Oct,22,2011

テントの小窓からチロッと外を見た。
アルパマヨ山と満月が輝いて見えた。
「やったー、晴れてる!」
朝はなかなか寝袋から出れないのに、今日は1秒で寝袋から飛び出して、慌ててテントを開けて外に出た。「朝焼け見れるかなぁ」

あんなに晴れていたのに残念ながら朝焼けタイムにはどんどん雲がかかってきてしまった。
それに今日登っていく先はすっかりグレー。
うむむむ、そう都合よくはいかないか、、、。
でも昨日の晩の美しい光景が私のテンションを下げずにいてくれる。
大丈夫、ワラコはやってくれるはず。

晩に浴びた満月の光のせいか、今日はやけにやる気満々で、
さっさとパッキングを終わらせてキャンプサイトを一番乗りで出発。
昨日のひどかった頭痛もどこへやら、今日はもりもりと登っていける。
今日の道は素晴らしくて、大きくて美しい雪山にどんどん近付いていける。
峠は標高4750mで、酸素も薄くなってきて大変な登りなのだけど、目の前にある山が近づくにつれてどんどん美しい表情を見せてくれて、しかも登るにつれて天気がよくなってきて、
嬉しくて足取りも軽い。2人とも結構な勢いで登っていることに気づいて、
「あ、ケニア山でもテンション上がり過ぎて気づいたときには高山病になっていたんだから気をつけなくちゃね。」と途中からゆっくりペースを心がける。
さすがに頂上直前はのろのろになったものの、標高の高さを感じさせない素晴らしい登りっ
ぷりで到着。

青空、雪山、ピリッとした空気、そして静寂さ。
「うー、幸せ!!」
山に登ったときの幸福感って何に例えたらいいんだろう。
体のいろんなところから幸せーっていう液体がジャージャーと噴水みたいに溢れ出てくる感じ。
体が良いエネルギーでいっぱいになる。どんな薬よりも体に効きそうな気がする。

登りのテンションが高かったせいか、峠の下りから二人とも頭痛がひどくなってきて、
下っても下っても頭がずきずきする。通常高山病は前日泊ったところよりも低い所に下っていくと大丈夫なのだけど、今日のキャンプサイトは3800mなのに二人ともぐったり。
やっぱりテンションの上がり過ぎには気を付けなくてはいけません。

翌日は一旦サンタクルス谷トレッキングは終了して、ミニバスで次のハイクルートまで移動。
そこから再び標高4600mのLago 69へトレッキング。
Lago 69へは日帰りハイクする人の方が多いのだけど、道中テントを張れるところがあるということなのでせっかくだから山の中に泊まりたいと、サンタクルス谷トレッキングと組み合わせてみた。
私たちがハイクルートに入った夕方はすでに日帰りハイクの人たちはいなくなっていて静かで、周りはブッシュで囲まれた平らでパーフェクトな今日のテント場を発見して満足。
夕方の優しい光で輝く雪山を眺めながら静かにインスタントラーメンをすする。
なんて優雅で贅沢な時間だろう。
「ペルーに来てよかった」
ホクホクした気持ちで今日も終わった。


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