Aug,12,2011

Bonjour!
ドイツに帰ってきた数日経つのにフランスの夢から覚められない。
音楽のように耳に優しかったフランス語から角角としたドイツ語にはなかなか耳が慣れない。
自分に何が似合うかよく知っていているお洒落なパリジェンヌやマダム、パリジャンたちに比べて無骨な感じのドイツ人に、自分の身なりは棚にあげてがっかりする。
あれ、ドイツのファーストインプレッションにしても、今回にしてもドイツの悪い印象しか書いていない気がする。そういうつもりではないのに。ごめんね、ドイツ人。

しつこいようだけど、今回のパリは素敵だった。
15年前に訪れたときにはパリの人は冷たいし、天気のせいもあるかもしれないけれど寒々しい街の感じだった。それに旅中に会うフランス人はやけに気取った人も多くて馴染めないことも多かった。期待していなかったのがよかっただけではない、パリは魅力のある街だった。
今まで気取った感じにしか聞き取ろうとしていなかったフランス語ですら、まるで歌のような美しさのある言語に聞こえる。目があって品よくニコッとわらってくれた日にはふわふわと胸が躍る。


ベルリンの好きだったハンブルグ駅現代美術館。アンディ・ワォーホールの展示が空間ととても合っていて好きだった。

さて現実に戻って、久しぶりの自転車生活をスタートさせる。
パリから帰ってきてからの友人ハートムット家では、今後のプランについて夜な夜なハートムットリーダーを中心にミィーテイング。なぜか当の本人ではないハートムットが一番真剣に地図を読み込み、ネットで情報を収集し、私たちにプレゼンしてくれて「フムフム、それはいいプランだね。他にはどんなオプションがあるのかね、君」と偉そうに出されたプランを吟味する私たち。
ヨーロッパは狭いといえば狭い、でも山ほど行くところがあって広い。どこに何があるのか、ガイドブックをさらっと読んだくらいでは全然知識が追い付かないのだから、ここはヨーロッパの人にプラン作りはまかせてしまったほうがいいのだ。
ショートトリップに出る前まではチェコ、ハンガリーと向かう予定だったのに、ここで大きくプランを変え、アルプスに向かうことになった。
街はもう飽きたひろがキラキラと輝けるのは山しかない。
山は蓄えた脂肪を燃焼してくれるに違いない。
アルプスというとスイスというイメージがあるのは私だけ?。でもアルプスはフランスからオーストリアまで広く続く。とりあえずはオーストリア、イタリアアルプスへ向かう。


ベルリンは物価が安くてカフェやバーに気軽に行けるのもいい

ドイツには土日のローカル線利用にかぎり5人までどこまで行っても41ユーロという激安チケットがある。時間はかかるけれども東西にも南北にもほぼドイツ全土を一日でローカル線を乗り継いでいける。普通の特急でベルリンからミュンヘンまで行くと一人120ユーロほどするところを2人で41ユーロ(ただし4回乗り換えで10時間)。暇だけはある旅人、学生にはもてこいのチケットだ。

荷物がたっぷり載った自転車を担いでの4回乗り換えは想像以上にハードだったけれども、荷物がついたままでも電車に載せることができるドイツの電車はありがたい。
しかし自転車旅人の人口が多いこと。
私たちの乗ったベルリン駅のプラットホーム上では20台近くの私たちのような荷物を載せた自転車と出会った。ハートムットによればピークシーズンはプラットホームが自転車であふれかり、1車両ごとに自転車を載せられる場所が十分にあるにもかかわらず、自転車を載せられずに次の電車を待つしかなくなることもあるらしい。


ベルリン付近の森ででっかいキノコと遭遇。ベルリンは大都市だけれども近郊に森や湖などが多く点在していてのんびりできる。

いよいよハートムットとお別れのときが来てしまった。
10日間まるで自分の家にいるかのように寛いだ。一緒に街中を自転車で走り、私たちだけでは到底感じられることができなかっただろうベルリンの深さを知ることができた。日常生活から旅の情報に自転車のこと、何から何まで苦労を惜しまず助けてくれたハートムットには頭があがらない。
別れぎわに大きなハグをした。また必ず会えますように。
今度彼に会う時までには、もっと大人になっている自分がいることを期待して。
 


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