Dec,14,2012

名前も分からない村の名前もない食堂で、熱くて甘いチャイを飲んでいると、
「この風景の中にいられるのももうすぐ終わりか」と突然センチメンタルな気分になった。


頭に荷物を載せて歩く人、バスの上に乗っている人。旅が長くなると見慣れてしまう光景だけど、良く考えると不思議な風景。

激安、激ローカルを貫くことが楽しかった昔ならともかく、今はチョイスがあるのに敢えてディープなローカル食堂を選ぶことは少なくなった。
でも自転車で走っている時は、右を見ても左を見てもローカル食堂しかない村ばかり通るのだから、チョイスなんてない。とりあえず目に入った場所で休憩することになる。
でもそれが意外と楽しかったりするのだ。


ん、ヤギに首輪?

朝もやの中、次々にサモサを揚げている店の人。
一杯のチャイをゆっくり時間をかけて飲んでいる客。
店の前できゃっきゃと楽しそうに遊んでいる子供。
けたたましくクラクションを鳴らしながら通り過ぎて行くバス。


何気ないチャイ休憩の一こま。こんな風景がたまらなく愛おしくい。

インド、ネパールを旅していると、ごく有り触れた場所に思えてくる風景。
そんな風景の中にいる時が、実は一番「旅だなあ」と感じている時でもある。
そして「自分はこの風景の中にあと何回いれるのだろうか」と数え、その回数が驚くほど少ないことに気が付くと、その何でもなかった風景が突然愛おしくてたまらないものに思えてくるのだから不思議だ。
いつかネパールの事を思い出すとき、最初に浮かぶのはヒマラヤの山々ではなくて、案外こんなローカルな風景なのかもしれない。


自転車をバスの荷台に載せる。ネパールでは当たり前の光景。

愛おしい風景が、すぐ近くのありふれた日常の中に溢れている。
それを頭で考えるのではなく心で感じられる、そんな瞬間があるから旅って素晴らしいのだと思う。

この何でもない風景を大切に心に刻んで、今日も元気にペダルを漕ぐ。
インド・ネパール走行のゴール、首都カトマンズまであと2日だ。


ゆで卵しか置いてないようなチャイ屋でひと休憩。


高速で突っ走るバスの上に立って手を振るおじさん。大丈夫?

 
***2012年スライドショー!***

2012年の表紙を飾った22枚の写真たち、ただいまトップページでスライド形式にて公開中です。
2012年の旅は南米アンデスにはじまり、南米周遊、ヨーロッパアルプス周遊、北インドのラダック地方、ネパールと盛りだくさんでした。
充実の一年を、渾身の写真22枚と一緒に振り返りましょう!

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