃくちゃ混んでいた。やっぱりお昼はこれくらいの時間に食べるのがいい。スペインのように2時ころからスタートするのって遅すぎるよな。サンドイッチ屋のセットメニューは3.5ユーロでビール&スープ&サンドイッチというたっぷりのボリュームだった。
ランチの後も引き続き爆走してモンティージョの町に到着。対岸のリスボンにわたるフェリー乗り場が街の中心から意外と遠くて何度も道を聞きながら進む。フェリーは自転車もフルパックのまま載せられたし追加料金も取られなかった。30分ほど乗っているとあっさりリスボンに到着。あっさりすぎて特に感激はなし。
リスボンにある公共キャンプ場は街から6km離れた場所にあるという情報だったのだけど、実際走ってい見ると一つ大きな丘を越えて13km離れた場所にあった。さすがリスボンは丘の街だ、なんて悠長なことは言えない。100km走った後なのだから予期せぬ丘越えは精神的にきついのだ。ヘロヘロになって到着したキャンプ場は高速道路の真横にあって一日中すごくうるさいのに、二人で17ユーロも近くする。設備もぼちぼちだし。これなら素直に街中に宿取った方が良かったな。(ひろ)
2013.04.25 Cabo da Roca 84km Campsite

昨日のリスボンの坂道にはすっかり参ってしまって、今日のロカ岬はフルパックで行く予定だったけど急遽荷物を置いて日帰りで行くことに。空荷だと驚くほど身軽。しばらくは海岸沿いでアップダウンはなかったのだけど後半は思いのほか登って下った。ロカ岬が近づいてくるとロードバイクのサイクリストが増えてきた。のどかなサイクリングで、なかなか岬も現れてこないしであまり気持ちも盛り上がらなかったのだけど、とうとう岬の灯台が見えてくるとさすがにじわりと気持ちがこみあげてきた。というのもつかの間、岬に着くとうんざりするほどの観光客で混んでいて、すっかりと記念撮影の波に揉まれてしみじみとする間もなくなってしまったのだけど。
日本人の元気なおばちゃんたちに声をかけられて一緒に記念撮影。日本人の年配の観光客に出会うと必ず「若いっていいわね」と言われる。若いから自転車旅なんて出来るのよねということなのだと思うけど、欧米人からはそういう風に言われたことはない。実際、リタイアした60代以上の欧米人の自転車旅人も珍しくない。
帰り道、プチゴール祝いってことでビーチ沿いでランチ。まぁまぁ美味しかったけど、ポルトガルにしてはかなり高かった。ほぼ満席の混みようの人気レストランのようだったけど、料理の美味しいといわれるポルトガルの実力はこんなもんなのか?初のレストランだからまだ評価できないけれど、今後に期待。帰りにベレン地区の名物エッグタルトの店に寄ってみる。中身のカスタードは美味しかったけど、外のパイ生地がかなり油っぽくていまいち。行列に値するほどではないと思う。(ようこ)
2013.04.26 Lisboa(Center) 14km Hotel

キャンプ場で荷物を整理したり散髪したりして午前中いっぱいのんびりした後、予約を取ってあった街中のホステルに向かう。これからしばらくようこの両親とスペイン旅行をするので、その間自転車や荷物を預かってくれるホステルをあらかじめ探しておいたのだ。ホステルは鉄道駅に併設されためちゃくちゃきれいな所だった。スタッフもフレンドリーだしキッチンも充実しているしいい宿だ。自転車も荷物預け部屋にきっちり収納してくれて、また心配事が一つ解決。それにしても大人数収容のホステルだというのに日中リビングでだらだら過ごしている客が一人もいないことに驚く。みんな日中はまじめに観光に行っているのだろうか。ヨーロッパのホステルは客の身なりといい行動パターンといい、アジアや南米の安宿とは全然違うようだ。
さて、いくら綺麗といっても10人ドミ。二人旅をするようになってからドミトリーにはほとんど泊まっていなかったので、さすがに周りが気になって安眠できない。テントで寝る方が何百倍も快適だ。しかもものすっごく下品な6人組UKガールズが同室で、真夜中に酔っぱらって帰ってきては大声で話しはじめたり、携帯でピコピコ始めたり、見苦しく裸で寝始めたりするのだから参ってしまう(20代の女の子の裸を見て見苦しいと思ってしまうのだから、どれだけ下品か分かるというものだ)。対照的に日本人と韓国人のアジア勢は、周りに気を使ってできるだけ音をたてないようにこっそり静かに行動していた。やっぱりアジア人の気の使い方は素晴らしい。っていうか欧米人うるさい。(ひろ)
2013.04.27 Lisboa(Center) 0km Hotel

夜中体が痒くて起きるとベッドに南京虫が這いつくばっているじゃない!!安宿にしては超がつくほど綺麗な宿なのに虫にやられるとは。考えてみれば南京虫被害に遭ったのはケープタウン、リオデジャネイロ、プエルトナタレスと綺麗な宿ばかりだった。山ほどひどい宿に泊ってきたのに綺麗な宿でしか南京虫が出ていないのはなぜだろう。真夜中にレセプションに降りて他の部屋のベッドに替えてもらう。眠いし痒し散々。やっぱりテント暮らしのほうが楽でいい。
リスボンはタイル張りの好みの建物が多いので好きだけど、だいぶ荒廃している。崩れかけの建物も多いし、路面は荒れているし、ペンキは禿げはげだし。街中に浮浪者も多くて、スペインでは全く感じられなかった不況を全面に感じる。スペインのように日差しが強く明るいだけに、暗い雰囲気とのコントラストが猛烈に寂しさを感じさせる。
自転車と自転車用の荷物を宿のストーレッジに置かせてもらって、明日から数日間ビルバオの友人を訪ね、それからいよいよ親と合流する。しばらく自転車旅は休憩。(ようこ)

yokoandhiro | Diary, Spain&Portugal 1
© yokoandhiro All rights Reserved. | 管理者ページ