Jun,19,2009

エチオピアの旅は予想を遥かに超えて楽しい。
まだ10日くらいしか経っていないのに、毎日がディープすぎてタイでソムタムを食べていたのが遥か昔のような気がする。

ともかくこの国では今まで訪れた国々とは桁違いな貧しさに驚いた。
最近では、かなり急ピッチで道路の舗装化が進んでいるみたいだけど、それでもまだまだ舗装路が少ない。村々は整備されていないし、家も今にも崩れそうな掘立小屋のようなものが多い。乾季の今は大きな都市でさえ電気は2日に1回あればいいほうだし、水道をひねったら水が出て来ることが奇跡ではないかと思えるくらい、水が出て来ることが少ない。
水力発電がメインというこの国で、しかも雨季直前の時期というのもあるけど、
人口20万人近いゴンダールという大都市でさえ、4日間の滞在中電気がまともにあったのは1日だけだった。

世界遺産で有名な宗教都市ラリベラでは人糞の臭さに辟易した。
道ばたにいっぱいウンコが転がっていて、最初は犬の糞?と思ったけど、
実は人糞だった。その辺で立ちションは当たり前、少しでも草陰があれば、そこにはウンコをする人がうずくまっていたりする。
しかも用を足し終わったら紙で拭いてる気配も、水で洗ってる気配もない。
始末はどうしてるんだろう???
どうやら一般家庭にトイレはないらしい。
とにかく電気のない夜、歩くときは足元にかなり注意が必要だ。


「ウンチはトイレでしましょう。」という看板があってもトイレがないとどうしようもない。


教会のミサが終わって出てきたばかりの僧たち。出てくるなりみんなで民家の前で立ちション。いいのか!それで。

ギョッとすることばかり書いたけど、この国は面白い。
まず、人がいい。
ガイドするから金をくれ、バスのチケットを取ってやるから金をくれ、
ホテルの場所を教えてあげるから金をくれ、ただ単に金をくれ、
とやってくる子供から年寄りが本当にいっぱいいるんだけど、
何だか心をふっと許せてしまう、そんないい人たちも本当にいっぱいいる。
良くも悪くもエチオピア人はやたらと絡んでくる。
ゴンダールでも、ラリベラでも、そんな素敵な人たちとの時間がかげがえのないものにしてくれた。心あたたまるコーヒーセレモニーや、地元の人々で賑わうアズマリベット(エチオピアの伝統音楽とダンスを見せる&一緒に踊る飲み屋のようなところ)、自分たちでは到底探し出せそうもないディープなダッジ屋やチャット屋、もちろん美味しいインジェラ屋も、彼らナシではありえなかった。特に若い子達は英語を学校で習っているらしく英語をちゃんと話す子も多くて、いろいろと聞けて楽しい。

独自の強い文化があるのも楽しい。
エチオピア時間は朝6時が午前0時。掛け時計も腕時計もエチオピアタイム。
時間を聞くときは大変だ。
私たち外国人に気を使って、私たちの時間を言ってくれる人と、エチオピア時間を言う人と、どちらも混ぜこぜで言う人と、もう色々で、
待ち合わせ時間を決めるにも、時間を確認するのにもいちいち手間取る。
昼寝して起きて時計をみたら10時だったりして(私たちの時間では夕方4時)びっくりしたりもする。
ちなみに日付も微妙に違う。今現在エチオピアは2001年の9月頃。


コーヒーセレモニー中。セレモニーといっても堅苦しくはない。ノンビリお喋りをしながら楽しむ。

コーヒー豆を洗って煎るところから始めてコーヒーを淹れるコーヒーセレモニーもいい。
そのつど2時間以上はかかるから特別なことかと思いきや、どうやら1日3回、コーヒーセレモニーを行ってコーヒーをいただくらしい。
ノンビリ会話をしながら、煎った香り、挽いた香り、淹れた香りを楽しみながらいただくコーヒータイムは実に豊かな時間な気がする。
ただエチオピア人と共に働く外国人からしてみると、たまにこの時間の流れにイラッとしてしまうらしいけど。

エチオピアンダンスも忘れてはならない強烈な文化。
アズマリ(エチオピア伝統音楽)に合わせて、肩と胸を異常とも思えるほど震わす踊りは
見てるだけで興奮する。
真似をしようと頑張っても、ぴくりとも肩も胸も震えないのには悲しい気持ちにもなるけど、
見させていただけるだけで、もう満足。
エチオピアに来れば必ずテレビ等でこのダンスを目にすることはあると思うけど、
生でこのダンスを見ずしてエチオピアを去ってはならないと思う。
ぜひこのダンスのDVDを購入したいと思っているところ。

この国は毎日面白すぎるし、理解できない理不尽なことも沢山ありすぎる。
あと1ヶ月の滞在中、いったいどんなに面白いことを見せてくれるのだろう。
楽しみであり、不安でもあったりする。


とても素敵な青年アシュナフィに出会えたことでラリベラを違った視点でも見れることができた。


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