Dec,26,2012

私たちの赤裸々な日常をつづったチャリダー日記、リシュケシュ~カトマンズ編Vol.2。
今回は、ブトゥワル出発から、ポカラ、バンディプールを経て、首都カトマンズに到着するまでの日記です。
なお、GoogleMap、標高プロファイル、距離一覧表、簡単なホテル情報をNotesにまとめてありますので、そちらも参照して下さい。
Click Here!

2012.10.24 Butwal – Tansen 36km Hotel

今日も相変わらず街は閑散としている。宿の主人も今日は宿を閉めてお祈りに行くと言っていたし、今日はヒンドゥ教徒にとって一番大切な日らしい。それにしても日本人みたいな顔をしたおっちゃんがヒンドゥ教徒っていうのがどうもしっくりこない。
今日はリシュケシュを出てから初の本格的な登り。登りと分かっているのもあって大変ではない。でも大変だったのは食事。今日はことごとく店が開いていない。店が開いてる!と喜んで飛び込んでも、みんな自分ちのご馳走の用意をしているだけで、今日は何もないのよと悲しい返事が返ってくる。自分の手持ちのお菓子も食べつくしてしまって、二人ともお腹がぺこぺこでたまらない。道路でうろちょろしている鶏が美味しそうに見えてくるほどお腹が減った。タンセンへの分岐でやっとダルバートを出してくれる食堂を発見。どうやら家族で食べていたのだけれども特別に出してくれたようで助かった。分岐からタンセンへもひたすら登り。一軒目の宿で今日はやってないといわれたころから、もしや今日の宿探しは難航するのかもとやっと気づいた私たち。どこもかしこも閉まっていて、昨日の状況より遥かに悪い。やっと一軒開いていたものの、寝るだけならなんとか我慢できる程度の宿。まだ昼すぎで午後休憩のつもりだったのに、こんな宿じゃ休憩にもならないよなぁと、こんな状況でも要求が高い二人。なんとか探し回ってもう一軒だけ開いていた宿が質の割りに高かったけれども今日は仕方がないと泊まることにした。水シャワー、隙間風だらけの宿だったのにネパールで一番高かった。といっても一泊900円だけれども。宿をとってゆっくりと街を歩いてみたらクラシカルな雰囲気のある街だった。残念ながら食堂という食堂は全て休みでポテトチップスでお腹をごました。ぷらぷら歩き続けていたら一軒だけ食堂が開いていたのでだめもとでダルバートある?って聞いたら、食堂の家族内で少々もめてから出してくれることになった。もしかしたら再び家族用の食事をうばってしまったのかもしれなかったけど、ここはありがたくいただいておくことにした。明日だってどうなるか分からないのだから。(ようこ)
2012.10.25 Tansen – Syangja 78km Hotel

分岐の町Bartungまで一気に下る。眼下の谷が雲海に覆われていてすごくきれいだ。Bartungを過ぎたらすぐ下りが始まるのかと思いきや、意外と登りが続いていて辛い。この辺りは一大観光地ポカラが近づいてきたせいか、西ネパールのタライ平原に比べると人々のフレンドリー度が下がる気がする。といっても十分気持ちのいい挨拶をくれる世界的にはかなりのハイレベルではあるのだけど。
昼食は大きめの町Ramdiでダルバート。少し大きい町だと昼からダルバートが準備されているので助かる。小学生くらいの看板娘がテキパキと働いていた。店内に水ボトルを置き忘れてしまったのであわてて戻ったら、ちゃんと別の場所に保管しておいてくれた。
ポカラまであと110kmほどだったので何とか到着したかったのだけど、なかなかアップダウンが激しくて時間がかかったので、今日は途中の街で断念。まあポカラでは宿探しに時間がかかることが目に見えていたので、頑張って漕ぎ続けて夕方遅くに到着してもしょうがないのだ。本日も宿のチョイスは相変わらず少ないのだけど、ラッキーなことになかなか居心地がよい宿が見つかる。宿の食堂は高かったので、別の食堂を探そうと町に繰り出したものの、ダサイン祭りの影響なのか開いている食堂が全く見つからない。結局宿の目の前の食堂でダルバートを準備してもらうことになり、夜7時に戻ってこいと言わて大人しく宿で待つ。そういえばこの食堂に限らず、ネパールでダルバートを頼むといつも夜7時に戻ってこいと言われる。ネパールの夕食時間は夜7時から決まっているのだろうか。
夜になると宿の部屋が酔っ払いたちで埋まり出して夜中まで騒いでいた。ネパールはどんな小さな商店でもお酒が置いてあって、朝から酔っ払ている人もかなり多く、僕らも絡まれることが多い。困ったお国柄だけど、絡み方が若干日本の酔っ払いに似ている気もする。(ひろ)
2012.10.26 Syangja – Pokhara 33km Hotel

脂っこいドーナッツとチャイを飲んで出発。今日は昼にはポカラ。ポカラに着いたら何食べようかと考えているだけでよだれが垂れそうだった。ゆっくり登っていくと目の前に巨大な山が現れた。雲だと思ったら雪山だった。ものすごい迫力でいっきにテンションがあがる。7000mくらいの標高差の山が見えるこの迫力はネパールでしか体験できないと思う。ポカラに入ると町外れでもなんだか都会の香りがした。レストランとかカフェとか立派な看板があるようなところが目につく。今まで看板もない掘っ立て小屋でダルバートかチョウメンかゆで卵のチョイスしかなかったのに、ポカラだと町外れのローカルエリアにも何だか素敵に見えてしまう食堂がある。思わず寄ってしまいそうになったけど、いかんいかん、ツーリストエリアにはもっと素敵レストランが沢山あるのだ。ポカラではダルバート、チョウメンは食べない宣言をしようと思う。
ダムサイドは初めて来た13年前とほとんど変わっていなかったけど、レイクサイドはレストランに宿にと大量に増えていて、さすがハイシーズンだけあって観光客の量も半端なく多かった。宿も星の数ほどあって、どこから選んだものか途方に暮れる。仕方がないから10年前に泊まったところから見てみることにしたけど、フル。その後その周辺を見ていくけど立て続けにフル。さすがハイシーズン、こんなに宿があるのにどこもフルでびっくりする。やっと小さな一軒やの宿に部屋が開いていてホッとする。穏やかな家族が経営する新しい宿で、きれいだし静かだしなかなかいいチョイス。
昼はまず韓国料理へ。どうやら私たちは都会へいくとまず韓国料理という傾向が強い。和食よりも韓国料理のほうががっつりしていてスタミナ料理が多くてチャリダーのお腹には向いているのかな。
久しぶりの肉。肉らしい肉を思う存分食べたのは4ヶ月以上ぶり。夜は和食。ふぅ、なんか別世界。(ようこ)
2012.10.27 – 10.30 Pokhara 0km Hotel

せっかくポカラにいるのに山も見ないでパソコンに向かう日々。そのおかげでトレッキングルート、今後の予定、エアチケット、両親と合流して一緒に旅行する計画など、いろいろと決めないといけないことができて一安心。でもしんどい日々だった。
最終日は少し余裕ができたので午後から散歩しようと思っていたのだけど、あいにく山々が雲で覆われてしまった。でも体を動かしたかったので夕方から自転車に乗って出かける。少し町中を走っただけなのに、気持ちの良い風を受けて走っていると、まるで日本でストレスのたまる日々を過ごして久しぶりに自転車に乗った時のようにスカーッとした気持ちになる。それにしてもたった数日缶詰めになっただけでストレスがたまるなんて、我ながら情けない。
今回泊ったのはレイクサイドの奥まったところにある宿だった。静かで綺麗でアットホームでとても良かったのだけど、やっぱりアンナプルナ連峰がドドンと見えるのはダムサイドの方だ。レイクサイドはレストランが豊富だけど、どこも特に美味しいわけじゃないので、景色のいいダムサイドに泊った方がよかったかな。(ひろ)
2012.10.31 Pokhara – Bandipur 72km Hotel

やっと出発。体を動かせるのが嬉しい。ポカラを出てすぐから15kmほどはずっとアンナプルナレンジがきれいに見えた。フィッツロイを思い出す。やっぱりポカラは素敵なところだったんだなと走り出してから気づいて、ちょっぴり後悔。ポカラを離れるとまた人々が素朴になった。にこやかに挨拶をくれる。私はやっぱりネパールが好きだ。
おやつにバフモモ。おやつからモモが食べられるだなんて、さすが都会に近いだけある。モモのソースやダルバートについてくるチャツネは良く山椒が効いていて美味しい。
登りが始まると再び山が見え出した。ドドーン。本当に言葉通りドドーンと聳えている。ポカラーカトマンズ間は何度もバスで通ったことがあったのに、こんなに景色が良かったなんて知らなかった。きっといつも寝ていたのだろうな。今日の道はのどかな村々とゴージャスな景色とでとても楽しめた。最後メインロードから外れてバンディプールへ向かうのぼり道8kmはきつかった。最初の5kmはなんと1km80mアップ。景色は素晴らしいのだけど、足が攣りそうなくらいきつかった。
その甲斐あってかバンディプールは素敵なところで、かわいらしい町並みとヒマラヤの山々が今日の疲れを癒してくれた。夕方ピンクに染まったヒマラヤの山々は文句なしに美しかった。
今日はビールが一段と美味しい。観光地のレストランはどこも結構高いのでできるだけ安そうな食堂をさがして夜ご飯にする。安い見かけなだったのに、ここのダルバートは今のところネパールで一番美味しかった。4種類ほどおかずがついてきたのだけど、それぞれ違った風味で、ひとつひとつが丁寧に味付けされていて、思わず間違ってスペシャルダルバート(メニューに載っていた)を頼んでしまったのかと思ったほど。これならスペシャル代が取られてもしかたないねと二人で覚悟していたら普通のダルバート代しか請求されずに返って驚いたくらい。おばちゃんに心をこめて「美味しかった!!」と連発したら「分かってるわよ、あんたたちえらいお替りしたものね」って満足そうな顔をして笑ってた。(ようこ)
2012.11.01 Bandhipur – Naubise 112km Hotel

朝から素晴らしい風景。ヒマラヤのパノラマビュー、その下に広がる雲海、朝の淡い光、いやあ素晴らしい。きつかったけど頑張ってバンディプールへ登ってきた甲斐があった。景色を堪能した後はぐんぐん下って雲海の中に突入。とたんに暗くて冷たい空気になる。メインロードに合流し、朝食にローカル食堂にてパコラ(野菜のかき揚)とチャイで休憩。こういうローカルな雰囲気にどっぷり浸りながら休憩できるのがチャリ旅のいいところだ。
今日は雲がなかなかあがってくれず、風景が全く見えなくてつまらない。しかも標高900mくらいまで上がるはずなのに、標高200~300mくらいでぐずぐずアップダウンを繰り返して精神的につらい道のりだ。しかもカトマンズに近いだけあって交通量が多くて走りにくい。荷物を満タンに積み込んだ遅いトラックが良く通るので、登り坂ではトラックの後ろにこっそりつかまって引っ張ってもらう。これが楽チンでやめられない。登りの度に後ろを振り返って遅いトラックが来ないかと心待ちにする。自分で漕がずに引っ張ってもらうんだからヒッチハイクと変わらない気もするけど、まあそんな細かいことは気にしなくていいか。
昼食休憩をした食堂ははバスが昼休憩を取る場所になっていて、次々とバスが停まってはみんなあっという間に食べて嵐のように去っていく。ネパールのバス旅は休憩時間がかなり短くて大変そうだ。昼休憩後も果てしないアップダウンが続いていた。途中の村でコーラ休憩をしたら1本40Rs請求が来てびっくり(商店で買えば普通は30Rs)。ネパールは本当にぼったくりが多い。インドでは事前に値段を聞かなくても常識的な請求しか来なかったのだけど、ネパールではちゃんと事前に値段を確認しないとめちゃくちゃな金額を言われることが多い。それにしても田舎町の商店のコーラまでぼったくるとは。もちろん値段的には10円くらいの話なので金額の話じゃない。ネパール人が大好きなだけにがっかり感も大きいのだ。
長い距離&永遠に続くアップダウンでヘトヘトになって辿り着いたナウビセはかなり小さな村。夕暮れぎりぎりに着いたのに最初は宿が見つからなくてかなり焦ったけど、村の終わりの方に1軒だけ宿兼食堂を見つけてほっとする。他にチョイスがなかった割にはそんなにひどい宿でもなかったし、宿のおじさんは穏やかないい人で良心的な値段だった。ネパール人はこうでなくちゃね。今日の走行時間は8時間を突破。ふう、疲れた。(ひろ)
2012.11.02 Naubise – Kathmandu 26km Hotel

昨日は本当に疲れた。最後のほうは止まったら(休憩したら)動けなくなると鞭打って、太ももの筋肉がつりそうになりながら気力だけで走り続けた。今なら私マラソン走れるんじゃない?
いつものとおり朝ごはん探しは難航し、なんとか脂っこいドーナッツとゆで卵をみつける。ネパールに入ってからゆで卵何個食べたかなぁ。気分的にはもう喉がつまりそうなくらいゆで卵を食べた。しばらくゆで卵は食べたくないな。
昨日の後半くらいから排気ガスが酷くなってきた。今日の道はもっと排気ガスが酷いことが予測されるので、いつもは頭に被っているサンマスクをマスクとしてつけることにした。予想は的中して、今日は本当に排気ガスが酷くて頭がクラクラしてくる。みるみるうちにマスク、シャツやスカートが真っ黒になってしまったのには驚いた。
今日の坂道は結構な箇所のアスファルトが剥がれていて、ネパールで一番悪い道だった。カトマンズから近いところが一番悪いだなんてね。昨日から利用させてもらっているトラックの後ろに捕まる戦法も道がでこぼこしすぎてなかなか上手く利用できない。それでも何回かお世話になって楽させてもらう。カトマンズの街中に入るとますます排気ガスが酷くなってきた。目も痛い。
カトマンズの宿探しはポカラ並みに面倒。いくつかネットで下調べして目星をつけておいたものの、満室だったり、いまいちだったり。カトマンズにはトレッキングに行く前、行った後、ヴィパサナ瞑想に行った後など何度も出入りするので良い宿をみつけたいところ。
ボチボチな宿もなんとか決まって昼は日本食レストランふる里へ。なんと10年前チベットからカトマンズに着いた直後もこのレストランにお世話になった。成長してないなぁ私たち。味は満足だったのだけど、量が足りなかったのは私たちの胃袋が巨大になったせい?夜はロードハウスカフェでピザ。こちらも10年前によくお世話になったレストラン。相変わらずピザが美味しくて嬉しい。雰囲気もよし。前はオープンしたてであまりお客さんがいなかったけど、今は大人気店のようで満席。それにしても値上がり具合が激しい。今日はお祝いだからよいとしても1ディナー2000円は平均月給が1万円から1万5000円くらいのネパールでは罪な値段だよなぁ。今度はトレッキング後のお祝いに行きますかね。(ようこ)

 
***2012年スライドショー!***

2012年の表紙を飾った22枚の写真たち、ただいまトップページでスライド形式にて公開中です。
2012年の旅は南米アンデスにはじまり、南米周遊、ヨーロッパアルプス周遊、北インドのラダック地方、ネパールと盛りだくさんでした。
充実の一年を、渾身の写真22枚と一緒に振り返りましょう!

トップページ(スライド形式)はこちらからどうぞ
過去のトップページ写真一覧は、こちらから(2008年からの全写真が掲載されています)。


yokoandhiro | Diary, Nepal
© yokoandhiro All rights Reserved. | 管理者ページ