Aug,25,2012

とうとうレーを出発する日がやってきた。
計画ではもう一日休憩してからの予定だったのだけれども、用意を始めてみたら二人ともいてもたってもいられなくて、フライングスタートを切ることにした。
ワクワクが止まらない。
今日も人生にこんなにもワクワクできることに感激し、感謝する。


一年前から想い続けてきた場所、ラダック地方。
少しスタートが手こずったけれど、紺碧の空、研いだようナイフのようにキレのいい空気、じりじりと焼きつく太陽の光を体全体で感じながら、
「Welcome to Ladakh. Welcome back to the high land!」とラダックが、高山が、私たちのことを歓迎してくれている、そんな気がして嬉しくなった。

レーで出会ったオーストラリア人の旅人が「私は低山病にかかっちゃうのよね。しばらく低地にいると無性に高地が恋しくなるの。」と言っていたのを思い出す。
確かに高地は無性に恋しくなる。
ほんの半年前は南米アンデスの標高4,5000mの高地を走っていたのに、
ずいぶんと高地から離れていたような気がしてしまうほど、懐かしさでいっぱいだ。


気持ちだけはやけにハイスピードなものの、実際には息がはぁはぁと切れて、足もズドンと重く感じて、思うような速さではペダリングできない。
それでも息が切れて心臓がバクバクするのさえ、嬉しく感じてしまうほどテンションは高い。

ハイテンションのまま今日の目的地、約60km先のアルチ村まであっという間に到着した。
宿をとって部屋に入ったら急に疲れがどっとやってきて、自分のテンションがやけに高かったことに気がついて、そんな自分にどうしようもないなと思いつつ、ハイテンションになれることは幸せなことだよなぁとも思ったりもする。
久しぶりに体を動かしたのもあって久々に超腹ペコで、別にどうってことない食堂でお腹いっぱいにしただけで充実感がたっぷりなことにも、ニンマリとしてしまったりする。


ラダックではちょうど大麦の収穫が始まっていた。几帳面に収穫された大麦が並ぶ。


そしてもうひとつ嬉しかったこと、
ラダックの片田舎で、なんと日本人夫婦サイクリストと出会えたのだ。
日本人チャリダーは沢山出会ってきたけど、日本人夫婦チャリダーは初。
チャリダーってだけで出会いが嬉しかったりするのだけど、日本人なうえに夫婦なのだ。
そして素敵なご夫婦だったので、この先どこかでルートがかぶりそうなので一緒に走れたりしたら楽しそうだなぁと勝手に嬉しがってみたり。

なんだか旅を始めたばかりの頃のようなテンションの高さで一日が終わった。
スイッチがプチっと切れて、バタンとベッドに倒れこんだと思ったら、もう朝が来ていた。
こうしてワクワクのインド北部ラダック地方の旅が始まった。


アルチは美しい壁画が残るゴンパで有名。壁画はもちろんのことの寺院内の雰囲気も素敵だった。


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