Feb,15,2013

ニュージーランド走行は、南島西海岸の西端ハースト(Haast)からクイーンズタウン(Queens Town)を経由してテ・アナウ(Te Anau)に抜けるルートから始めることにした。
ここ最近は1か月間トレッキングしたり10日間瞑想したりと、自転車からすっかり遠ざかっていたので、実に2か月ぶりの自転車だ。

走行初日、平坦な道を45kmほど走っただけなのに、すでにすっかりお尻や足腰が痛い。
そして翌日は峠越え。峠といっても500mの小さな峠なのに、全然前に進めない。
こんなにも体が鈍ってしまったのか!と愕然としながら後ろを振り返ると、ようこもひいひい言いながら自転車を押して歩いていた。なんだ、坂道の角度がきつ過ぎるだけなんだ。
NZのむちゃくちゃな傾斜の坂道には、この先も悩まされそうだ。


青空×青い湖、これぞNZという美しい風景。

NZ到着以来降り続いていた雨も、走行2日目にはすっかりやんで、一面の真っ青な空が広がった。
NZの空は広い。東京では考えられないくらい広い。あっちの端からこっちの端まで全てが空だ。
だから晴天の日には「This is 青くて広い空!」が一面に広がって、本当に気持ちがいい。

そして晴天のNZの風景はメルヘンな気持ちにさせてくれる。
NZに来る前、NZのイメージを掴もうと、全編NZで撮影されたという映画「ロードオブザリング三部作」を立て続けに見てきた。
でもスクリーン全体に広がる風景があまりにもウソ臭くて、こんなに人工物のないメルヘンな景色がある訳ないんだからきっとCG合成なんだろうな―、なんて思いながら見ていた。


数あるNZの湖の中でも一番のお気に入り、Hawea湖。登場の仕方も湖畔の感じも最高!


晴れればウソみたいにメルヘンな世界が広がる。

でも実際にNZに来ると、映画で見た風景がそのまま広がっていてびっくりする。
青い湖、深い森、澄んだ小川。どこまでも人工物がなく、爽やかで悪意の欠片も感じられない風景が、見渡す限り一面に広がっている。湖や川も興ざめするような護岸工事はされていないので、全く手つかずのままの大自然が堪能できる。
まるで国全体が壮大な映画のセットのようで、僕が適当に風景を切りとっても美しい映画が作れそうな勢いだ。
でもこんなに手つかずの大自然なのに、これをワイルドと呼ぶのはちょっとしっくりこない。
どちらかというと、ホビットやエルフがせっせと手入れをしているんだよと説明された方が納得がいくような、そんなフェアリーテイル(おとぎ話)な世界なのだ。


Hawea湖が見えた瞬間。テンションがぐんと上がる。

走行2,3日目は晴天に恵まれ、すっかりおとぎ話の主人公気分でルンルンと自転車を走らせた。
でもそんな甘い時間は長くは続かない。
3日目に到着した世界的に有名な観光地クイーンズタウンが、一気に現実世界に引き戻してくれた。
駐車場のような小さな区画のキャンプサイトが、二人合計で驚きの50ドル(約4000円)。
キャンプ史上断トツの最高値、さらにホットシャワーは追加料金ときたもんだ。
しかもスーパーマーケットで安いものを選んで買い物しているのに、スイスやノルウェーより高い(しかもまずい)のだからゲンナリする。
NZでは美味しいワインを毎日飲んで、牛肉やラム肉をたくさん食べて、と盛り上がっていたのに、シュンとしぼんで激安セール品を片手にスーパーから退出することになった。
つい数週間前のネパールでは、二人で1000円も出せばトイレシャワー付きの広々快適ルームに泊まれて、300円も払えば美味しい日本食がもりもり食べられたというのに。
インドやネパールと比べちゃいけないと思いながらも、ついついため息がこぼれてしまう。
ニュージランドやオーストラリアがバブル真っ盛りって、こういうことか・・・
いつまでもおとぎ話の主人公ではいられないんですね。


Hawea湖畔はアップダウンが激しい。でもだからこそ変化に飛んだ風景になるのだ。


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