Dec,02,2012

「キャー!!ハロウ、バアーイ」
近くから遠くからも叫び声が響く。
「バアイ、バアイ、バアーイ」
私たちがいなくなるまでずっとByeコールが止まない。
まるでアイドルかのようなお出迎えがネパールに入ったとたんに始まった。
ネパールは私もひろも3回目。
ネパール人がフレンドリーなことは知っていたし、それを楽しみにもしていた。
でも、国境を越えただけで、まだ1,2kmもインドから離れていないのに、この変わりようには驚いた。なぜこんなにも違う?


家から飛び出してきて道路際でバーイ!

今回はネパール西端の国境から入った。
西ネパールは観光資源も少なく観光客が少ないのもあってか、私たちが珍しいよう。
毎日何百人から熱い声援をもらう。歩けないようなちびっ子からも「バイバーイ」。反抗期まっさかりの少年たちからも、きっと親がしばらく見たことないようなすっきりした笑顔と元気がいい挨拶が飛ぶ。歯がないようなおじいちゃんおばあちゃんからは年季の入った素敵な皺を惜しみなくクシャクシャにした笑顔を沢山もらった。
なんかこういうの久しぶりだな。


車の中からもバーイ!

北インドのチベット圏もフレンドリーだったけど、ペルーやコロンビアなどもフレンドリーだったけど、こういう風にパワフルで温かくて優しい気持ちにさせてもらえる、エネルギーがチャージされるような人々との絡みはトルコやシリア、ウガンダ、カザフスタン、タジキスタン以来かな。

道はひたすら平坦で面白みはないのだけど、彼らの笑顔が見れるだけで嬉しい。
目の奥までニッコリ笑った優しい笑顔はどうやったら作れるんだろう。
きっと作ろうと思ったらいけないのだろうな。下心や邪念があってもいけないのだろうな。
「でもどうやって?」と考えながら走り、またつぎの素敵な笑顔に出会う。


10年前、チベットからネパールに入ったときも国境を越えてガラッと変わった雰囲気に驚いた。
自転車を追いかけてくる子供たちが「ハロウ、ハロウ、ハローウ!」と挨拶しながら満面の笑みでひたすら走ってくる。チベットでは石を投げられたり、いたずらされたり、飴くれチョコくれなど催促されたんだったよなぁと思い出す。
ネパールの子供たちはひたすら挨拶を続ける。いつ「飴くれ、金くれ」コールに変わるのかと身構えても、こちらが拍子抜けするくらい「ハロー」を叫び続けてくれる。

そうえいば今回も国境に入ってすぐ、ひろのすぐそばに小さな子供がたたずんでいて、ひろをずっと見上げていた。少し不快に感じるくらいの近い距離で、何かくれと言い出しそうな雰囲気だったから、ひろが思わず「何だね?」というちょっと威厳のある顔で子供を見た。
そしたらその子は嬉しそうに「ハロー」とだけ言って去っていった。
「ああ、ここはネパールなんだ」と一気にゆるい気持ちになった。


もちろんネパールだって観光地では商売っ気たっぷりの笑顔だったり、子供たちにもあれくれこれくれと言われたりもする。それは世界中どこでも一緒のこと。
それでもネパールの大部分は優しい笑顔で溢れている。
けっして表面だけでは作り出せない、奥底からの優しさと温かさを含んだ笑顔で。


 
***お知らせ***

4年ぶりにGOODS(旅の持ち物)ページを全面リニューアルしました。
「これいらないんじゃない?」「少し重いけど、やっぱり欲しいよね。」
そんな葛藤を4年間続けた集大成、現在の持ち物を一挙大公開です。

デザインも一新したGOODSページへは、こちらをクリックしてください。


yoko | Nepal
© yokoandhiro All rights Reserved. | 管理者ページ