Aug,26,2009

僕の経験と警察やようこから聞いた話を合わせたら、何が起きたのかだいぶ分かってきた。
驚くほどの偶然と、沢山の人の親切が、僕らを危機一髪で救ってくれた。
いったい何が起きたのか、まとめてみたいと思う。

8月7日の午前10時過ぎ、のどかな村々をつなぐ道路を二人は楽しく走っていた。
犯人の3人組は、きっとそれまでに僕らの事を見つけ、僕らにターゲットに定めていたのだろう、
拳銃2丁で武装して、車で事件現場から1kmくらい先にある橋のたもとに車を停めて、
3人で微妙な距離を取りながらも何気なく歩いている素振りで僕らを待ち構えていた。

何も知らない僕が3人を通り過ぎ、その直後にようこが通り過ぎようとしたその時、
一人がようこの自転車をものすごい力で引っ張り、それに驚いた僕が自転車を止めた。
犯人はその瞬間を狙っていて、残りの二人が銃を取り出し、その正体を見せたのだ。
そして僕らが両手を挙げて無抵抗の意思を示すと、自転車を道路脇の茂みに引きずり込み、
そして銃をかざしながら、僕らにも茂みに入るように指示した。

そして僕らが茂みに消えようとしたその瞬間、まさに運が良かったとしか言いようがないのだけど、
子供連れの現地人のおばちゃんが、その現場を遠くから見ていたのだった。

その後僕らは茂みの中で、犯人の要求にしたがって金目の物を差し出していた。
その時間は永遠に思えるくらいとっても長かったけど、きっと数分程度だったのかもしれない。
ようこは体に触れられもせず、僕は少し首を絞められたりもしたけど怪我するほどでもなく、ようこと手を握り合って励ましあうこともできた。
とにかく命が無事であることだけを願っていた。

その間、現地人のおばちゃんは、通りすがった車を停めて、事件の発生を伝えてくれていた。
その通りすがりのピックアップトラックは、これも幸運なことに、荷台に5,6人の男達を乗せていた。
そしてその車は、僕らと反対方向に向けて走っていたにもかかわらず、わざわざ反転して、ゆっくりと車を動かして、僕らの事を探してくれていたのだ。
そして車の荷台の一人とようこの目が合った。
その車は直ちに停車して、荷台からいっせいに男達が大声を発しながら降りてきてくれた。
犯人はそれに驚いて逃走し、僕らは助かった。
そして僕らを助けてくれた男達は、通りかかったバスを停めて、最寄の街までただで乗せてもらえる手配までしてくれて、また僕らと反対方向に去っていった。

犯人3人組のうち少なくとも2人は、橋のたもとに停めておいた車まで戻り、その車で逃走を図った。
でもその車は、現地人のおばちゃんや僕らを乗せてくれたバスの人たちなど、色々な人に目撃されていた。
もザビーク警察も、僕らの事件報告を聞いて直ちに動いてくれた。
その結果、翌日までにはその車が検問に引っかかって2人が逮捕され、僕らの荷物も半分くらい返ってきた。
犯人の一人は未だ逃走中だ。

こうやって整理してみると、何て幸運続きだったのだろうと思う。
現地のおばちゃんが僕らを見ていなかったら、通りすがった車の人たちが勇敢にも僕らを助けてくれなかったら、僕らはその後何十分も犯人の餌食であり続けた。二人の体だって無事だったか分からない。
もし通りすがった車の人たちが良い人たちでなかったら、もっと酷い事がおきていたかもしれない。

事件発生まで4日間は村々が点在するだけの道を走っていて、街らしい街も宿らしい宿もなかった。
だけど、たたまた事件が起きたのが大きな街まであと40km程度という場所だったから、そしてその街に素敵なオーナーが経営する素敵な宿があったから、その街の警察がちゃんと事件報告を聞いて捜査を開始してくれたから、そして何よりも犯人が間抜けだったから、
僕らの心の傷は少しずつでも癒されつつあるし、驚くことに荷物だって一部返ってきた。

今回の強盗事件は最低の出来事だけど、それでも、他の大勢のモザンビーク人に助けられた。
モザンビーク人の優しさと、僕らの、ではなくようこの強運には、感謝しても感謝しきれない。
こんな事が起きてしまったけど、改めて、僕ら二人はモザンビークの人たちが好きだ。

ちなみにモザンビークでは、強盗が逮捕されると刑罰として手首を切られてしまうらしい。
逮捕された2人が実際にどうなるのだろう。
まあ、そんなことは知りたくもない。


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