スペイン最初の街、ヘレスでの滞在は玉砕に終わった。
日曜日だったので美味しいと評判のバルやレストランは軒並み休みで、ファーストフードもびっくりの激安バルでマクドナルドばりのフレンチフライと袋から皿に移し変えただけのナチョスでお腹を満たした。まぁ、冷えた生ビールが美味しかったからいいんだけど、
スペイン、ポルトガルで最後なのだから食にはケチらず豪快に行こうと決めた矢先なだけに、
「せっかくスペイン、アンダルシアの街なのに、、、」という気持ちは拭い去れなかった。
翌日はセビーリャに到着することになっていた。
スペイン第3の大都市セビーリャ、別にとくに興味がなかったのだけど、モロッコで壊れてやむを得ず交換したモロッコ産のポンコツリム(自転車の車輪)を、新しくてまともなものに、それもまともなメカニックによって替えてもらうためにやってきた。
大都市だからきっと美味しいタパスもいっぱいあるよねとの期待ももちろんあったけど、
とにかく自転車をなんとかして欲しい一心でセビーリャにやってきた。
スペイン人は人ごみが好きなのか、めちゃ混みのバルが多い。店の外で生ビールを飲んでるだけだからどの店だからといって味が違うわけでも、雰囲気が違うわけでもないのにある店は激混み、ある店はガラガラ。
予約した宿へ向かっている途中で、既に「セビーリャっていいんじゃない?」って思いだして、
宿についてホッと一息ついて自転車屋に向かっている途中で、「セビーリャ、素敵じゃない?」って自転車屋に行くの忘れてクルクル街巡りをはじめてしまいたい衝動にかられてしまったくらい、セビーリャは私の心をぐっと掴んだ。
歩けば歩くほどこの街は素敵だった。
クラシカルヨーロッパな街なのだけど、ほどよく歴史と現代が融合していて、無理やり保存してますという雰囲気でもない。建物のカラーもデザインもどうやら私の好みで落ち着く。観光客も多いけれども、地元の人々の活気もあって、街が明るく元気でいい。
残念ながら今のところスペインのパンは美味しくない。ファンシーなパン屋さんも味はいまひとつ。
そして何より活気のある食べ物屋さんがいっぱいあって楽しいというのも素敵に見える要因のひとつだと思う。
朝から晩までバルは賑やかだ。スペイン人は声が大きくて、ガヤガヤと楽しそうにお喋りに花を咲かせている。一日中客が絶えないバルを見ていると、スペインは本当に不況なんだろうかと疑ってしまう。誰も暗い顔をしていないのだ。アンダルシアの眩しい太陽にひけをとらない笑顔で街は溢れている。
お祭り中なのもあって街に馬車が走る。なんだか妙にしっくりくる。
ラッキーなことにスペイン3大祭りといわれるFeria de Abrilが開催されているときにセビーリャに来ることができて、きっといつもより更に明るく活気のある空気に包まれていたのだと思う。
期待していなかったのもあるのだけれども、セビーリャの街としての好き度は世界でも10本指にランクインしそうだ。
毎昼、毎晩、楽しいバル巡りの日々。
もう旅も数ヶ月だからと豪快にバルに巡れることに感謝。いやー、スペインを最後の国にしておいてよかった!!そしていい街だよ、セビーリャ。
観光地セビーリャだけど、街のいたるところで庶民的な雰囲気も沢山感じられていい