Nov,06,2011

民族衣装ってなんて美しいんだろうっていつも思う。
その民族の肌に一番似合う色使いだったり、服の形だったり。
代々から伝わる伝統的な様式に現代のエッセンスが上手に組み合わせた個々の着こなしに思わず引き込まれる。
アジアでもアフリカでも中南米でも。

私がいつも素敵だなぁと思うのは日常的に着こなされている民族衣装のことで、
観光地で売っていたり、観光撮影用に着てたりする民族衣装はどれもちんちくりんな感じでパッとしない。
これは洋服でも一緒なのだけれども、民族衣装でも必ずいまいちパッとしない着こなしの人もいれば素敵な着こなしをしている人もいて、同じような服でも全然見え方が違うから面白い。
色使いやら着こなしが上手なお洒落さんっていうのはどこの世界にもいるのだなぁとしみじみ思ってしまう。

アンデスの山々の小さな町アンダワイラスの日曜市に私たちはたまたま居合わせることができた。
日曜市があると聞いていたものの、ただの日用雑貨の市があるだけだろうし、あえて日曜に合わせて滞在しようと思っていなかったのだけれども、せっかく日曜日に居ることになったのだからと市に出向いてみた。
こんな人口6000人ほどの小さな町のどこにこれだけ人が隠れていたんだというくらい市は大きかった。魚、肉、野菜やフルーツから衣料品、家具に電化製品、散髪屋から食堂まで出店数だけでも4,500は下らないのではないだろうか。賑やかなのももちろんのこと、普段ではなかなか見れないような美しくてカラフルな布をカバン代わりに背中に背負った人々が一段と市場を明るく華やかにしてくれている。
おでかけの時にはとっておきのものを使いたいのは世界中の女性に共通することなんだなぁとニヤニヤしながら素敵な布に目をやる。

織物を見ているだけでも幸せなのに、この市の人々はとてもフレンドリーで、ニコニコしながら声をかけてくれるのが嬉しい。
「あれ、外人だわ、あんたどこから来たの?」
「あれ、こんなとこで何してんの?」
「あんたまた通ったわね。」
みんな気さくに声をかけてくる。
優しい空気が流れていて、歩いているだけでも心地いい。
こんなに市場って楽しかったけね。


どれも一緒に見えるような帽子を一生懸命に選ぶおばあちゃんたちとか、
民族ダンスのDVDを真剣に鑑賞する若い女性たちだとか、
カラフルなゼリーを嬉しそうにほお張る家族だとか、
ちょっとお買いものしすぎて背中に背負った布に入りきらない芋やかぼちゃをエプロンにくるんで歩きにくそうにしているおばちゃんとか、
せっせと用事を済ませるおばちゃんの後ろでただひたすらボーっと金魚のふんのようにくっついて歩いているおじちゃんとか。
かわいい女の子はいないかと目をギラギラさせている男子とか。
思いのほか楽しくてホンワカした時間を過ごすことができた。


商品の芋を丁寧に並べるおばちゃん。芋の発祥地アンデスには何百種もの芋がある。

アンデスの山々の走行でもっと美しい布を見る機会があるかなと楽しみにしていたのだけど、普段はなかなか目にすることはできなかった。それもそのはず普段の農作業とかに素敵な布は使わないものね。
みんながお洒落した姿を心ゆくまで見れた素敵なアンダワイラスの日曜市は、カラフルでビューティフルな思い出の1ページになった。


帽子にお花もつけて。インディヘナの女性はカラフルな服が本当によく似合う。


ブゥブゥと合唱する子豚ちゃんたちを連れて歩く女性。ちょっとうるさいわね、うちの子たちっとちょっと照れ笑い。


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