Feb,21,2011

特別な朝の瞬間を過ごした僕らは、夢見心地のままキャンプ場に戻った。
もう自分たちが燃え尽きてしまったのではないかと思うほどの感動を味わったのだけど、
ここはパタゴニア。
まだまだ感動は止まらない。

この公園のもう一つのハイライトは、Cerro Torre(セロ・トーレ)という、塔のように聳え立つ山だ。
2日目は、セロ・トーレを間近に望む無料キャンプ場までトレッキング。
この日もフィッツロイには雲ひとつ掛かっておらず、相変わらず神がかった姿を見せてくれたのだけど、
あいにくセロ・トーレの周辺には雲がかかっていて、その姿が見えない。
でもこの日のキャンプ場からは、5分ほど歩くだけでセロ・トーレのビューポイントに行けるので、
翌日の朝日に期待することにして、早々に寝袋に潜り込む。

翌朝、夜明け前に起きてテントから空を覗いてみると、東の空が赤く染まり出していた。
慌ててようこを起こし、ついでに隣にテントを張っていた友人もたたき起し、カメラを片手に小走りにビューポイントに向かう。
セロ・トーレは雲ひとつ掛かることなくその姿を見せてくれていた。

今朝も山が赤く燃えるのか?と期待しながら、みんなで静かに朝日を待っていたのだけど、
朝日が昇る時間になってもセロ・トーレには全く変化がない。
友人は諦めたのか、ついに湖の周りを散歩しだした。
うーん、無理矢理友人を起こして悪かったかなあ。


山が黄金色に輝きだす。

と思っていたその瞬間。
山に朝日が当たりだし、セロ・トーレが黄金色に輝き出した。
赤く燃えるフィッツロイに、黄金色に輝くセロ・トーレ。
そうか、セロ・トーレはこうきたか!

連日の美しい朝日にすっかり満足し、ホクホク顔で朝食を食べていたら、
友人から“素晴らしかった。起こしてくれてありがとう。”と感謝され、朝から鼻高々な気分になった。

ところで、フィッツロイもセロトーレも、他のキャンパーは朝の素晴らしい時間に全然起きてこなかった。
朝日にこだわるのは日本人の傾向なんだろうか。
折角の一番美しい時間帯なのに勿体ない。


帰り道。一日中セロ・トーレが姿を見せてくれていた。

たった3日間のトレッキング、しかもハイキング程度の軽いトレッキングだったというのに、忘れられない素晴らしいトレッキングだった。
この国立公園は、入場料を取らないという太っ腹なのに、きちんと整備されているから素晴らしい。
道はとても分かりやすく整備されているし、分岐には親切に看板があるし、キャンプ場も無料なのに清潔にしてある。
何もよりもとても簡単な道なので、フィッツ・ロイにも、セロ・トーレにも、ほんの2,3時間歩くだけで到着できる。
日帰りでも簡単に歩けるし、実際にTシャツ、短パンの超軽装で楽しんでいる人たちも多く見かけた。
天気さえよければ、こんなに簡単に、こんな素晴らしい絶景に出会えるこの国立公園、素晴らしい!


1時間ほどのサイドトリップで、こんなに氷河の近くまでいける。風が物凄かった。


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