こんなに興奮したのも久しぶりだ。
チアパス州サンクリストバルの周辺の村々には美しい民族衣装を着た少数民族が住む。
土日に定期市が開かれる村が多くて、市には山々に住んでいる少数民族が集まってくる。
少数民族好きの私は、かねてからメキシコのチアパス州やオアハカ州、グアテマラの山岳部が
とにかく楽しみで、10年以上も前からメキシコ、グアテマラに行こう、行こうと思いながら
気付いたらこんなに時間が経っていた。
とうとうその10年の思いがやっと叶った1日目がやってきた。
市が開かれるたくさんの村々の中から、ナチィグ村とサンファン・カンクック村を選んだ。
本当は全部ゆっくりと回ってみたいけど、市は土日のみだから何週間もかかっちゃう。
涙をのんで一日2か所に。
一人一人色遣いも模様も違う。
ナチグ村の市の目の前に乗合タクシーで乗り込んだ。
目の前が「青の海」になった。
女性のほぼ全員が、青ベースの布に優しくて美しい色合いの刺繍で埋め尽くされた衣装を
まとっている。
朝の柔らかい光と優しい青のグラデーションの美しさに動悸がした。
息をゆっくり吸い込んで、じっくりと目の前の景色を目に収めた。
美しい刺繍が施された布を売っている店。売り手も買い手も超真剣。
メキシコやグアテマラの少数民族の人たちは写真を撮られるのが好きではないので、
あまり写真を撮ることが出来ないのは残念だけど、
写真を撮るなんてどうでもいいや、と思えるほど、
この目で美しい民族衣装を見れたこと、
ただそれが満足だった。
ナチィグの村を離れるのは寂しかったけど、
圧倒的な「青」の景色を脳裏に焼き付けて、次の村サンファン・カンクックへ向かった。
刺繍糸の色も本当に豊富。色を見てるだけで嬉しくなっちゃう。
小さい少女も素敵な衣装を着こなしている。かっこいい。