May,21,2011

ウブドの宿が凄い。
ウブドの安宿(ロスメン)は、恐れ多くて“安宿”なんて呼べないほどのクオリティーを誇っている。
トイレ・シャワー付の部屋なんて当たり前。広大な部屋にはキングサイズのベッドがデデンと鎮座していて、お姫様ベッドのような蚊帳が付いているものだってある。広大な部屋には広いテラスがついていて、そこからは長閑な田園風景が広がっていたり、緑豊かな渓谷が広がっていたりする。
鳥の声で眼ざめ、テラスからの景色を堪能しながら朝食を食べれば、まるで悠々自適な印税生活といった趣で、朝からゴージャスな気分になれる。
ちょっと高めの宿になればスイミングプールやWifi、冷蔵庫やキッチンまで付いてきて、もう至れり尽くせりだ。


こんな素敵な風景の先にロスメンがあることも。

そんなハイレベルな安宿のお値段は、朝食込で2人一部屋1500円から3000円程度。
パタゴニアだったらドミトリーの2段ベッドを二つ確保するのがせいぜいだ。
1食100円未満で食べられるインドネシアの物価からすれば高いのかもしれないけど、このクオリティーの宿にこの値段で泊れるなんて、世界中を探してもなかなかあるもんじゃない。
だったらこのハイクオリティーな宿を満喫しない手はないでしょ。

でも、いざ宿を探しはじめみると、今まで泊ってきた安宿とはレベルが違いすぎて、宿のクオリティと料金とのバランス感覚がまったくつかめなかった。どこもかしこも“安くてお得な宿”に見えてしまうのだ。
そこで最初はボチボチの宿(それでも十分ハイレベルだったけど)に決めて、そこから散歩がてらに宿探しの旅へと出かけることにした。


苔むしたガネーシャ。インドのド派手なガネーシャより雰囲気があって好き。

この宿探しが実に楽しい。
面倒くさがり男子の僕が宿探しを楽しいと思うなんて、生まれて初めてかもしれない。
ウブドのメインストリートは、レストランやお店が立ち並び、車やバイクがひっきりなしに通る、ありふれた東南アジアの風景だ。
でも、ちょっと脇道に入るだけで、ちょっと宿の門をくぐるだけで、世界は一変する。
一本脇道に入れば、唐突に、見渡す限りの田園風景が広がっていたりする。あまりのギャップに思わず口がぽかんとしてしまう。そんな田園風景の中に建っている宿からの眺めは、呆れるほどに美しい。
メインストリートに面した宿だって負けてはいない。
ウブドの家は奥に細長い造りになっている事が多いので、部屋に辿りつく頃には通りの喧騒がウソみたいに消えている。そしてそんな部屋のバルコニーは予想外にも美しい稲田や渓谷に面していたりして、ここが町の中心地だという事をすっかり忘れてしまう。

だから脇道の入り口や宿の門構えだけを見ただけでは、いったいその奥に何が広がっているのか全く見当がつかない。ズンズンと奥に入っては、そこに広がっている景色に驚き、宿のクオリティーに満足し、そして“ちょっと考えさせてね”なんて言って宿を出てくる。
バリの宿の人たちは全然しつこくなくて、宿を出ようとすると値段を少し下げてきて、、、という面倒な駆け引きをする人もほとんどおらず、みんな穏やかに見送ってくれる。
だから宿を見て回るのにも妙なストレスを感じないで済む。

観光都市ウブドもちょと前までは長閑な村だったということを体感的に理解できるウブドの宿探し。
ウブドの村散策と“建もの探訪”気分を一挙に味わえて、楽しかったなあ。
そして見つけた僕ら的ベスト安宿、これがもう最高なのです。
どれだけ最高か、それは次回のお楽しみ。


石像もきちんと正装。


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