Jan,13,2009

シナイ半島とアフリカ大陸を分けるスエズ運河の街スエズに着いた。
やっと着いた。
ダハブを出て5日。苦しくて長い道のりだった。
ダハブからシナイ山などの山々が連なるセント・カトリーナを通る道を選んだのは正解だった。
バリエーションに富んだ砂漠やオアシス、山々の景色を思う存分楽しめる、
登りのつらさも忘れる程の最高のルートだった。


交通量は少ないし、次々と現れる色々な種類の砂漠に感動。

問題はシナイ半島を突っ切って西岸に出てから。
フラットロードで、ブイっと飛ばすつもりだった私たちの前に現れたのは、
最大の敵、強風。
しかも向かい風。
下りだろうと、平らだろうと時速7キロ以上出せない。
西岸に出てからスエズまで200km強。ずっとこの風だったらいったい何日かかるんだろう。
すっかり身も心も疲れ果ててしまって、漕いでいても楽しいことを考えられない。
ただただ下を向いて、両手に力を入れて自転車が倒れないように気をつけながら、
少しづつでも前に進むことのみを考えて足を動かすだけ。
風を受けると体がとてつもなく疲れる。


シナイ山付近は荒々しい岩山で囲まれている。

どうやらこの地帯はウィンドサーフィンのメッカで、
この先ずっと北から風が強く吹き続けるという。
その晩2人で本気でヒッチハイクをしようかと話し合った。
楽しくもないのにただ辛い移動をする価値はあるんだろうか。
今すぐにでも乗ってしまいたい気もする一方で、
エジプトを走るチャンスはカイロまでのこの道しかないからどうしても走りたい気もした。
(エジプト本土の多くは警察の護衛をつけて走行しなくてはならなくて事実上個人の自転車
旅はほとんど出来ない。)
それにエジプトの観光地だけを見てエジプト人はウザイと決め付けたくはない。
もう少しローカルの人々と触れ合ってみたいという気持ちもあった。
とりあえずsleep on it!ということで寝てみた。


オアシス・フェイラン。 砂漠に忽然と現れる大量のナツメヤシの木々に圧倒された。

睡眠は偉大で、朝には頑張るかな、って気持ちになっていたのには自分でもビックリ。
早朝は風が弱いことを願って、日の出と共に出発。
朝は案の定風が少し弱くて、昨日と同じような道を時速20kmで走ることができた。
ナント3倍速!
喜んでいたのもつかの間、すぐに強風になってしまったけど、
朝少しは距離をかせげたことで、気が楽になって悲壮な走りにはならなかった。
頑張った甲斐もあって、
チャイをご馳走になったり、かわいい子供たちに出会ったり、
トラックの中から、車の中から、道端から、沢山の人々にエールをもらって
エジプトの印象も良いままスエズに到着。


トラックのドライバーたちにお茶に呼んでもらったり。木陰のない砂漠ではトラックの陰がありがたい。

スエズはアンマン以来のビッグシティ。
街並みはなんだかインドぽくて、ワサワサしつつ趣きがあって、
人々はとってもフレンドリーで、宿の湯量も感動的にたっぷりだったので、
即2泊することを決断。5日ぶりのシャワーはそりゃもう最高。
カイロまでは135km。
あともう少し。

改造トラックで旅中のオーストリア人カップル。250Lも水を積み込めるのが羨ましい。


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