Jul,05,2012

フランスのキャンプが楽しい。
昨夏のヨーロッパ走行で駐車場みたいに味気ないキャンプ場やハイシーズンでめちゃくちゃ混んでるキャンプ場を見続けてきたので、キャンプ場は安全に寝るだけの場所くらいにしか考えていなかった。
でも蓋を開けてみれば、フレンチアルプスのキャンプ場は“ここ素敵!”な場所が多い。
一区画が広々しているし、木に囲まれていたり、小川が近くに流れていたりと、自然の中の素朴なキャンプ場という雰囲気の場所が多くて、僕らの好みとぴったり合う。
それに6月はまだローシーズンというのもあって全然混んでなくて静かだし、キャンピングカーや長期滞在者も少ないので、キャンプ場にはまだ生活感が漂っていない(ヨーロッパの夏のキャンプ場は別荘代わりに1カ月単位で住み込む老人が多くて、ものすごい生活感を漂わすのだ)。
しかもまだローシーズン価格なので二人で12ユーロ前後くらいで泊れる。中には7ユーロという激安のキャンプ場もあった。
この値段で安心して眠れてホットシャワーや水も使えるのだから大満足だ。


でもフランスのキャンプが楽しい一番の理由はそこじゃない。
フランス、とにかく美味しすぎるのだ。


朝起きてエスプレッソマシンでコーヒーを入れ、近くのパン屋で買ってきたバゲットをほおばる。
フランスのパン屋も意外と当たり外れがあるのだけど、美味しいお店に当たると中はふわふわ、外はパリパリの絶品バゲットに巡り合える。これが食べだすと止まらなくて、一人一本なんてあっという間に平らげてしまう。気をつけないとパン屋からキャンプ場に戻る間に食べ切っていたなんてこともざらだ。
そして朝からバターをふんだんに使ってマッシュルームとトマトとブルーチーズのオムレツなんて作ってみたりする。これが人生史上で一番美味しいオムレツじゃないかというくらい絶品に仕上がった。

フランスは食材が豊富だ。
何か特別な料理を作っているわけじゃないけど、素材がいいのでいつもと違う味になる。
買い物に行くたびに、香り豊かなマッシュルームや旬のアスパラガスをはじめ、種類豊富な野菜たちがカバンいっぱいに詰め込まれていく。
小さな町でも醤油や日本米といった日本食材が手に入るのは、さすがヨーロッパ、さすが先進国と拍手をあげたくなる。


ある日の昼食。生ハムとチーズの贅沢なサンドイッチ

そして忘れていはいけないのがチーズ。
一生かかっても食べ切れないんじゃないかというくらい種類が豊富なチーズ。毎回チーズ売り場に張り付いては、穴が開くほどラベルを眺めて真剣に選んでみるのだけど、なにえフランス語はちんぷんかんぷんなので結局適当に買ってしまうのが悩みの種だ。
でも何を選んでもとても美味しい。味も香りも全然違う。
長期旅行をしているフランス人が、「チーズとパンが恋しい」と嘆くのをよく聞くのだけど、今ならその意味が取っても良く分かる。
これを食べてデブになるなら本望だというくらい美味しい。


チーズ、チーズ、チーズ!

そしてチーズに生ハム、ソーセージ(ソシソン)、オリーブやバゲットなどをつまみに、ボルドーやブルゴーニュといったフランスワインを堪能する日々。
もちろん高級なものには手を出せないけれど、スーパーで手に入るくらいの手頃なものでも、もう美味しくて幸せでしょうがない。


食材が豊富でワインが美味しい。そしてキャンプ場は安くて静かで快適。
こうなると一日8時間も9時間も自転車を漕ぎ続けている場合ではない。ましてや野宿をしてこっそり食事を済ますなんてもってのほかだ。
毎日昼ごろまでゆっくりのんびりしてから出発するのに、午後4時か5時には走行を終わらせて一目散に買い物に出向き、そして夜9時過ぎまで明るいヨーロッパの夏を堪能する日々。

これをヨーロッパの夏。こんな生活、贅沢すぎる。
ああこりゃ幸せだ。フランス万歳!



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