Oct,25,2010

イェレバンからグルジアの首都トビリシまで自転車でたったの3日。
でも毎日毎日嫌というほど雨ばかりだ。
特に峠の頂上付近は激しい横殴りの雨で、めちゃくちゃ寒い。
アルメニアではとことん天気に恵まれなかった。

2日目、相変わらずの雨の中でアラヴェルディという街に到着した。
ガイドブックにはシャワーもないような宿しかないと書いてあったので憂鬱だったのだけど、
ラッキーなことにとても綺麗で居心地の良い宿を見つけることができた。
冷えた体を熱いシャワーでゆるゆるとほぐし、乾いた温かい服を着て、オーナーが作ってくれたアルメニア料理(文句なしでアルメニアで一番美味しい料理だった)をいただき、綺麗な部屋でゆっくり寝る。
暑いシャワーと美味しい料理と温かいベッド。なんて幸せなんだろう。

アラベルディは、帝政ロシア時代には全国の4分の1の銅を産出していた鉱山の街。
いまではすっかりさびれているのだけど、でも何となく僕らの琴線に触れる素敵な街だった。
山深い渓谷の中にあって、古ぼけた工場がもくもくと煙をあげている。
年代物のロープウェイが現役で稼働していて、いかにも旧ソ連の街っぽいくたびれた団地が立ち並ぶ。
そんな、一歩間違えば物悲しい街並みだ。

でも驚くほど多くの人たちが街にいて、その表情は不思議なほど明るい。
みんな仕事がないのか基本的にはボーっとしているのだけど、
でもやさぐれた雰囲気はなくて、目が合うとニッコリ笑って挨拶をしてくれる。
くたびれていて、どんより曇り空が似合って、でも活気のあって人々が明るく暮らしている街並みは、
まるで宮崎駿の映画に出てくる街のようだ。


アラベルディには曇り空が良く似合う。

そういえば、世界には宮崎駿の映画のモデルじゃないかと言われている場所がいたるところにある。
異論反論はあれども、パキスタンのフンザ地方(ナウシカ)、カンボジアのタ・プローム(ラピュタ)、クロアチアのドブロブニク(魔女の宅急便)などなど、もう枚挙にいとまがない。
そしてそれらに共通するのは、どこもかしこも素晴らしすぎる場所だという事だ。
素敵な景色や建物に出会うと、“まるで宮崎駿の映画みたい”って表現する日本人は、僕らも含めて、とても沢山いる。
それだけ宮崎駿のイマジネーションが素晴らしいってことなんだろう。

きっと、旅行好きの人は自分だけの“宮崎駿の世界”を持っているに違いない。
まあ、アラベルディが宮崎駿の世界だと言う人は僕らが最初で最後なんだろうけど。


雨の峠を過ぎるとくっきり七色の虹が待っていた。


さびれているような、活気がある様な、そんな街並み


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