Jan,22,2012

牛肉1kgを二人でペロリと食べる。
恐ろしいことにひろ500g私500gとイーブン。
さすがに500gでお腹いっぱいの私だけれども腹7分目のひろ。もしくは私に気を遣って腹7分目とか優しいことを言ってくれているのかもしれないけど。

日本に一時帰国するたびに驚くことは友人たちの小食ぶり。
みんなが「お腹いっぱーい」だなんて可愛いこと言いはじめたころが私のアペタイザーがやっと終わったころでもあることを告白できなかったりする。
いつも腹5分目で帰宅して、ひろを誘ってラーメンを食べに行ったりする私は、大学生で部活をしている男子かっていうくらいの食欲だ。


肉、肉、肉。アルゼンチンの肉、サイコウ!

美しかったけれども未舗装の悪路走行の日々の途中の村、Cachi(カチ)のキャンプ場がすっかり気にいってしまった私たちは、3泊まったりと小さな村で過ごした。
安くて木々に囲まれた心地よいBBQ台完備のキャンプ場、美味しい肉屋、小さいながら事足りるミニスーパー、ほかに何かいる?

毎日せっせと肉屋に通う。
アルゼンチン人に比べて小さい二人が肉1.5kgとかを毎日買っていくのを肉屋の兄ちゃんはどう思っていただろう。
それともこの辺で肉を買っていく外国人なんてチャリダーしかいないだろうし、チャリダーはアホみたいに食べるから別に不思議にも感じなかったかもしれない。


人生で一番テンションの上がったBBQだったかもしれない。

軽い朝食の後、炭に火をつけ、肉に下味をつけながらビールを飲む。
そうそう腹ごなしに洗濯をして、ヒラヒラと洗濯物が乾いていくのを楽しみながらビールを飲む。
そして200gぐらいずつの肉の塊を火の上に置いて焼く。
「うひゃー美味くない??」と叫びながら肉にかぶりつく。
痺れるくらい美味い、骨の周りが特にね。
ワインを飲むのも忘れて無我夢中で骨にしゃぶりつく。
「あー、幸せ」といってポッカポカに温まったテントの中で昼寝する。
これでもかというほど幸せで心も体も休まった3泊だった。


私たちのお城。実現可能なマイホームの形。

過不足ないキャンプ場。
ひろは「過」がないことが素晴らしいんだと力説していたけれども、本当にそうだと思う。
綺麗なトイレがあって、ホットシャワーが浴びれて、静かで、木々の多いサイトには小さなベンチとテーブル、そしてBBQ台がある。1泊二人で20ペソ(360円)。
パリッとしたテーブルクロスがあったら、
素敵なワイングラスがあったら、
もうちびっとだけ幸せ度が上がったかもしれないけど、そんなのほんのちょびっとの話。
でも、これ以上に何かがあったら幸せ度が上がるという訳でもないのだと思う。
ゆっくりとビールを飲みながらBBQの用意をして、肉を焼きながら「幸せ」についてひろと語る。


アルゼンチンの色遣いは素敵

「幸せ」ってシンプルだと思う。
足りていることを感じること、足りていることに満足することなんだと思う。
過不足ない「幸せ」に気づけたcachiでの日々は心を元気にしてくれて、
モリモリ走るぞぉーという大きな力になった。


アカイ峠からカチへの道。ビビッドすぎるからか写真やで現像してもらったら、驚くほど合成的な色に出てきた。うーん、ちがうんだよな、その色。というくらい描写不可能な美しいいろだった。


ふふふ~ん、と思わず鼻歌を口ずさみたくなる長閑で気持ちがいいカチまでの道。乾燥しているけど、横で水が流れているって贅沢な感じでいい。


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