Mar,22,2009

じっととしてるだけなのに汗が垂れてくる湿度の高さ、
ミーン、ミーンという蝉のような鳴き声が
日本の夏休みを思い出させる。

モワっとした暑さも、ビルから吹き付けるエアコンの室外機からの熱風や
コンクリートの照り返しとは違って森の中なら気持ち悪いものではない。
ケニアの西、カカメガの森は標高1600m前後に広がる熱帯雨林。
一歩森に入ると汗で体中がコーティングされるのが分かる。
でも、なんだか気持ち悪くない。
爽やかなサウナにでも入っている気分。
湿度のおかげで鼻の粘膜にしっとりといい森の匂いが充満する。
いろんな匂いがする。
フルーツのような甘い匂い。濃い草木の匂い。動物の匂い。
全てがおいしい水でコーティングされたような潤った匂い。


小人になった気分になるくらい背の高い木々。

視線をどの位置にもってきても深い緑に囲まれる。
首が痛くなるほどそびえ立つ木々を見上げると、珍しい種類の猿たちがピョンピョンと移動していたりもする。人間のような鳴き声をする鳥もいる。ちょっと音をはずしちゃう鳥もいる。
目をつぶって耳を澄ましてみるとなんとも騒がしい。
この森には沢山の住民がいるみたい。

昨日はこの保護されたカカメガの森の外周を40kmくらい走って国立公園に入ってきた。
すこし森が現ることもあったけど、こんな深い森が広がっていたとは思えない村々や畑が広がる中を走ってきた。
木々は伐採されて、住民たちが頭に何メートルもある木を載せて一生懸命に運んでいた。
元々はきっとカカメガの森のように深い森だったところだったのかもしれないな。
森を利用して生きていかなくてはならない人たちがいる。
こうやって世界中の森は消えていっているのだろう。
私たちは直接は森はつぶしていないけど、私たちの生活は森をつぶしている。
入場料が馬鹿高いケニアの国立公園には腹立たしいこともあるけれど、
こうやって保護されている深い森があることに感謝しなくてはならないのかもしれない。


濃い濃い、緑が濃い。


国立公園に入ったとたん緑が深くなった。


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