May,16,2013

パティーピーポーではない私たちはお祭りに対して特に思い入れはない。
思い入れがないどころか、宿が高くなるし混み合うで出来れば避けたい。
ブラジルのカーニバル時期に合わせてサルバドールに行ってみたりもして、結果として無理にパーティー時期に行くことはないと確信したりもした。
でもなぜか今回、お祭り大好きカントリースペインの中でも3大祭りのひとつに数えられる、セビーリャのFeria de Abril(春祭り)の時期にセビージャに到着することになってしまった。


祭りに気付いたのはスペインまであと数日、セビーリャまで漕いだらあと何日と数えられるくらい近くなってからのことで、セビーリャには自転車を直すために絶対に寄らなくてはならなかったのと、市内にキャンプ場がないので宿に泊まらなくてはならないということで、セビーリャの宿探しを始めたときだった。
何だか値段が通常より高いぞと調べてみたら祭りがあるという。
一生懸命に祭りを避けるルートやスケジュールを考えるも難しく、
自転車屋はお祭りでも開いているということが確認できたので、仕方なしに、いや、ここはせっかくだからとセビーリャに祭り時期に飛び込んでみることにした。
サルバドールのときみたいにお祭りのために行くわけじゃないんだから、無理して祭りを楽しまなくてもいい。あくまでも自転車を直しにいくんだ。たまたまお祭りがあるだけなんだから。


この時期にわざわざ合わせてやってくる人のほうが多いっていうのにね、なんてネガティブなお祭りの参加の仕方なんだって我ながら思う。
私たちはきっと楽しまなくちゃいけないというプレッシャーに弱いんだと思う。
ブラジルのカーニバルも、ニュージーランドも、あとキューバ走行もかな、完全にプレッシャー負けした。わざわざ行くんだから楽しまなきゃ行けないって勝手に自分たちでつくったプレッシャーに。
一般的に楽しいと言われているものに対して特別楽しくないと感じることは悪いことでもないのに、
「はぁ、なんか言われているほど楽しめなかった。」ってへこんでしまったりもする。


で、フェリア・デ・アブリル。
プレッシャーフリーで臨んだからか、楽しめた祭りだった。
私たち自身が飲めや踊れやと騒げる祭りではなかったんだけど、スペイン人の祭りの楽しみ方を感じられたのがなにより良かった。
完全に地元民のためのお祭りで、観光客のためだとか観光の一環とか、そういう後付的な要素がないところが素晴らしい。とにかく明るくて陽気な、イメージするままのスペイン人に出会えるお祭りだった。
セビーリャの町外れのお祭り会場で人々が飲み、踊り、歌う祭りなのだけど、
女性は老いも若きもカラフルでセクシーでキュートなフラメンコ衣装を着ていて、会場中が見た目にも華やかで明るい。スペイン人は美人でスタイルもよくて、はじけるような笑顔だから、もう眩しいくらいに明るい。
基本的に友達や家族同士で騒いでいるだけなんだけど、「一緒に写真撮ろうよ」とか「飲んでいくかい?」と声をかけてくれたりもして、やはりイメージ通りのフレンドリーなスペイン人たちでいっぱいだった。


不況なんて何処吹く風で、驚くほど明るい雰囲気だったんだけど、
最近のニュースでみたらスペインの失業率は27%、25歳未満に関しては57%とありえないくらい暗い。大丈夫なのか、スペイン?
セビーリャには両親が来たときにもう一度訪れる予定。お祭り後はどんと暗くなっていたりして?
ちょっと変化を気にしてみようと思う。



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