Jul,14,2012

フランス人の食べ物に対する気合いは、マルシェ文化にも見られる気がする。
フランスの小さな村々を走っている時も、よく活気のあるマルシェ(市場)が開かれているのを目撃した。大都会パリでも買い物かごを手にした人々が街のど真ん中で開かれているマルシェで野菜やらチーズやらを買っている姿をよく見た。

エクスレバンでも毎週土曜日にマルシェが開かれる。どうやらエリザベス&ザビエル宅ではザビエルがマルシェ担当のようだ。
さっそく大きなかごを自転車の後ろにしばりつけてザビエルと一緒にマルシェと向かった。


私は市場のざわざわした生活感むき出しの雰囲気が大好きで、旅先では用がなくても市場へ行く。
大型スーパーマーケットの登場で世界中で市場は縮小されてきているような気がする。
日本でもヨーロッパでもほとんど見かけないし、南米でもブラジルやアルゼンチンなどではほとんど見ることがなくて寂しかった。

そこに来てこのフランスのマルシェにはしびれた。
エクスレバンのマルシェは特に活気があるようで、地元の人々も誇りにしているようだったけれども、
店舗も多いし、品数も多いし、とにかくお客さんも多い。毎週同じ店が出るということで、人気の店は行列がきれない。


パンにチーズ、ハム、野菜、フルーツ、肉に魚、マッシュルーム専門店だってあって、和食ディナー用にとシイタケを買ったら、日本でも手に入れるのは難しいくらい美味しいシイタケで驚いた。
ザビエルの買い物リストのものを買うだけでざっと2時間ほどかかった。

確かにスーパーでの買い物よりは時間はかかる。値段だってちょっと張る。でもどう見ても美味しそうなものばかりで、見かけだけでなくて実際に美味しいから、人々が毎週楽しみにしてやってくるわけで、美味しい食べ物を求める人々が、便利で安いスーパーを差し置いてやってくる。

毎週行けば店の人と知り合いにもなるし、2時間もいたら知り合いとも沢山出会う。「どう元気?なんか美味しいものある?」ってちょっとした会話を楽しんでいる人々の姿はとても健康的に見える。スーパーだったら一言も発さなくても買い物ができる。それはそれで便利なこともあるときもあるけど、なんか寂しいことなんだなって、活気のあるマルシェにいると思う。


「パフパフー」というおもちゃのラッパの音と共に人々がドドっと笑う声が響いた。
大道芸でもやっているのかなとザビエルに聞いたら、フランスでは結婚式の前に花婿が市場にやってきて人々に笑われるような面白いことをするのだという。たくさんの人たちに笑ってもらって祝ってもらうらしい。
大きな街の真ん中での多くの人々の笑顔となごやかな空気が印象的だった。

スーパーでは感じられることが出来ない、人の温かさと、ひとつひとつの食材の存在感の大きさに、
改めて市場の魅力を感じた。
スーパーマーケットがあったって、市場は存在していくことができるというのを見れたことも嬉しかった。
食べ物は人を健康にするということが、よいものを食べるということだけでなく、よい雰囲気の中で買うことも意味するのだと思った、そんなフランスの素敵なマルシェだった。




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