May,19,2013

私たちの赤裸々な日常をつづったチャリダー日記、スペイン編Vol.1。
今回は、タリファからセビージャを経て、ポルトガルに入国するまでの日記です。
なお、GoogleMap、標高プロファイル、距離一覧表、簡単なホテル情報をNotesにまとめてありますので、そちらも参照して下さい。→Click Here!

2013.04.14 Tarifa – Jerez de la Frontera 102km Hotel

昨晩は風が強くてゴウゴウと凄い音が鳴り続けていてうるさくて困ったけど、お陰で今日も強風追い風で快調に進む。スペインは自転車で走れる高速道路と走れない高速道路があって、地図上ではどちらか分からないのが困る。走れない高速には自転車を赤いマルで囲った看板がある。初めてヨーロッパを走った一昨年は赤いマルが禁止のマークとは知らず無視して走っていた。
自転車では走れない高速道路には併走する一般道があるのだけど、ジャンクションなどではいまいち分かりにくい。今日はひろが事前にグーグルマップで下調べしてくれたお陰でなんとか小さい道をみつけたけど、分岐に看板もなかったので調べていなかったら絶対に迷子になっていた。
そろそろお昼ご飯が食べたいなと思い始めた12時半ごろ、地元のサイクリストたちに出会ってしばらく併走する。美味しいレストランなどないかと訪ねると「昼ごはんは2時からだよ。まだランチメニューはやってないからタパスに行きな。」と教えてくれた。2時からランチとは遅い!!この国で私たちがランチメニューにありつけることはないのではとちょっぴり悲しい気持ちになる。
2時までは待っていられないので道路沿いにあるバルに入ってみる。タパスのシステムも良く分からないので適当に4皿頼んでみる。何がともあれ昼ビールが喉にしみて旨い!!ウエイターのおじさんがニコニコと大きなお皿を5皿とパンとオリーブを持ってきた。ニンジンが盛ってある皿を嬉しそうに「サナオリア、サナオリア(スペイン語で人参のこと)」と渡してくるので頼んでないけど美味しそうだし、まぁいっかともらっておく。それにしても私たちが写真などで事前学習していたタパスとはおつまみ程度の小皿だったはずなんだけど、目の前に並んだ皿はどうみてもタパスより大きい。もしかして全部ラシオン(大皿)で来てしまったのだろうかとちょっと不安になったけど、どれも美味しそうなのでどうでもよくなって二人でがっつく。美味しいしボリュ-ミーだし、昼ビールは幸せだしで、二人ともニヤニヤが止まらない。これぞ期待していたスペイン。お会計は問題なく4皿のタパス分とビール4杯分のみの勘定で12ユーロ。あまりに安くで驚いた。
今日はネットで予約しておいた宿に宿泊。小綺麗なペンションのダブルルームが25ユーロとコスパよし。昼のタパスでテンションがかなり上がっていて、夜もタパス!!!の勢いだったのに、今日は日曜日で目星をつけていたバルが軒並み休みで、いまいちなところしか開いていなかった。結局見かけはクラシカルなのに中身はファーストフードチックなバルで、悲しいタパスの夕食になってしまった。これから日曜日は気をつけなくては。(ようこ)
2013.04.15 Jerez de la Frontera – Sevilla 98km Hotel

今日も平坦な道をひたすら飛ばす。今日は高速道路が自転車走行禁止だったので一般道をひたすら走る。通り過ぎた風景が思い出せないほど平坦で単調だけど、平均時速20km近いペースで快調に飛ばすことができるので良しとしよう。時折登場するこのあたりの街はどこも白一色で統一されていていかにもアンダルシアっぽい。「地球の歩き方」を見ていたら「○○から訪れる白い街」っていうのがたくさん紹介されていたけど、この辺に登場する白い街とガイドブックに紹介されている白い街は何か違うんだろうか。
お昼休憩はカフェでタパスを食べる。ちょっと田舎すぎたのか昨日のランチに比べると種類も量もいまいちだったけど、それでも暑い昼間にビールを飲みながらタパスをつまむのは悪くない。セビージャまで順調にかっ飛ばし、予約していたカテドラル近くのホステルに到着する。それにしてもセビージャのカテドラルは巨大だ。規模といいデザインといい、今まで見てきたカテドラルとは桁違いで、よくこんなでかいものを作ったものだと感心してしまう。
予約していたホステルは新しくてとても快適な宿。久しぶりのドミトリーがちょっと面倒くさいけど、キッチンも共用スペースもきれいで、屋上からのカテドラルの眺めは抜群でとてもいい宿だ。シャワーを浴びた後、さっそく宿のレセプションで最寄りの自転車屋を紹介してもらって駆け込む。モロッコでぱっくり割れてチープな現地モノに交換した後輪リムは交換2日目から楕円を描いて不安定に回っていたので、ちゃんとしたものに交換してもらうのがこの街に来た最大の目的なのだ。自転車屋は自分でも数軒ほど目星をつけておいたのだけど、宿で紹介してもらった1軒目で僕らの用途に十分なリムが手頃な値段で見つかり、しかも明日の午前中には交換しておいてくれるということで交渉が成立した。意外とあっさりと解決したじゃないか。さすがはヨーロッパ。
夜はタパス巡り。田舎町のバルに比べると値段が高めで量が少なめだけど、それでも美味しくて楽しいバル巡りはたまらない。初日から3,4軒ほど回ってほろ酔い気分で宿に帰る。いやあバル巡り楽しいぞ。(ひろ)
2013.04.16 Sevilla 0km Hotel

まずは朝一番修理を頼んだ自転車を受け取りにいく。ノンビリスペイン人のわりに翌朝には仕上げといてくれるというので若干期待していなかったのだけど、無事出来上がっていた。出来上がってはいたのだけど、頼んでいたことがちゃんと出来てなくて、どうしてだと聞くといい加減な返事が返ってきた。大切なところなので今日はメカニックのお兄ちゃんはお休みだったのだけれども、ボス直々に直してもらう。結果的に技術のありそうなボスのほうに直してもらえたのでよしとしよう。それにしてもスペイン人は面倒くさいことが嫌いなようで、面倒なことにぶち当たると適当に逃げようとする人が多い気がする。スペインに上陸してまだ2,3日なのにそう感じることが多い。陽気で楽しい人たちだけど、一緒に仕事はしたくない。
大仕事が終わったので昼からタパス巡り。人でワサワサしているところを狙うんだけど、ビールだけ飲んでいてタパスを食べていない人が多い店も多い。じっくり観察しながらみんながタパスを食べている混んでいるバルを探す。そしてそんなバルにめぐり合えるとやっぱり間違いなく旨い。バル巡りのあとは祭り会場へ行ってみる。会場に近づくにつれ、かわいいフラメンコ衣装の女性でいっぱいになってくる。めいめいがこだわってお洒落をしていて素敵。そしてスペイン人可愛い!!
会場をプラプラ散歩していたら陽気なおじさんたちがカセータ(個人のバルのような小屋)に招待してくれた。お酒をいただき、アクセサリーまでプレゼントしてもらった。夜再び祭りへ行ってみるけど、夜はだいぶ皆さん酔っ払っていてグデグデ系。ちょっこりおじゃまする観光客的には昼のほうが楽しいかも。(ようこ)
2013.04.17 Sevilla 0km Hotel

宿は快適だし、ようこの両親との旅行に向けてネットで調べ物をすることがたまっていたので、今日は延泊して休憩日にする。午前中は久しぶりにショッピングでもしようかと街を回ったのだけど、なぜか今日は軒並みお店が休みで何も変えずじまい。平日だというのに、ひょっとして祭りだからか?
それにしてもサマータイム中のスペインは一日が長くていい。サマータイム実施中はモロッコと時差が2時間あるので、モロッコでは朝6時から夜7時までだった日照時間が、ここでは朝8時から夜9時までになる。夜5時に仕事を終えてから4時間も明るい時間があるのだ。物理的に一日が長くなったわけじゃなくて単純に生活時間がずれただけなのに一日が長くなったようなお得感があって幸せだ。日本でもサマータイムを導入すれば何億円の経済効果がなんだかんだと議論されることがあるけれど、もっと単純な話で、サマータイムを導入すれば人生の幸せ度がアップするのだと思う。ヨーロッパで友人宅にお世話になる度にヨーロッパ人は平日の仕事を終えた後にもLIFEがあると感じた。友人と集まって飲んだり、家族とのんびり話をしたり、ゆっくりご飯を食べたりする。それが週末の特別な出来事じゃなくて毎日の生活でごく当たり前のこととしてあるのだ。こんな簡単な幸せ度アップ方法はない。例えば札幌の夏なんて朝4時から夕方7時までが日照時間だけど、朝4時に明るいなんてナンセンスだ。2時間サマータイムを導入すれば、朝6時から夕方9時までになって、スペインに勝るとも劣らない素敵なアフターファイブが待っている。その方がみんなハッピーだと思うんだけど。まあこれは夕方5時にきちんと仕事が終われれば、の話だけれども。
夕方フェリアを見に行った後、夜は恒例のバル大会。明日にはこのバルたちともいったんお別れなのかと思うとさみしい。(ひろ)
2013.04.18 Sevilla – Near Aracena 100km Campisite

素敵だったセビーリャに少し後ろ髪をひかれながら出発。今日は朝から暑い。途中まで巡礼路とかぶっていたので、ときどき車から「ビエン、カミーノ」と声がかかる。今日はお昼のタイミングが悪くてすっかりハンガーノック気味。結局ランチメニューが食べられる時間に小さな村に到着し昼食を取る。今回のヨーロッパはケチらず外食三昧にしようと思ったけど、昼をレストランが現れるタイミングで取ろうとすると意外と難しい。やっぱりお昼は自前のサンドイッチなどのほうが好きなときに食べれていいのかも。ランチは少ししょっぱかったけど美味しかった。ガスパッチョに似たサルモレホ(冷製トマトスープ)が冷たくてさっぱりしていて夏バテ気味の体に嬉しい。昼以降は登りが楽になったけど、アップダウンがだらだら続く。キャンプ場のある村アラセナのインフォは丘の上で大変だったのに、このむらのキャンプ場はクローズだと言われて10km先まで向かう。
キャンプ場に着くなりひろが腹壊す。タパス食べすぎがたたったか、冷たいビールの飲みすぎがたたったのか。でも暑さのあまり少しお腹が落ち着いたら、またビールを飲んでしまった。暑くてビールばかり飲んでお腹を壊したケニアを思い出す。(ようこ)
2013.04.19 Arasena – Border – Serpa 61km+35km Campisite

昨日は思った以上に疲れたので、今日は遅めの朝11時ころに出発して30kmほど走ったところにあるキャンプ場で半日休憩にすることにした。相変わらずの単調な景色のなか黙々と走り、30km先のキャンプ場を目指したものの、GPSが示すその場所はただの牧場。ううん、どうやらキャンプ場は閉鎖されてしまったようだ。次のキャンプ場はポルトガル内にあって、ここからさらに100kmも先だ。まじか、けっこう疲れているのに。しょうがないので先に進むことにする。すでに午後1時を回っているのだけどちゃんと到着できるんだろうか。
ポルトガルとの国境近くにあるガソリンスタンドで休憩したら、店内には日本語で「イベリコ豚あります」って張り紙があった。何もない田舎なのに、日本人観光客ががそんなに通る場所なんだろうか。廃墟と化した国境施設を越えてポルトガルに入ると、一気に雰囲気が田舎っぽくなった気がした。周りの風景はどれほど変わらないのに何でそう思ったんだろう。道が狭くなって路肩がなくなったせいだろうか。
100km近く走り、予定の街Bejaまで残り30kmになったところで、突然「キャンプ場こちら」という看板を発見する。なんとこのSerpaの街にも公営キャンプ場があるのだ!あと30km走るのは面倒くさくてしょうがなかったのでこれはうれしい誤算だ。しかも公営キャンプ場は二人で6.5ユーロという驚きの安さ。もちろんホットシャワーもあるし、WiFiだって飛んでいる。ポルトガルの公営キャプ場が安いと聞いていたけどこんなに安いなんて。なんか得した気分だ。(ひろ)

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