Dec,11,2012


ポカラを出てすぐ、朝日に照らされたアンナプルナ山域が眩しかった。
こんなに美しい景色がすぐそこにあるポカラで何もしなかったことを少し反省。
3回目だからって散歩もしなかったことが悔やまれた。
でもね、こうやって今日自転車に乗りながら素晴らしい山々が望めることに感謝しよう。
もしバスを使って移動してたらこれすら楽しめなかったわけだもの。

ポカラ-カトマンズ間は何度もバスに乗って移動した区間で、とりわけ素敵だった印象もなかったし、交通量は多いのに道は狭くて走りにくいと聞いていたのであまり積極的に走りたい区間ではなかった。
バスに載せてワープしちゃおうかという案も出た。
でもポカラで引き篭もった5日間のお陰で、どこでもいいから自転車で走って体を使いたいという気分にもなって走ることにした。


バナナの木と雪山

ポカラを出てすぐにその決断に感謝した。
離れるのが名残惜しいほど、迫力満点のヒマラヤの山々が輝かしい。
ちょうど私たちの後ろに山々が位置していたのだけれども、何度も何度も止まって振り返る。
8000m級の山々が800mの低地からこんなにも綺麗に見える国は世界中を探してもネパールくらいしかないだろう。
空をキャンバスに山々を描いたのではないかとすら思えるくらい、うそ臭くも見える。
写真に撮ってみるとその迫力が伝わらない。標高800mの地から2,3000mの山があるようにしか写っていないのが悔しい。この迫力を感じたかったらぜひネパールへ。


今日もまた右から左からかわいい子供たちの声援が!

ポカラから10kmも離れると人々が再び「ハロー、ナマステー!」と声をかけてくれるようになった。アイドルばりの歓待を受けた西ネパールに比べて、最近はだいぶ挨拶に忙しくなくなってきたネパール走行だけど、それでも嬉しい挨拶が沢山飛んでくるし、一瞬で体中がふにゃっと柔らかくなるような優しい笑顔をいっぱいもらう。
ラブ、ネパール。


いや、ほんと、今日の登りは辛かった。

今日の道は進んでも進んでも山々が視界から消えない、素晴らしい道だった。
何度もバスで通った道なのに、こんな景色がよかったなんて覚えてない。
やっぱりバス移動はもったいない。
心配していた交通量もさほど気にならなかったし、のんびりした走行を楽しんだ。


今日の目的地はメインルートから8km離れたところにある小さな町バンディプール。
ロンリープラネット的には昔ながらの雰囲気が残っている「national tresure」な町だというから見逃すわけにはいかない。
8kmくらいなら幹線道路から離れてたって面倒じゃないと気楽に脇道にそれた。

山の国ネパールだもの、少しくらい山道になることはもちろん予想していた。
脇道に入って当然のごとく道は登り始めた。山々が益々きれいに見えてきて、最初の数キロはウキウキしながら登った。
それにしても坂が続く。それにどんどん急になってきて自転車を押さずには進めないような急なところも出てきた。GPSで確認すると5kmでもう400mも登ってる。結局8kmで約600mも登った。暑かったのもあって疲労困憊。
そんなに登るんだったらちょっとはそういうことも書いておいてよ、ロンプラさん。


でもこの町はそんな思いをして登ってきても良かったと思えるくらい可愛らしい町だったし、景色も素晴らしかった。古いネワリ様式の家々がほどよく生活感を残して綺麗に保存されていて、その小さなおとぎ話にでも出てくるような町からは、雪をのせた美しいヒマラヤ山域とさまざまなシルエットで折り重なる緑濃い低い山々の両方が楽しめる。
観光客も適度にいるし、宿やカフェもあって観光地化もされていてhidden gemという感じではないのだけれども、カトマンズから150kmも離れていないところにこんなに素敵な場所があったんだという気持ちをこめると、十分にhidden gemなのかもしれない。

山々が夕日でピンクに染まるのを楽しんで、ネパールでいまのところ一番美味しかったダルバート(ネパールの定食)でお腹いっぱいになって、すっかりと満足して眠りについたら体中があまりに痛くて何度も起きた。
その度に軽くストレッチをしないと寝れない。やっぱり大変な登りだったのだ。


胸がきゅんとする時間

翌朝、8kmの下りはブレーキを持つ手が痺れるほど急だった。
雪山と雲海の組み合わせが息をのむほど美しくて、登ってきてよかったねと二人で頷く。
「期待していないところにも楽しみが隠れている自転車旅はやめられないよね」と、今日も二人で自己満足して、気分よく走り始めた。

 
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