
2月にブラジルを旅すると言うと、100発100中で「カーニバルいいなあ、楽しんでね。」という答えが返ってくる。
確かにブラジルのカーニバルといえば、旅に興味がない人でも知っている超有名なイベントだ。
でも僕らはカーニバルを目当てにブラジルに来たわけではない。
たまたま時期が重なってしまっただけで、カラオケもクラブも大音量も人ごみも苦手な僕にとって、カーニバルは正直言って特に興味のないイベントだ。
しかも大規模カーニバルで有名なサルバドールやリオ・デ・ジャネイロでは、宿代は何倍にも跳ね上がるし、治安だって何倍にも悪化する。
サルバドールの宿なんて、屋上のハンモックで寝るのに1泊5000円×最低でも1週間分は予約しないといけない、なんていうダフ屋もびっくりのボッタくりなのだ。

でもこれだけ「カーニバルいいなあ。うらやましいなあ。」と言われ続けると、
そのうちカーニバルに行かないことが、何かとんでもない罪を犯しているかのようにすら思えてきた。
34歳にもなって人の意見に流されるはどうかと思いながらも、見えざるプレッシャーに負けた僕らは、サルバドールとサンパウロで各1日ずつカーニバル見物に行くことになった。
一番有名なリオのカーニバルに行かなかったのは、せめてもの反抗??
そんなテンション低めで始まったカーニバルだけど、行ってしまえば楽しいものだ。
参加型カーニバルと言われるサルバドールでは、有名歌手を乗せた巨大な山車が街中を闊歩してその周りでお祭り騒ぎが繰り広げられるエリアと、一般参加のグループが太鼓やらを叩きながら練り歩くエリアに分かれている。
前者は街中をステージにした移動型夏フェスといった感じで、ブラジルポップスに詳しい人だったらよだれが出そうなほど楽しいイベントに違いない。
僕らが好きだったのは後者の方で、プロ顔負けのグループから文化祭の延長のようなグループまで、まあレベルはまちまちだったけれども、どのグループもみんな楽しそうにお祭りを満喫していたし、周りで見ている人たちも思い思いのスタイルで楽しんでいて、とても幸せな雰囲気にあふれていた。


サンパウロは、リオと同じように大会場内をサンバのパレードが練り歩く観賞型のカーニバルなので、まずは会場内に入るチケットを手に入れないといけない。
まあ何とかなるだろうと舐めていたのが間違いで、当日券はあっさりと完売していた。
それならと会場に直接出向いてダフ屋を探したのだけど、これが意外と高くて定価の2倍以上の値段がする。ううん高いなあと悩んでいたら、ダフ屋のチケットまで次々と捌かれてしまい、気がついたら1万円以上するチケットしかなくなっていた。
さすがにそこまで払って見るテンションは持っていなかったので、深夜1時の地下鉄の最終電車に乗ってすごすごと宿に帰ることになった。

ちょっぴり物々しいけど、、、

街は笑顔で溢れていた
まあ縁がなかったというか、そんなテンションだったら見るのをやめなさいと言われた気がして、なんだかすっきりした。
そう、すっきりしたのだ。
サンパウロの宿では、多くの旅人が「カーニバル?高いし混むし行かねえよ」と興味なさそうだった。
それを見ていると、いったい誰からのどんなプレッシャーを感じてカーニバルに行かなくちゃと思っていたのかと、と自分のことがおかしく思えてきていたのだ。
ああ、やっと自由になれた気がする。
もうカーニバルはどうしよう、どこで過ごそう、宿はどうしようと悩まなくて済む。
そんなすっきりした気分で最終電車に揺られながら、カーニバル狂想曲は幕を閉じたのでした。

ブラジル人たちは気の向くままに踊る。

ゲイのお兄さんもニッコリ


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