Aug,15,2011

ドイツの自転車道とはどうもうまが合わない。
無駄に未舗装路だったり、同じような森の中だったりして、週末のバイクライドだったら気持ちいいかもしれないけれども、外国人旅行者の私たちにはさっぱり面白くない。
それよりも自転車道をはずれて、小さな村々を通る一般道を走るほうがよっぽど楽しい。

「いやードイツの道は平らでつまらないからね、電車で飛ばして正解だよ。はっはっはー。」とミュンヘンで出会ったデンマーク人の自転車旅好き家族が言っていたけど、そんなデンマークもドイツ並みに平らでマゾな自転車旅には向かない。
まぁ要するにドイツもデンマークも自転車旅のトップデスティネーションではないと思う。


気持はいいんだけど、いったいどの国にいるのだか分からなくなるドイツの自転車道。

それでも2日間だけ南ドイツを走ることに決めたのは大正解だった。
ミュンヘンのあるバーバリア地方といえば、ソーセージとビール。
数あるソーセージの中でもバーバリア地方は白ソーセージが有名で、これがさっぱりとしていてとても美味しい。そしてバーバリアのビールはベルギービールのようなリッチな深い味わいでありながら、何杯でもごくごくと飲める気軽さがよろしい。
食いしん坊の私たちがこの南ドイツ走行の2日間に課した任務は、自転車を漕いではソーセージを食べ、ビールをかっくらうこと。ベルリンでもソーセージを食べ、飽きるほどビールを飲んだわけだけど、自転車に乗り、汗をかき、お腹が空いて食べる食事は格別で、幸せ度が違うのだ。
自転車で大汗をかいて、ソーセージとビール。
想像しただけでもよだれが垂れそう。


バーバリアの典型的な一般家庭の家々。

朝食もそこそこに出発し、ソーセージが食べられる店を探す。
バーバリアのソーセージといえば、大阪でいうところのお好み焼き。小さな村々でも走ればソーセージが食べられるバーやカフェがあると信じていたのだけど、これがなかなか苦戦を強いられた。
気軽な感じのレストランやバーを覗く。メニューを見ても見つけられないので、いちいち店に入って「白ソーセージはありますか?」と聞く。
みんな横に首を振る。
おかしいぞ、もしや白ソーセージって観光客用のものだったのか?
がっくりして、諦めてパンでも買って空腹をしのごうかとパン屋へ向かった。
あいにくパン屋はお休み。追い打ちを食らってしょげていたら、パン屋の隣にある肉屋が目に入った。
肉屋には惣菜が並んでいて、立ち食いをしている人たちがいる。
白ソーセージは惣菜コーナーにはなかったけれど、焼いたソーセージはあった。
ダメもとで「白ソーセージってある?」って聞いてみたら「5分待ってくれたら茹でてあげるわよ」と快い返事をもらった。
「やったー!!」
やったーなのだ、おばちゃんに飛びついてブチュっとしたくなったほど嬉しかった。


見かけは食欲をそそらないのだけど、おいしーい白ソーセージ。半分に切って中身を吸って食べる。


魅惑の肉、肉、肉の肉屋さん。

肉屋をうろうろしながら5分待つ。
朝から肉屋を訪れる人の多いこと。そして肉屋の客の半分は惣菜を買って行ったり、食べていったりする。
これぞドイツのファーストフードの原型なのかもしれない。

肝心の白ソーセージ。
半分に割って、甘い独特のマスタードにつけて中身だけチュチュと吸いながら食べる。
あっさりしているのだけど、ハーブと優しい肉の味が絶妙で、このソーセージ用の甘い粒マスタードが美味しさを引き立たせる。これは、かなり美味しい!!
朝からソーセージとビールで大満足。
そして以後、町では肉屋を探せばソーセージが食べられることが分かり、バーバリアの幸せのソーセージを楽しむ旅2日間は無事終わった。


ヤサグレようこ。朝食からビールとソーセージ!!

ドイツが自転車旅に向いているとは思えないけれども、このソーセージとビールの幸せはドイツを走行してみないと感じられないわけで、そのためだけでもドイツを走ってみるのは悪くないと私は個人的に思う。
ああ、もうすでにソーセージが恋しい。


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