Jul,12,2010

中国ーカザフスタンの国境でサイクリストに出会った。
「あ、チャリダーだ!!」
国境のパスポートコントロールのところで荷物を付けた自転車を発見した。
嬉しくなって顔を見てみたらなんと日本人だった。
カザフスタンに行くバックパッカーはあまり多くはないけれど、サイクリストはそれなりにいる。
中国のウルムチでも、これからカザフへ自転車で向かうスイス人カップルやスペイン人に出会った。
半ば乱闘の末に入った国境で、日本人サイクリストに出会えたのはかなり嬉しかった。
あの国境のゲートを自転車を持って通過することの苦しみを知っているというだけでも仲良くなれる気がした。

まささんは、53歳のサイクリスト。
今までにバイクで世界一周を果たしているツワモノ。
中国は外国人がバイクを持ち込んで旅をすることが出来ないので、
中国や中央アジアが唯一訪れていないエリアとして残っていて、
今回は自転車で旅をすることにして上海から既に5000km近く走ってきている。
世界地図を埋め尽くすほど数多くの国々を訪れ、これでもかというほどいろんな経験をしているまささんだけど、新鮮な気持ちで、そして謙虚な気持ちで旅をしている姿が見ていて気持ちいい。

それになんていっても元気。
ミニマムな荷物に700のタイヤということもあるけど、
私たちと20も年の差があるのに私たちより俄然速い。
あまりに速いので残念ながらペアランは出来ず、何日かに一回町で再会する。

まささんとはワールドカップ観戦の仲間でもある。
遠いカザフスタンの田舎町で、日本人3人が必死になってテレビのある宿を探し、つたないロシア語を駆使してちゃんとテレビ放送されるかを確認し、テレビに張りつきながら一喜一憂した日々。
楽しかったー。
ここ何日間かは、日本戦がある時にテレビがあるような立派な宿がある町にいられるように必死に無理をして走り続けていたものだから、日本戦が終わってしまった今は何だか目標がなくて寂しい。
そしてもうすぐまささんともルートが重ならなくなる。
寂しくなるけど、またひとついい出会いと素敵な思い出ができた。
まささんはポルトガルのロカ岬を目指す。53歳、まだまだ若い!!
まささんのお陰で歳を取るのが何だか怖くなくなったよ。


yoko | Kazakhstan
© yokoandhiro All rights Reserved. | 管理者ページ