Jan,16,2009

僕にとって8年ぶりのエジプト。
前回のエジプトの印象は、”エジプト人うっとおしい”の一言に尽きる。
何でもぼったくるし、蹴りたいくらいにしつこいし、
“プスプスプス”って動物みたいに人を呼ぶし、二言目には”バクシーシくれ”だし、
とにかくうっとおしい人たち、それがエジプト人。
そういう強烈な印象が残っていた。

ところが、ダハブの人たちはとても穏やかで、
それなりに値段をごまかそうとはするけど(それはどの国でも同じなので許容範囲)、
全然しつこくないし、一生懸命働くし、陽気でフレンドリーだし、とっても好印象だった。
いや待て、ダハブの人たちはべトウィンで、生粋のエジプト人じゃない。
べトウィンは優しくていい人なんだよ。エジプト人はうざいぞお。
現にカイロから来た旅人は、口をそろえて、
“カイロはウザイ。ダハブに来てホッとする”と言うじゃないか。

シナイ半島を走っている時も、みんな素敵な人たちばかりだった。
テントも快く張らせてくれるし、適当に放ってくれるのでとても気が楽だし、
何よりバクシーシなんて言葉は全く出てこない。
いや待て、シナイ半島だってべトウィンの土地。この人たちも生粋のエジプト人じゃない。
勝負はエジプト本土に入ってからだぞ。

そうやって自分を戒めながら、自転車を走らせること5日、
スエズ運河の下を通るトンネルをくぐれば、ついに敵地エジプト本土に上陸。
スエズの街に到着し、一息ついてから街に繰り出すと、
案の定、べトウィンとは明らかに違う顔つきの生粋エジプシャンから、次々に声をかけられる。


コロニアル風のこぎれいな港町、スエズ

“China??”
お、早速絡んできたな、なんて思いつつ、とりあえず笑顔で返す。
“No, I’m Japanese”
すると、口々に”I like Japan.”とか、”Oh!Welcome”なんて言いながら笑顔で去っていく。
あれ?

子供たちがやってきた。
“What’s your name?”
来たな、バクシーシちょうだい攻撃か?なんて思いつつ、まずは笑顔で返す
“Yoko & Hiro!”
すると、キャー英語が通じたわ、みたいな感じではしゃぎながら笑顔で去っていった。
あれれ?

落ち着いて街を見てみると、スエズの人々はみんなとっても温和な笑顔。
ためしに”ハロー”と手を振ってみると、老いも若きもにっこり笑って手を振り返してくれる。
屋台でもレストランでもボッタくる気配は全くない。
どう見ても、どう考えても、生粋のエジプト人なのに、みんな素敵な人たちばかり。
なんだ、うっとおしいのは、ごくごく一部の観光客相手の輩だけで、
エジプト人だって素敵な人たちじゃん!


木漏れ日が埃っぽい街に優しいアクセントを与えてくれる

すっかり気をよくして歩き回るスエズの街は、
木漏れ日の感じやワサワサした空気が、ネパールの街を思い起こさせる素敵な雰囲気だし、
イカやら魚やらのシーフードも美味しいし、
コロニアル風の建物も乙な感じだしと、
観光スポット的な見所は全くないけど、すっかりお気に入りの街になりました。


おじさんはカフェでノンビリ日向ぼっこ。


小学校の椅子と机みたいな小ささ。みんなちょこんと座って水タバコを一服。

カイロに入る前に、8年越しの誤解が解けて良かった!
さあ、これでカイロに入る心の準備は出来た。後はカイロまで一路平安!


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