Mar,07,2012

サルバドールがあるバイーア地方は、アフリカ系の影響を受けたバイーア料理で有名だ。
出不精のくせに、美味しいもののためなら遠出だって厭わない僕ら。
治安にビビりつつも、さっそくバイーア料理を食べに街に繰り出す。

まずはバイーア地方を代表するB級グルメ、アカラジェにチャレンジ。
豆ベースの生地をデンデ椰子のオイルで揚げて、エビやサラダやヴァタパと呼ばれるペーストなどをはさんだスナックだ。
旧市街の観光地で売られているアカラジェはいかにも観光地用という感じだったので、せっかく食べるからにはうまいものを食べようと慎重にリサーチを重ね、街一番という評判のCira(Acaraje da Cira)というお店まで行ってきた。


色は黒いけど、古い油なわけではない。匂いがかなり強いデンデオイル。

治安が悪い中、アカラジェを食べたい一心で散々歩きまわって到着したCiraのお店。
開店数分前という絶妙なタイミングで到着し、揚げたてのアカラジェをいただく。
さすが評判のお店だけあって、外はカリカリで中はフワフワの絶妙な揚げ具合。このおばちゃんならテンプラも見事に揚げてみせるだろうという技術の高さだった。
バイーア料理に欠かせないデンデオイルは、真っ黒な見た目から想像する通りのずっしりしたオイルで、香りも独特だ。
でも長年の旅で雑菌にまみれた僕らの胃袋にかかれば、デンデオイル100%で揚げたアカラジェだって何の問題もない。


カラフルだし、なかなか美味しそうに見えるんだけどね。

そして肝心のお味はというと、正直微妙だった。
コンセプトは悪くないし、決して美味しくない訳じゃないのだけど、特に感動がない。
外身はおからを匂いの強いオイルで揚げた感じとでもいえばいいのだろうか。香りは嫌いじゃないけれど味にインパクトがない。
中の具材は美味しいけどしょっぱい。特にエビはかなりのしょっぱさだ。
街一番といわれるお店で揚げたてを食べたのに、ふうんという感想しかなかったのだから、まあ僕らにはあまり好みじゃないんだろう。


小型カメラしか出せないサルバドール。一眼レフはレンズ越しに目が合うので人を撮りやすいけど、画面を見て撮るタイプのコンデジって慣れないからどうやって目線をカメラに合わせてもらえるように撮るのかわからず。おばちゃん結局私の顔を見ていたみたい。

いや、まだまだ序の口。
気を取り直してバイーアの代表料理ムケカに挑むべく、再びバスに揺られる。
ムケカ(moqueca)は、海鮮と野菜をココナッツミルクで煮込んだ料理。
到着したレストランでエビ入りムケカをオーダーすると、
どでかいムケカ鍋に加えて、サイドディッシュとして米、ヴィタパ(ペースト)、豆、そしてファロッファと呼ばれるマンジョーカ芋(キャッサバ)の粉がどどーんと大量に出てきた。
これはいくら大食いの僕たちでも1皿で十分な量だ。


大食いの私たちでも「これ二人で食べ切れる?」ってくらい大きな器で出てきたムケカ。3人で一皿でもいいかも。

そしてムケカである。これはうまい。
辛くないタイ風のイエローカレーとか、ココナッツミルクの入ったブイヤベースを想像すると分かりやすいかもしれない。
しかもこの地方はエビが大量にとれるのか、親の敵みたいに大量のエビが投入されているのも嬉しい。

そしてポイントはヴァタパとファロッファだ。
魚介のココナッツミルクの香りが愛おしいヴァタパを付け合わせることでムケカの味は倍増し、
揚げてあるかのように香ばしくてサクサクした食感のファロッファをかけることで、さらに倍増する。
デンデ油とココナッツミルクのコンビネーションがおなかにズドンと響くけれども、これはわざわざ遠出した甲斐があるというものだ。


海老が飽きるほど入ってた。たぶん30匹以上。プリップリで美味しかったなぁ。

ムケカのお味にすっかり満足した二人。
“もう少しスパイシーだったら、もっと美味しいよね。”
“デンデオイル、うまいけど無くてもよくない?”
“タイカレーみたいにもっと色々とスパイスが効いていてもいいよね”
“米はタイ米みたいな方があうんじゃない”
などと色々と改善策を話し合ううち、ある結論にたどりついてしまった。

“、、、、つまり、タイカレーの方がうまいってことじゃない?”

サルバドールの皆さん、ごめんなさい。


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