Mar,10,2012

厳戒態勢のサルバドールを無事脱出した僕らが向かった先はビーチ。
無数にあるブラジルビーチの中から僕らが選んだのは、イタカレというバイーア州の小さな村。
初心者でも楽しめるサーフスポットとして有名な村だ。

実のところ僕はビーチがあまり好きではない。
好きではないというか、どうも苦手なのだ。
ビーチに来ると生真面目な日本人根性が出てしまうというか、単に貧乏性なだけなのか、
「はいビーチです。のんびりしてくださいね」と言われても、
5分もボーっとすれば「わざわざビーチに来たのだから何かしなくちゃ」とそわそわしてしまうし、
太陽は暑いし、海はしょっぱいし、肌はひりひりべたべたするし、何かと面倒くさいと思ってしまう。
だから南国育ちでビーチラブのようこに悪いと思いつつ、自分から海に行きたいと言いだしたためしはなかった。


村中から音楽と笑い声が聞こえる、長閑な村。

でもサーフィンという楽しいおもちゃを与えられれば話は別だ。
この旅ではモザンビークとメキシコでサーフィンにチャレンジしたけれど、どちらも自己流で波と戯れていただけで、サーフィンをしたと言うには程遠かった。
だから今回は一念発起して、ちゃんとサーフィンレッスンを受けることを決めていた。
ブラジルで本格的にサーフィンデビューなんて、ぜいたく極まりない。
そして“よっしゃ、ビーチだ!”とワクワクしている自分もなかなか新鮮だ。

イタカレは人口2万人弱の小さな村。
サルバドールの物騒な雰囲気もどこへやら、のんびりした雰囲気が漂っていて村を歩いているだけでもほんわか気分になる素敵なところだ。
バスで一緒だった旅人に素敵な宿を紹介してもらい、その宿で素敵なサーフショップを紹介してもらい、メロウなサーフィン三昧の日々は始まった。

村のはずれにあるメロウなNZ人経営宿、Ben’s Place.

レッスンは潮の関係で朝だったり夕方だったりするので、それ以外の時間はただただのんびり過ごす。
魚市場でエビや魚を買ってきて料理したり、宿のプールやハンモックでゆっくりしたり、気が済むまで朝寝坊してみたり、意味もなく村をふらついてみたりと、メロウでピースフルな日々。

そんなまったりしたオフ時間を過ごした後は、サーフレッスンでアドレナリンを全開にする。
3日間のレッスンは、怪しげな英語力を持ち前の陽気さでカバーするブラジル人ブラジュミンと、英語ばっちりな上に自分の経験を惜しげもなく注ぎ込んでくれる先生肌のオランダ人トーマスのコンビが、パドルのポジショニングから波に乗るタイミングまで親切丁寧に教えてくれたので、毎時間ごとに自分がどんどん上達していくのがわかって、本当に楽しい時間だった。

そして充実の3日間レッスンが終了した後は、ボードをレンタルして少し遠くのビーチまでアフターレッスンへ。
20分ほどバスに乗り、そこからさらにトロピカルジャングルの中を20分ほど歩いて到着するそのビーチは、ジューススタンドが一つある以外は見事に何もない、がらんとした美しいビーチ。
広々しているのに人が少ないから、周りのサーファーを気にすることなく思いっきり波と戯れることができる幸せ空間だ。


トロピカルジャングルを歩くのも気持ちいい。長いファンボードの持ち運びは大変だけれども。

波に遊ばれてくたくたになった後は、ビールを片手に宿に戻り、夕食をたらふく食べ、そしてカサシャ(ピンガ)というサトウキビのお酒を心行くまであおり、幸せな気分のまま夢の中へ。
1週間の絵に描いたような理想のビーチライフは、あっという間に過ぎ去っていった。
次の予定が決まっていなかったら、もっとこのメロウなビーチライフを続けていたかった。
そんな幸せなビーチライフでした。
ああ楽しかった。次にサーフィンできるのはいつかなあ。


こんだけ広ければ初心者も怖くない。Engenhoca beach


のんびり帰りのバスを待つ。石当てごっこをしたり、石で絵を描いたり、無邪気になれる時間。


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