Nov,09,2011

美しい山や谷を見ながら、すれ違う人達に元気をもらって、澄んだ空気と青い空の中で、気持ち良く自転車を走らせる。
僕たちがしていることは、言葉にしてしまうとたったそれだけのことかもしれない。
このルートには特別ものすごい山があるわけでも、目を見張るような美しい街があるわけでもない。

でもなんでこんなに毎日が幸せなんだろう。
いろんな形の「小さな幸せ」を毎日発見している、そんな満たされた晴ればれとした気持ちだ。
ペルーを走るのは、本当に楽しい。

アンデスを走っていると、いつも地元の人たちから声をかけられる。
アンデスの人たちは素朴で、笑顔で、そして本当に親切だ。
「こんにちは」「どこまで行くの?」「どこから来たの?」「この先は大変だぞ」「気をつけて!」「良い旅を!」
そんなちょっとした短い会話だけでも無性に嬉しいし、こっちまで笑顔になってくる。


アンデスの人々の笑顔は柔らかい。


遠くからも手を振ってくれたり声かけてくれたり。

そしてアンデスの子供たちの可愛らしさといったらない。
みんな手を振って挨拶してくれるし、礼儀正しいし、何よりもいつも楽しそうに笑っている。
最近、ベルギーで買った七色の風車を自転車につけて走っている。
ちょっと子供っぽいのだけど、視界の片隅でくるくると一生懸命に回っている姿がお気に入りだ。
ヨーロッパでもつけていたのだけど、大人はみんな見て見ぬふりをするし、子供も完全に無関心だったので、少し肩身の狭い思いをしていた。

でもペルーの子供たちは、風車を発見すると「Mira!Mira!!(見て!見て!!)」と風車を指さして目をキラキラ輝かせ、いつまでも飽きずに風車を見続けているからたまらない。
僕らが自転車を止めていると子供たちが寄ってきて、手で回したり息を吹きかけたりして、風車が回るのを本当にうれしそうに眺めている。
こうであってほしいと思う通りの子供らしい素朴で可愛らしい反応が愛おしい。


風車がこんなに人気物になるとは思ってもみなかった。

チキンな僕らはなるべく宿に泊まるようにしているのだけど、ある日、宿のない村があったので小学校の校庭にテントを張らせてもらった。
早速青年がやってきて、栄養たっぷりで自転車にいいからってキヌアを1kgプレゼントしてくれた。
学校の先生がやってきて、今夜は天気が悪いから教室で寝なさいって、教室を開放してくれた(本当に夜どおし雨が降り続いたので、本当に助かった)。
子どもたちは興味津々で僕らの行動を見守り、テントや自転車やカメラに興奮したり、習いたての英語を披露したり、ケチュア語を教えてくれたり、風車をくるくる回して遊んだりしている。
二人だけで静かにキャンプするのも好きだけど、たまにはこうやって村中の人たちにお世話になるのも楽しくて大好きだ。
最近は人があまり住んでいないパタゴニア地方、そして大都会ヨーロッパを旅していたものだから、こうやって地元の人たちと絡みながら自転車を漕ぐことが全然なかった。
これぞまさに旅って感じがする。


ものすごく疲れた日で、テントを張ってぐったりしていたのだけれども、子供たちの笑顔に徐々に回復してきた。もっと可愛い笑顔をカメラに収めたかったのに疲れ過ぎていて笑顔を眺めているだけで終わってしまった。

でもこれからも激しいアップダウンが続くのに、この1kgのキヌアを持ち運ぶのか。
嬉しいんだけど、ううむ。


標高4000mのところで芋収穫をしていたお兄ちゃんたち。優しい笑顔。


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