Oct,10,2010

イラン滞在ももうすぐ終わる。
パッとしなかった最初の10日ほどがウソだったみたいに、イランの滞在は楽しかった。
今まで訪れたどこの国よりも、ひとなつっこく喋りかけてくる人たちが英語を喋る事が出来たので、
挨拶や片言の自己紹介で終わらず、イランという国のこと、イラン人の政府に対する不満、
文化的なこと、いろいろと聞くことが出来た。
特にイランという国では聞きたいことがいっぱいあった。


シラーズで出会ったテヘランからの観光客。スリランカの大学に留学している女の子の一人ががボソっと「イランは何かと不自由でしょ。」とささやいた。

質問がいろいろとしやすかったのは、英語が通じるというだけでなくて、
出会った人々と話すかぎり、金銭感覚や嗜好、思想が、
思っていた以上に私たちの感覚と似ているということもあった。
イランという国は、政府からのいろんな抑圧を除けば、
人々の生活スタンダードは私たちのそれと何ら変わらないように見えた。
同じような感覚を持つ人たちが、今の保守的なイラン政府についてどう考えているのか、
イスラム教における女性の立場についてどう感じているのか、
とても興味深かった。


マリヴァンの公園で一緒にキャンプをしたイラン人家族。英語が喋れると世界が広がるからね、と家族全員が英語を習っていた。

彼らの不満は正当だった。
私たちの政府がもしも同じようなことをしたら気が狂いそうなことがこの国では行われている。
女性だけで歌ってはいけないとか、結婚前の男女がデートするのも禁止とか、女性は自転車に乗ってはいけないだとか、反政府的な考えは述べるだけでも禁止だとか、反政府的な思想の本は読んではならないとか、ダンスミュージックは禁止だとか、「ILOVE YOU」と言ってはならないとか。
歴史の長いペルシャ文化で大切にされてきたことも、風紀が乱れると禁止されているものもある。
あれもだめ、これもだめ。
勿論みんなバレない程度に違反はしている。
それでも常に抑圧されていることには変わりない。

イランの女性は大学を出て働いている人も多い。
他のイスラム教国のように家庭だけにこもっている、男性の後ろに潜むように暮らしているような感じではなかった。英語をしゃべる人も多く、彼女たちは積極的に私たち外国人と話そうとしてきた。
イラン女性のドレスコードの規制に、英語で私たちに積極的に近づいてくるような活発な女性たちは不満を多くもらした。
もっとお洒落して、かわいいものを着て、人に見せたいし、
素敵な髪形にして、外出したい。
スカートだって履きたいし、Tシャツだって着たい。
暑いのに何が嬉しくって地味な色の長そでコートを着なくちゃならないの?
スカーフ巻いたらどんな素敵な髪形にしたって、台無しよね。

イランは外国人であっても女性のドレスコード規制がある。
私も宿の部屋を出たら必ずスカーフを着用し、腰回りを隠す長さの長そで、長ズボンを着なくてはならなかった。何よりも面倒なのが、安宿は大抵トイレやシャワーが共同なのだけど、
トイレやシャワーに行くにもいちいち格好を気にしなくてはならないこと。
小さな部屋にいるときだけが布から肌が解放される時で、たった1か月でももううんざり。


サナンダジでお世話になった家族。娘も息子も英語を喋る。「いいな、私もスカート履きたいな」と言っていた。

今まで他の敬虔なイスラム教の国に訪れたときは、
とくにドレスコードがなくても、地元の人々に失礼にあたらない程度の格好を心がけた。
肌をできるだけ見せない、体のラインがでない服装にしたり、スカーフをかぶったり。
それでもそんなにストレスになったことはなかった。
でもイランではいちいちストレスを感じる。
それは一重に強制されているかいないかの違いなのだと思う。
強制されている、規制されている、そういう中で生活するイラン人のストレスを
ほんの一部でしかないけど、共感することができたのは良かった。

もうすぐイランも出国。
イランは期待していた美しいペルシャ文化や厚いイスラムのもてなしだけではなくて、
人々との会話を楽しむことができた興味深い国だった。
イランではぜひ多くの人々と絡むことをお勧めします。


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