Oct,22,2010

日本ではあまり有名ではないアルメニアだけど、文明発祥の地といわれるくらいその歴史はとても古い。
そしてアルメニアは、世界で一番最初にキリスト教国になった国でもある。
それもあって、アルメニアには歴史ある教会や修道院が点在していて、それが観光のハイライトだ。


ゲガルド修道院。とんがり帽子の屋根がアルメニア教会の特徴だ。

ある日、二日酔いでボーっとする体に鞭を打って、イェレバンから片道40kmかけてゲガルド修道院まで行ってきた。
アルメニアはいい意味で田舎っぽさの残るとてものどかな国だ。
首都イェレバンの人たちですらとても穏やかで、目が合うとにっこり微笑んでくれる。
自転車で走っていると、子供からおばあちゃんまでみんな手を振って挨拶してくれるし、収穫中のリンゴを分けてくれたりもする。
特に子供がとてもかわいくて、突然の自転車の登場に驚きつつも、無邪気に手を振ってくれる。
イランでは子供がビックリするくらい可愛くなかっただけに、こういう子供が子供らしく可愛い国にくると、ほっこりと心がなごむ。


十字架が壁のあちらこちらに彫られているのもアルメニア教会の特徴の一つ。凝ったデザインが可愛らしい。

僕らはゴテゴテとした威圧的な感じがする教会はあまり好きではないのだけど、
アルメニアの教会はこじんまりしていて、外見は可愛らしく、それでいて中身はとても質素なので、とても気持ちが良い。
そして、どの教会も抜群のロケーションにあるのも素敵だ。
ノアの箱舟が漂着したアララット山を背景に建っていたり、深い渓谷の中にひっそりたたずんでいたり、
ほかの風景とは一味違う雰囲気のある場所に教会や修道院がある。
昔の人は今の僕らよりずっと厳しい環境に身を置いてきただけに、そういう場所に神秘的な力を感じる感覚に優れていたんだろう。

そんなことを感じながら、再びイェレバンに戻ってはダラダラ都会生活に戻る。
中央アジアやイランには存在しなかった大型スーパー、オープンテラスカフェに美味しいピザの店。
イランにいる時は特に恋しく感じなかったものだけど、久しぶりにそれらを目の前にすると思わず足がそちらに向いてしまう。
こんなにアウトドア人生をしているのに、いまだに西洋風都会の呪縛から離れられない僕ら。
これじゃ、いつまでもたっても昔の人の感覚には追いつけないな。


空荷で楽勝のデイトリップのはずが、往復80kmのロングライドに。アルメニアの道はしつこいくらいのアップダウン。


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