Apr,01,2013

風をきってスイスイと泳ぐように自転車をこぎながら、「幸せだな」って思った。
自転車を漕いでいるということ自体に「幸せ~」と感じたのはだいぶ久しぶりな気がする。
いつ以来だ?
北部インド、ヒマラヤ地方を走っていたとき以来かもしれない。


道を聞くと「あっちだっけ?こっちだっけ?」と相談し始めるおじちゃんたち。

ネパールは人々の笑顔に出会えるのが楽しくて、やっぱり自転車旅はいいね!とも思ったけれども、
ずっと憧れだった北部インド、ヒマラヤ地方を走りきった後だったのでちょっぴり燃え尽き気味で、カトマンドゥまで行ってトレッキングを始めるまでの繋ぎ的な気分もあった。

次のニュージーランドはわざわざ遠回りしてやってきたんだぞ!という意気込みが強すぎて、「素敵な景色に出会わなくちゃ」「一分、一秒無駄にせず楽しまなくちゃ」というプレッシャーを勝手にかけていて、十分に楽しい旅だったのに「自転車旅って楽しいなぁ」という一番シンプルで一番大切なところを感じられずにいた。
ほんと、勿体ない。


この日はヘトヘトでやっと村に着いてグッタリしたのだけど、子供たちが元気をくれて盛り返す!

だから、
風をきりながら、「ああ、自転車旅って最高」って感じながら自転車をこいでいる自分を発見して、なんだかものすごく嬉しくなった。
アトラス山脈を越える道は美しいけど、心が震えるほどの絶景ってほどではないし、
贅沢な話だけれども世界にはここを超える景色はいくつもあった。
ここ数日走っているところは有名な観光地があるわけでもなく、これといって胸がときめく街があるわけでもない。天気も雨が降ったり、グレーの空で覆われたり、暑くて干からびそうだったりとパーフェクトなわけではない。
それなのに、ものすごく楽しいのだ。
「ひぁー、自転車って気持いいー」って大声だしちゃいそうなくらい嬉しい気分なのだ。
グレーの空や雨の度にものすごくがっかりしたニュージーランド、面白い街がないってブゥブゥ言ってたニュージーランド。つくづくニュージーランドが悪かったんじゃなくて、私たちのモードが悪かったんだって思う。


モロッコの国民食タジン。いつでも食べられると思いきやランチタイムにしかないことが多くてタイミングが合わずに食べられない日々が続いた。


3月にはアトラスの村々にも春が。ビビッドな緑が眩しい

モロッコのテンションが上がっている理由のひとつは、田舎道の人々の笑顔が素敵なこともある。
観光地観光地していないカサブランカではかなり印象の良かったモロッコ人も、マラケシュではビジネスががったフレンドリーさはあったけど、お釣りをかなりの確率でごまかそうとしたり、面倒なことも多かったのもあって、悪い印象とまではいかないもののあんまりホッとできなかった。
いろんな国籍のサイクリストのモロッコの評価を見ると、田舎の人たちもフレンドリーだけど「あれくれ、これくれ」と言われ続けてめげるという記述も多くて、そんな先入観で走り始めた。
でも蓋をあけてみると、観光客がほとんど来ないようなところではシャイで優しいモロッコ人でいっぱいだった。
子供たちははにかみながら柔らかい笑顔で手を振ってくれるし、宿泊や休憩した町々のカフェや雑貨や八百屋や宿では、いつも優しくて温かい声をかけてくれる。
オーバーリアクションで「ぷー」と噴き出しちゃうくらい大げさに手を振ったり応援してくれたりするお茶目なドライバーたちとの出会いも楽しい。
これまでの道中、「金くれ、飴くれ」だの言われたことは結局ほとんどなかった。


モロッコの坂道は傾斜もきつくなく、意外とすんなりと登れる。

今休憩している観光地トドラ渓谷では、子供も大人も物色するような眼で私たちを見て、二言目には「飴頂戴、金頂戴、薬頂戴。」と言われて今までとのギャップにがっかりもするけど、
道中出会った本物の笑顔を思い出して「あっちが本当のモロッコ人」と思うようにしている。

こんなことを書いていたら今すぐにでも自転車にまたがりたくなった。
さ、明日からまた走りだそう。


一瞬で砂嵐がやってくる


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