Jan,10,2011

バリローチェの山で出会ったフランス人に、プエルト・モン方面に行くなら絶対に行くべき所があると大プッシュされたところがあった。
コチャモ・バレー(Cochamo Valley)。
彼は去年も行って、今年もまた訪れるという。
自然好きがそんなにいい所というのだからプエルト・モンに自転車を置いて行ってみることにした。
プエルト・モンの小さな民宿に泊まっていたら、ちょうどコチャモバレーから帰って来た旅人がやってきた。私たちも明日からコチャモバレーに行くんだと言ったら、目を輝かせて本当に素敵な所だよと彼は言った。
ほう、これは相当期待してもいいのかも。

小さなバスに乗ってプエルト・モンから約3時間。
コチャモバレーへの登山口、コチャモの村に着く。
もうすでにバスからの風景が素晴らしくて、テンションが上がってきた。
切り立つ山、キラキラと光る青い海、濃い緑の森。
青く輝く湖と富士山のような美しいシェイプの雪山などが絵に描いたようセットされてみえるプエルト・ヴァラスよりも、私はコチャモ村近辺の美しいけどどこか整っていない自然のほうが好きだ。
今日は登山口にある、これまた素晴らしいロケーションのキャンプ場でキャンプ。

待ちに待っていたコチャモバレートレックのはじまりはじまり。
トレイルに入って10分も経たないうちに、あまりの美しさに卒倒しそうだった。
バリローチェの山々とはまた違う美しさで、湿度の高い、濃くて深い原始林。
鬱蒼とした濃い森に光が差し込んで、朝露がキラキラと光っている。
私の知っている限りでは熊野古道の山々に少し似ているのだけど、
比べ物にならないくらい、深い手つかずの広大な森で、ワイルドで神々しくさえある。
今日のトレッキングは12KMなのだけど、
写真を撮ったり、美しい植物たちをゆっくり見ていると全然前に進めなくて、
いったい何時間かかるのだろうかと心配にすらなった。

年間を通して雨が多い場所で、それだからこその緑深い瑞々しい森なのだけれど、
そのぶん足元も相当悪い。
上を見て、下を見て、右の景色を見てホー、左の植物を見てハァー、と結局5時間のノロノロトレッキングだった。
こんなに幸せなトレッキングは今までにあったかしらと思うほど、充実した5時間だった。
凄いぞコチャモバレー。
そしてたどり着いたラ・フンタ(LA JUNTA)のキャンプ場の素晴らしいことといったら。
これぞ桃源郷と呼べる場所。
その素晴らしさはまた今度。


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