Apr,24,2009

私たちの旅も半年が過ぎて、やっと9か国目のタンザニアに。
タンザニアは5年前に新婚旅行で来て以来の2回目。
笑顔の優しい国ウガンダから入ってきたのもあって、
タンザニアはなんだかちょっと殺伐とした雰囲気を感じてしまう。
特に今滞在しているムワンザは、タンザニア第3の都市。
都会特有のちょっとよそよそしい雰囲気もあるし、
知り合いの日本人のチャリダーが2,3ヶ月前にひったくりに遭ったり、
同じ宿のドイツ人がつい昨日ひったくりに遭ったりと、
なんだかこちらも身構えてしまう。

ブコバからムワンザへのフェリーで出会ったオランダ人のマーティンが働く、
ムワンザ郊外にあるストリートチルドレンのための家に泊めさせてもらうことになって
一泊二日で郊外へ出た。
ムワンザ市内を少し出ただけなのに、人々の顔が穏やかでのんびーりした空気が流れていてホッとした。「ジャンボ!」と挨拶すると、気持ちいい挨拶が返ってくる。
子供たちが興味津々に寄って来る。
やっぱりこうやって村々の中に入っていける自転車旅はいい。

マーティンの働く「マリンベ・ファミリー」は、オランダ人の女性が設立したストリートチルドレンのための施設。
ストリートチルドレンとは家族を失ってしまった孤児だったり、両親がいても暴力や親が働かないなどで家に入れなかったりと色々な事情があって、家を出て路上やスラムで生活する子供たち。学校へは行けないし、お金もないから物乞いをして暮らしている。
昼からドラッグをやったり、シンナーを吸ったりして現実逃避している子供たちをタンザニアだけではなくてケニア、ウガンダでもよく見かけたし、よく物乞いもされた。
「マリンベ・ファミリー」では、ストリートチルドレンを出来るだけ家族、親戚の元へ返して学校へ行かせる活動や、どうしても家族や親戚のもとへ帰れない子供たちを学校へ行かせたり、共同生活場所を提供したりしている。

「マリンベ・ファミリー」はムワンザから15kmくらい離れた緑豊かなのどかな場所にあった。ストリートチルドレンっていったらみんな目を少し吊り上げて、物くれ物くれってせがんでくるのかもしれないって正直ちょっぴり思っていた。
だけど出迎えてくれた50人の子供たちは(5歳から15歳くらい)ごく普通のどこにでもいる可愛い子供たち、いや普通以上にひとなっつこい子供たちだった。
私たちはスワヒリ語は喋れないから、英語とジェスチャーで会話。
中学生くらいの子供たちが少し英語が分かるから、みんな英語が喋れる子たちを頼って私たちにあれやこれやと質問したり教えてくれたりする。ピッタリと横にくっついてくる小さな子供たちはみんなニコニコしていて少し甘えん坊。
きっとお母さんやお父さんを思い出しているのかもしれない。

ここに居る子達はみんな家に何かしら問題があってストリートチルドレンとなってしまった子供たち。私たちには計り知れない苦労や心の傷を持っているのだと思う。
それでもみんなとっても明るくて、優しくて、助け合って生きてる。
彼らを支えている「マリンベ・ファミリー」の大人たちも協力的だ。
時に先生であり、時にお兄さん、お父さん、おじいさんでもあったりする。
大きな家族のような素敵な施設だった。

ケニアで、ウガンダで、日本から海外から色々な形の「国際援助」を多く見てきた。
時に「援助」の仕方や方向性に疑問を感じることもあった。
「援助」という意味の難しさを改めて考えることが多かったこの2ヶ月。
何が正解で、何が間違っていて、という判断は凄く難しい。
でも子供たちにひとつでも多くのチャンスを与えてあげられる
「援助」は必要だなと強く感じる。
世界中のどこに生きていても、子供たちには「希望」があって欲しいと思う。

「マリンベ・ファミリー」の先生が言っていたシンプルな言葉が、強く心に残っている。
“They have future.”


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