Oct,31,2012

北インド・チベット圏に点在するゴンパ(寺)。
素敵なロケーションにあったり、あっと驚く宗教美術に出会えたり、心優しい僧侶たちにおもてなししてもらったりと、ゴンパ巡りはこの地方を旅する上での素晴らしいアクセントになりました。
数多く訪れたゴンパの中から、私たちが特に気に入ったゴンパをご紹介します。
なお、撮影禁止・フラッシュ撮影禁止の場所が多いので、写真を取る際は必ず確認しましょう。
また堂内はうす暗いことが多いので壁画を堪能するためにもヘッドランプは必須です。

【プグタル(Phugtal):ザンスカールバレー】

歩きでしか辿り着けないドラマティックなロケーションにあるゴンパ。2日かけて歩いてプグタルゴンパが目に飛び込んできた時は感激した。断崖絶壁にある岩をくりぬいて造られた外観は圧巻。
ゴンパ、僧房を含む境内全体がひとつの独特の世界としてまとまっている迷路のようなつくりで、内部散策も楽しい。メインホールはあまり印象に残らなかったけれども、オールドプレイヤーホール、古い壁画が残る部屋などはどっしりとした良い雰囲気。古い壁画はどれも繊細で色も美しい。
そこにいるだけで神聖な気持ちにさせてくれる“これぞゴンパ”という場所。大変な思いをしてもぜひ訪れて欲しい場所の一つ。

 

【タボ(Tabo):スピティバレー】
建物や境内はイランやパキスタンあたりの遺跡やアフリカあたりの民家を彷彿させる、土を固めただけの殺風景なものだけど、一歩中に入ると息をするのも忘れるほどの空間が広がる。
壁画、仏像の美しさだけではなく、空間として、言葉では表すことが難しい衝撃的な「美」がそこに存在していた。仏教美術の素晴らしさ的には断トツのNo.1ゴンパ。ここもぜひ訪れてほしいゴンパの一つ。

 

【バスゴ(Basgo):下ラダック】
天然岩とゴンパがバランスよく融合している外観は美しく、麓の村から仰ぎ見るだけでもお城みたいでかっこいい。ゴンパからの眺望も高度感があって冒険心をくすぐられるワクワクする景色が望める。
境内にはバランスよくゴンパが建てられていて、境内散策も気持ちがいい。メインホールの壁画は美しく修復されており、この地方のゴンパには珍しく明るい色調で、入った瞬間わーっと思わず歓声をあげてしまった。仏像の表情も素敵。

 

【ダンカル(Dhankar):スピティバレー】
切り立った崖に造られたゴンパは、その存在自体が祈りを感じさせる素晴らしいロケーション。残念ながらゴンパの内部には特に見るべきものはない。
周囲の岩肌のため息が出るような美しさ、奥行きのある谷の景色、自然の岩々と村の家々のバランス、小さいながらも雰囲気のいいダンカル湖。村全体にいい空気が流れていて、心が落ち着く素敵な場所。

 

【アルチ(Alchi):下ラダック】
仏教美術の宝庫と言われるだけあって、素晴らしい壁画や仏像を数多く見ることができる。木造の建物の雰囲気も好き。ゴンパそのもののロケーションは特筆すべきところはない。村郊外の雰囲気はいいが近くにダムができてしまったのが残念。

 

***その他、今回訪れたゴンパたち***

☆下ラダック地方(レー以西)☆

 【レー(Leh)】レーを一望できる素晴らしいロケーション。青空に優雅にはためくタルチョが気分を盛り上げてくれる。高度順応の散歩がてらにいい場所。

 【スクルブチャン(Skurbuchan)】村を一望できて周りの山々の景色も素晴らしい、のんびりとしたゴンパ。

 【ラマユル(Lamayuru)】一大観光地だけあって訪れる客も多く、静かな雰囲気はない。敷地も広くて小さな城下町のような雰囲気。本堂は新しく印象的ではなかったけれど、センゲガンという小さなお堂は一風変わった壁画があっていい雰囲気。

 

☆ザンスカールバレー☆

 【ラングダム(Rangdum)】素晴らしい景色の中にあるが、ゴンパの外観自体はパッとしない。内観は落ち着いた雰囲気で好きだった。ここを訪れるにはパスポートの提示が必要。

 【カルシャ(Karsha)】岩壁にへばりついたように建てられているゴンパ。下の参道から歩いて登っていくと、天空に上っていくような気分になっていい。もちろん上からの景色も素晴らしい。内部は特に印象に残らなかった。

 【サニ(Sani)】祭りの時に訪れたので平常時の雰囲気が分からないけれども、内観は古くて雰囲気がある。珍しくロケーションに特徴はない。

 【ストンデ(Stonde)】急坂を登り辿り着くと、鳥になった気分が味わえる素敵な景色が望める。ゴンパまで未舗装路が続いているがかなり急なのでチャリで登るのは大変。壁画や仏像は特に印象に残らなかったけど、ちょうどプージャをしていたので素敵な雰囲気を味わえた。

 【バルダン(Bardan)】プグタルに行く途中にあるゴンパ。壁画がきれい。女人禁制の部屋には古いマスクがあった。

 【ザングラの尼寺(Zangla)】若干特徴に欠けるゴンパ。元気な尼さんたちは会える。

 【リンシェ(Lingshed)】プージャのための置物作りを見学させてもらったり、お茶に呼んでもらったり、プージャに参加させてもらったりと、思い出深いゴンパ。とにかくここのお坊さんたちのフレンドリーさ、チャーミングさが素敵。夏に訪れると乾いた色の山の中にある緑眩しい村リンシェは、まるでオアシスのよう。

 【ワンラ(Wanla)】小さなゴンパだけれども、美しい千手観音像と雰囲気のある堂内がいい。壁画は色鮮やかでとてもきれい。

 

☆上ラダック(レー以東)☆

 【シェイ(Shey)】見晴らしのいい高台に立つ旧王宮とゴンパ。緑豊かなインダス谷が一望できる。

 【ティクセ(Thikse)】これぞゴンパという勇壮な外観。綺麗に修復されていて侘び寂びには欠けるけれど、古いお堂もいくつかあって雰囲気がある。オールドライブラリーは特によい空間だった。

 【へミス(Hemis)】奥まったところにあるわりには景色がいいわけじゃないので、わざわざ登っていったチャリダーとしては残念な感じ。いくつかのお堂を開けてもらえなかったもあるけど、全体に消化不良気味。新築中のお堂ではIpodでインドポップを聞きながら仏画を描いている職人を見て興ざめしてしまった。併設の博物館は結構見応えがある。

 

☆ツォモリリ方面☆

 【コルゾック(Korzok)】ツォモリリ湖畔にあるゴンパ。外観内観ともに見応えなし。

 【トゥクジェ(Thukje)】外観は修復したの真新しい感じで雰囲気はない。坊さんがいなくて中は見れなかった。

 

☆スピティ・バレー☆

 【キー(Ki)】対岸から見る姿は壮観だったが、近くから見るとそうでもない。ゴンパ内には古いありがたそうなタンカが沢山あるが、かなり上に飾られているので見えないのが残念。


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