Dec,17,2012

カトマンズの街はあまり変わっていないように見えた。
10年前にせっせと通ったレストラン、本屋、土産物屋にアウトドアショップ。
10年ぶりなのに地図も見ないですいすいと街中を歩き回れるし、角を曲がるたびに「ああこのお店知っている。」と記憶がよみがえってくるのは、とても不思議な気分だ。

まあ70年代からバックパッカーの聖地だったカトマンズのタメル地区。
タメルに言わせれば「たった10年で何が変わるというんだい」というところなんだろうか。


シンデレラの靴状態の入れ歯。あなたにジャストフィットする入れ歯はありますか?

変わってないとえば、僕らの行動パターンも全く変わっていない。
10年前、ラサからカトマンズまで自転車で走った時の合言葉は「カトマンズに日本食を食べに行こう!」だった。そして到着した日のお祝いは、日本食レストラン。
そして10年後の今、カトマンズが近づくにつれて盛り上がる話題は「カトマンズに着いたら何食べる?」だった。そして到着した日のお祝いは、10年前と同じ日本食レストラン。
ついでにオーダーするものも、唐揚げ定食とかカツカレーとか、10年前と全然変わっていない。
僕らの場合、変わっていないというより成長していないといった方が正しい気がする。


ネパール帽も、良く見ると柄が違って面白い。

ポカラでもそうだったけど、カトマンズでも宿探しは苦労した。
自転車旅ってシンプルだ。
朝起きて、開いている店であるものを食べて朝食をすませ、目的地に向かってひたすら走り、到着した村にある宿はせいぜい2,3軒のチョイス。夕食もあの店かこの店かという選択肢しかなくて、メニューはダルバート(米&豆&野菜の定食)のみ。
あるものを食べ、与えられた場所で眠り、太陽が出ている限りペダルを漕ぐ。
五感を全開にしていろんなことを感じ考えられる事に幸せを感じる反面、あれこれと頭を悩ませる必要は全くない。


WELCOME!

でもカトマンズみたいな大都会にくれば、めまいがするほどチョイスがある。

星の数ほどあるホテル。
これだけあるんだから、きっと安くて綺麗で静かでホットシャワーがあってWiFiが飛んでいる安心安全な宿があるでしょうと自然に要求レベルは高まって、宿探しだけでヘトヘトになってしまう。自分で自分の首を絞めているようなものだ。

星の数ほどあるレストラン。
インド&ネパールを走り切ったご褒美に数日間は食べたいものを食べよう!と張り切ったものの、和・洋・中、韓国料理にネパール料理にインド料理、なんでもござれのタメル地区を歩きながらどこで何を食べようかと悩むのは楽しくもあり面倒でもある。
自分たちのご褒美を選ぶのにすらストレスがたまるなんて、普段はどれだけ悩みのない日々を過ごしているのだろうかと、我ながら呆れてしまう。

それにしてもネパール人っていうのはすごいタレント集団だ。
日本食レストランに行けば美味しい日本食を日本式の礼儀正しいサービスで出してくれるし、
中華料理屋に行けば中国人女将と中国語で話しながら中華鍋をガンガンふるっているし、
イタリアンに行けばピザ用の薪窯の前に立って優雅な手つきでピザ生地をのばしている。
宿には日本語が流暢にしゃべれる従業員がいるのだけど、聞いてびっくり、日本語の勉強を始めてまだは7,8ヶ月だという。
インドではネパール人出稼ぎ労働者がロードワーカーとして安価な賃金で働いていたけど、こんなタレント集団、もっと世界的にも重宝されて然るべきじゃないかとすら思う。


中華食堂にて。厨房から出てくるのは中国人じゃなくてネパール人。

さて僕らは11月上旬にカトマンズに到着したのだけど、2012年の自転車旅は早くもこれで走り収め。
しばらく自転車にはカトマンズで休憩してもらうことにして、僕たちは1か月ほど山へトレッキングに出かけるになった。
今回のターゲットはエベレスト・ベースキャンプ。世界のてっぺんエベレストだ。
今夏のラダック地方以来、再び標高5000mの美しい世界が僕らを待っている。


アウトドアグッズもほとんど偽物。こんな立派な偽者を作るスキルがあるのが、ある意味凄い。


リキシャーマンも携帯の時代。

 
***2012年スライドショー!***

2012年の表紙を飾った22枚の写真たち、ただいまトップページでスライド形式にて公開中です。
2012年の旅は南米アンデスにはじまり、南米周遊、ヨーロッパアルプス周遊、北インドのラダック地方、ネパールと盛りだくさんでした。
充実の一年を、渾身の写真22枚と一緒に振り返りましょう!

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