Apr,22,2013

モロッコは自転車で走って楽しい国だ。
景色はバリエーションに富んでいるし、小さな村にも手頃な宿があるし、食事にも困らない。
観光が楽しい街やエリアも沢山あるし、道行く人たちもフレンドリーで気持ちがいい。
でもひとつだけこの国にはあまり好きでないことがあって、そのせいで「モロッコ最高!」っていう気持ちになれないでいる。

それはモロッコ人がよく誤魔化すということだ。
観光客がボッタくられるというのは世界中どこでもあることで、それは半ば仕方がないことだと諦めている。そりぁ腹も立つけど、度が過ぎない程度のボッタくりは大目にみてあげることにしてる。

でもモロッコはボッタクリの激しさに加え、メニューに値段が書いてあっても、値段交渉をしてお互いにその価格で納得した後でも、さらに多くの額を取ろうとしたりお釣りを誤魔化そうとしたりするがよくある。中南米のように計算が苦手という訳じゃなくて(南米の人はよくお釣りを多くも少なくも間違える)、確信犯的に誤魔化そうとするのだ。
ボッタくろうとするのはいいとして、一旦お互いに金額を納得した以上、その後に誤魔化そうとするのはボッタクリじゃなくて詐欺じゃないか呼びたくなる。
一言で言うと、モロッコ人には仁義がないのだ。

お釣りを渡し忘れた振りしたり、お釣りがおかしいよと指摘すると「あれ、計算間違えちゃったよ」ってわざとらしくモゾモゾと追加でお釣りを出してくれるケースもあるけれども、
一緒に値段を確認、計算して合計金額が違うよねと指摘すると、残りの「○○ディルハムはサービス料だ」って取ってつけたようにツジツマをあわせようとすることも多い。
サービス料を取られるようなサービスしてもらってませんけど!!

「パンと焼き代込みでこの金額にしてね。」と3回くらい念を押しても、お会計のときには合意の価格にパン代と焼き代とプラスした金額を言ってきたりする。「さっき幾らって決めたじゃん。」と強気に決めた金額だけを出せば済むっちゃ済むけど、いちいちお釣りがないようにお金を用意しなくちゃいけないのは面倒くさい。
壁に貼ってあるアラビア語メニューには5とか6とかいう数字しかないのに、10ディルハム請求するから「どうして?」とメニューを指差せば、「君の飲み物はスペシャルだから」って。
いやいや普通のカフェオレ頼みましたけど。

そんなのが続くと人間不信になる。
しかもマラケシュとかフェズとか一大観光地だったらボラれる心の準備もあるし、諦めているところもあるから落胆もしないのだけど、モロッコは結構な田舎でもやられる。
こんなド田舎だから大丈夫だよねと値段を聞かずにモノを頼んだら笑顔でボッタくられ、誤魔化されたことも結構あった。
いちいち値段聞くのって面倒だし、嫌な気持ちになる。
でも後でボッタり価格を突きつけられるともっと嫌な気持ちになるので、今日もいちいち小さなモノの値段を聞く。
そんなもんで値段を聞いたら適正価格だったりすると、とたんにその店のおやじが愛おしくなったりする。「いい人じゃないかー」って。

こうは言っても半分以上の店の人たちは正直で、ボッタくることもなく誤魔化すこともなく、気持ちよくサーブしてくれるわけなのだけど、
ただ世界的に見てモロッコは世界最悪といってもいいほど、この点に関して面倒くさい。
それがなければね、とってもいい国なんだけどな。


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