再びパミールハイウェイに戻って、ホーログを目指す。
ずっと舗装路だと思っていたら、標高4300mの峠付近はずっと未舗装路で、ガタガタの道が続く。
未舗装路だと知っていたらそこまで疲れなかったのだけど、想定外の未舗装路に体も心も疲れた。
しかもパミールには常に西風が吹く。
強烈な向かい風と、どんよりとした天気に気持ちがどんどん沈んでいく。
自転車旅は最高だ!といつも言ってるけど、
いつだって楽しいわけではない。
辛い日もある、楽しくない日もある。
だからこそ、楽しい日をより楽しいと感じられる、そう慰めながら走る。
人生と一緒。
ちょっと走ってはWOW!、またちょっと走ってはパチリと写真を撮るのでなかなか進めない。
くったくたに疲れてたどり着いた村で、
少年たちがお母さんがつくったパンや温かいチャイをテントに持ってきてくれた。
ワハン、パミールの人々はいつだって気持ちを温かくしてくれる。
嬉しくて口角がきゅーっと上がって、嬉しくて目元からは涙が出そうで、
顔の筋肉がバラバラになる感覚がする。
人を温かい気持ちにさせられるような人になりたいと思う。
翌日は快晴。
相変わらず向かい風はひどかったけど、基本的に下り130KMでホーログ。
なんとなくホーログへの帰り道というイメージしかなくて、
景色を期待していなかったのだけど、
険しくて美しい山々の間を迷路のようにくぐり抜けていくワクワクするような道で、
途中で出会ったドイツ人サイクリストのベンと一緒に、
最後まで「WOWWOW!!」と谷間に声を響かせながら、写真をパチパチと撮りながら、
楽しみながら下った。
日本でいえば小学6年生の少年たち。素朴でそして優しくて本当にいい子たちだった。
楽しかったワハン、パミールの自転車旅が終わって、
ごわごわになった髪の毛や、毛穴やしわに砂やら泥やらが詰まった肌を久々に石鹸で洗えてすっきり。
毎日のように着続けた服や汚くなった荷物を洗ったり、撮り貯めた写真を整理したりして、
ちょっとした日常を楽しんでる。
それにしても何だか夢のような日々だった。
最後まで楽しませてくれたパミールハイウェイ。