Oct,07,2010

イラク国境に程近いサナンダジまでバスで移動し、
そこからクルド人地域を北へ走り抜けてイラン北西部のタブリーズまでやってきた。
目指すアルメニアはもうすぐ、そろそろイランの旅も終わりだ。

サナンダジからタブリーズまでの7日間、いろんな所に泊めさせてもらった。
モスクの管理人室に始まり、公園でイラン人と一緒にキャンプしたり、チャイハネ(喫茶店)の裏にテントを張ったり、現地人のお宅に泊めさせてもらったりと、実にバリエーションに富んだ毎日だった。
ここにテント張ってもいい?と聞けば、拍子抜けするくらいあっさりと“いいよ”と答えてくれる。


イラン人はキャンプが好き。夏は公園でテントを張る人たちがいっぱいいる。ご飯食べた?
チャイ飲む?何処から来たの?とみんなフレンドリー。

食べ物も困らなかった。
イランの外食は高い上にかなりまずい。でも野菜を買ってきて自炊すれば安いしうまい。
だから毎日自炊三昧だ。
朝と昼はパンとチーズと野菜を買ってサンドイッチを作り、夜は米を炊いたりカレーを作ったり。
現地人のピクニックに呼ばれてBBQをご馳走になったり、お宅でご馳走になったりもした。
日陰でちょっと休憩していると、通りすがりの車の人がリンゴをくれたり、近くのお店からジュースを買ってきてくれたりする。
お昼時に街中を通り過ぎると、すれ違う人たちが右手を口に持っていってもぐもぐと食べるジェスチャーをしながら“飯食ったか?俺たちと食べるか?”と心配してくれる。
たまにお店で買い物をしていると、お店の人からお金はいらないよと言われたり、たっぷりおまけしてくれたり、隣のおじちゃんがお金を払ってくれたりで、お金を使えないことも多い。
あるチャイハネの裏庭でテントを張っている時なんて、チャイハネの従業員がお茶に始まって果物、パン、水タバコと次々とお店の商品を出してきてくれた。全部売り物なんだからせめてお金を受け取ってくれとお願いしても、笑顔を返されるだけで受け取ってくれない。


クルド人の村ナゲル。おじちゃんも子供たちも超フレンドリー。モスクの管理人の部屋に泊めてもらった。

ある街でパンを探していたら、通りすがりの人がパン屋の場所を教えてくれるというので、ようこには雑貨屋さんの前で待っててもらう事にして、パン屋まで連れて行ってもらった。
その人にパンを買ってもらって(お金を払うと言っても頑として受け取ってくれなかった)、ようこの所に帰ったら、ようこが涙目でイスにちょこんと座っていた。

雑貨屋のおじさんが店の奥から椅子を持ってきてくれて、お茶を出してくれた。
目の前の家のおばちゃんが、焼き立ての美味しいパンを持ってきてくれた。
隣のおばちゃんが、パンにつけたら美味しいわよってヨーグルトを持ってきてくれた。
斜め前のお兄ちゃんが、袋いっぱいにお菓子を買って持ってきてくれた。
そしてみんな陽子の邪魔にならないように、遠巻きからニコニコと笑顔。
その気持ちが嬉しくて涙が出てきたのだそうだ。
結局、その日はパン屋に連れて行ってくれた人の家に泊めさせてもらった。


クルド人男性のほとんどがこのダボダボのパンツスタイル。1枚目の写真の女の子たちの小さいベストはクルド人女性のトレードマーク。

さすがにこの辺りで日本人は珍しいのか、どこに行っても時の人だった。
ある公園ではイラクのTVクル―のインタビューを受けた。
イラク人のレポーターがクルド語で質問し、それをイラン人の通訳者が訳してくれるはずだったのだけど、
蓋を開けてみればその通訳者は英語がさっぱりだった。
“Speak Speak”と繰り返すばかりで、いったい何を質問されているのか全く分からない。
しょうがないので、日本語で“自転車で世界一周してます。イラン暑いね”とか適当に答えたら、
それを通訳者がしたり顔でクルド語に翻訳していた。
隣でようこは大笑いだ。

景色的には、畑の収穫直後だったせいもあって、枯れ山が続くぱっとしない風景だったけど、
目じりが垂れ下がって見るからに優しい顔をしたクルド人たちのホスピタリティに触れられて、久しぶりのライドは本当に楽しかった。
クルド人のホスピタリティはペルシャ系のイラン人以上だと聞いていたけど、こんなにすごいなんて。

タブリーズに着いてこの7日間で使ったお金を計算してみたら、二人で1日500円だった。


イラン人は写真が大好き。毎日何回も写真を撮らせて!と止められる。

*** お知らせ ***
Photosにカザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタンの中央アジア3国の写真をアップしました。
今回より、Photosのページをマイナーチェンジしています。

☆変更その1:サムネイルをつけました!
 お時間のない方でも、興味のありそうな写真をピックアップしてご覧いただけるようにしました。

☆変更その2:写真のサイズを大きくしました!
 写真サイズをメインページと同じサイズまで拡大して見やすくしました。

より多くの方にようこの写真を楽しんでいただければ嬉しいです。
これまでの地域の写真も、近日中に同じ形式に変更する予定ですので、乞うご期待!

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