Jan,16,2011

毎日朝日を浴びて起きて、毎日美しい森を歩いて山を登る。
汗をかいたら飲んでも大丈夫なほど綺麗で美しい川に飛び込み、
毎日一本だけ冷たいビールを山小屋に飲みにいくのがちょっとした贅沢。
食事はパスタに缶詰やパンにジャムを塗るだけのとっても簡単なものでしかないけど、
こんな生活、贅沢だなーって思う。

コチャモの山の中、La Juntaでのキャンプ生活は当初は3日の予定だったので、
食糧は3日+エマージェンシー用の食糧しか持って来なかった。
少しでも長く滞在したいと思った私たちは、大きい胃袋を騙しながら一食一食を少なめにし(それでも普通の日本女子よりは多いと思う)、なんとか5日間滞在できるように頑張った。
少しくらいお腹が満足でなくったって、ここには胸いっぱいにしてくれるシアワセな空間がある。
ここは誰もにとっての楽園ではないかもしれないけれど、わたしたちにとっては楽園。
大自然の中で自然の息遣いを聞きながら、こんなにもゆっくりとした質素だけど優雅な時を過ごせる場所は地球にどれだけ残っているのだろう。


La juntaが楽園であると感じたのは大自然が素晴らしかったからだけではないと思う。
この楽園は歩いてきた者しか出会うことのできない空間であること、
そしてここにいる誰もが、バックパックに各自が背負ってこれるだけの限りある物の中で生きていることも大きいと思う。
シンプルな生活=「楽園」というのは世の中の定義ではないのかもしれない。
でも、モノに溢れすぎた世の中をもっとモノに溢れさせることはいとも簡単だけれども、
シンプルにするのはなかなか難しい。
何からそぎ落としていいものか分からなくて、結局はモノに溢れたまま、
要らないのか要るのか、大事なものなのかそうでないのか、よくわからないままただ享受して無駄に消費していく。
山の中には必然的に重要なものだけを持ち運ぶことになる。
不便だけどなんだか自由になる気がする。
あれもこれも所有しなくていい、そんなスッキリとした「自由」。
あれやこれやがないからこそ、自由な時間が増える。
目を閉じる(=目を自由にする)と味覚が増したり耳が敏感になったりするのと同じように、
シンプル(=自由になる)になったからこそ感じられるものがいっぱいある。
自由と大自然。
ここでやっと「楽園」としたことに「?」ではなくて納得してもらえるかな。


そんなことを言っていても、街に戻るのが前提の期間限定シンプル生活。
街に戻ればあれも必要、これも必要。
まだまだ仙人のような境地には全く至れないのだけど、
それだからこそ、深い山の中のちょっとした一時は幸せに沢山気付かされる大切な時間。
2011年なかなかいいスタートを切れた、そんな気がします。


毎日色々なトレイルを3~4時間ハイクアップ。なかなかアップダウンがきついルートばかりだけど、素晴らしいトレイル。


ロープを使って岩を登るハードな箇所も多い。


。絶滅危惧種になっているアレルセというチリ杉もこの森にはまだ多く残っている。


アレルセの葉っぱ


山の上から見た山小屋。


美しい森は毎日違った表情を見せてくれる。


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